学科長メッセージ人間健康科学科

人間健康科学科長青山朋樹

京都大学医学部人間健康科学科は、明治32年(1899年)に設置され、以来百有余年の歴史があります。その長い歴史において、これまでに看護師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師などの国家資格をもつ数多くの卒業生を輩出してきました。単に国家資格を持つだけの医療人だけでなく、新型コロナウイルスパンデミックのような未曽有の危機に対応できる人材を育んでまいりました。医学の進歩と時代の求めに応じる事ができる高度な医療人の育成の要請を受けて、人間健康科学科も変化、成長を続けております。
現在、人間健康科学科はトップレベルの医療人と医療研究者を養成する目的で、先端看護科学コース、先端リハビリテーション科学コース、総合医療科学コースの3コースの中からコース選択を行い、各コースにおいて世界をリードする教員による専門教育を行っております。また医学研究科、医学部附属病院、iPS細胞研究所、医生物学研究所において臨床を実践している医療人や独創的な研究を行っている研究者を講師として招くことによって、専門性の先鋭化と共に、先端知識の広範化を行っております。学部学生のうちから世界を舞台にした研究や臨床に慣れ親しみ、大学院においては皆さん自身も加わることによって、世界に比肩する医療人や医療研究者に育っていただきたいと思います。
世界で臨まれるトップレベルの医療人と医療研究者とは何でしょうか。刻々と変化する時代の要請に応じて、臨床現場において活躍できる専門職はもちろんです。新しい薬剤や医療機器、医療サービスを開発実践する研究者、円滑な医療制度を構築して運用する医療行政実施者、次の医療の担い手を育む大学教員、そして医学物理士やビッグデータサイエンティストのような新たな技術と知識、実践力を持った人材も該当します。これらのトップ人材が各領域において活躍し、さらに有機的に融合することで、世界をリードする新たなリーダーも生まれる事でしょう。
「自重自敬」は「自らを大切にし、自らを尊敬できるように努力する」という意味です。自らの中に軸を持ち、自らを律することは容易なことではありません。しかし京都大学の学生はその理念を自らのうちに培い、各学部において専門的な知識と経験を積んで、社会へと羽ばたいていきます。教職員も皆さんが勇躍できるように、教育や支援をしますので、共に頑張ってまいりましょう。