研究プロジェクト医学専攻・医科学専攻・ゲノム医学国際連携専攻




研究プロジェクト

National Bio Resource Project

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National Bio Resource Project (NBRP)は、文部科学省の事業です。nbrp-ratその目的は、ライフサイエンス研究の基礎・基盤となるバイオリソース(動物、植物等)について収集・保存・提供を行うこと、そして、バイオリソースの質の向上を目指した技術開発等を行うことです。
「ラット」については、京都大学大学院医学研究科附属動物実験施設が、「中核的拠点整備プログラム」の中核機関として選ばれ、研究を実施しています。

プロジェクトの内容
  1. ラットリソースの収集・保存・提供。
  2. 系統情報の収集と公開。
  3. ゲノム情報の付加によるリソースの高度化。
  4. ラット特性情報の収集と解析。
  5. 効果的なモニタリングシステムによる品質保証。
  6. リソースを用いた研究のコーディネイト。
  7. ラット胚・配偶子の保存技術の国内外への普及活動。
  8. ラットリソース・リサーチ研究会の開催。

以上の活動により、NBRP「ラット」の更なる体制整備を行い、ラットに関する世界最高水準のリソースセンターとしての地位を確立します。

プロジェクト事業推進者医学研究科附属動物実験施設長 浅野 雅秀

プロジェクトの実施期間平成24年度から15年間

プロジェクトのホームページ

エコチル調査京都ユニットセンター

環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」では、妊娠初期から、お子さんが生まれて13歳になるまで調査し、環境中の化学物質などが、子どもの成長や発達にどのような影響を与えるのかを調べます。10万組のお母さんと生まれてくる赤ちゃん、そしてお父さんに参加していただく、長期的で大規模な環境省の全国調査です。
全国15の調査拠点があり、京都大学大学院医学研究科と同志社大学赤ちゃん学研究センターは、京都ユニットセンターとして、京都市左京区・北区、木津川市、長浜市を対象に調査を実施しています。
下記、京都ユニットセンターのホームページをぜひご覧ください。

エコチルどすえ@京都

境省エコチル調査京都ユニットセンター長
京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野教授 中山健夫





産学連携プロジェクト

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「医学領域」産学連携推進機構
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本機構は、国立大学法人にとって「教育」「研究」に次ぐ3番目の責務と云える「研究成果の社会還元」を図る施策として平成14年4月に設置され、医学研究科を中心とする「医学領域」から生み出されるシーズと市場におけるニーズを出会い・融合させ、創薬や医療技術の開発などの産学連携を大きく発展させることにより、病気・病態の克服に貢献します。
機構は、「メディカルイノベーション推進室」と「産学連携支援室(インキュベーション・ プラザ、産学連携オフィス)」からなります。
メディカルイノベーション推進室は、企業と大学との包括的組織連携、医学領域における産学連携の効率的なシステム構築の調査・研究及び研究企画を行っております。また、京都大学医学研究科メディカルイノベーションセンターにて、実施されている大学と企業との包括的組織連携プロジェクトの効率的な研究推進に必要な支援を行っております。
産学連携支援室 インキュベーション・プラザは医学領域の研究成果の社会還元を具体化するため、有望な研究成果を選定し、種々の産学連携活動を通して実用化に結びつけるための業務を行っております。
産学連携支援室 産学連携オフィスは、医学領域における学内の研究シーズを発掘するための活動を行い、集積したシーズ情報を京都大学医学部の同窓会組織である社団法人 芝蘭会の産学情報交流部と共に連携して発信します。さらに、企業と大学との研究情報の交流を推進し、産学連携を透明な形で大きく発展させるための業務を行っております。

本機構のホームページへ

メディカルイノベーションセンター

医学は急速な発展を遂げ、基礎医学と臨床医学の融合が進み、病気と病態を分子の言葉で語れるようになって来ています。京都大学医学研究科では、先進創薬技術を有する製薬企業とアカデミアにおける最先端医学研究との協同による医療イノベーションの推進、特に革新的な創薬を目的として、京都大学メディカルイノベーションセンター(京大MIC)を設立しました。京大MICでは、主たる対象疾病ごとに企業と医学研究科とのイコール・パートナーシップに基づく1対1の包括的組織協定を結び、大学内の研究拠点において公募を含む気鋭の研究者(PI)による集約的研究を推進します。ここでは、医学部・附属病院が持つ高精度の臨床情報や検体の多様な技術プラットフォームでの解析と京都大学医学研究科の伝統である生体の基本的仕組みに関わる研究を融合して真に有用な薬物標的の同定を目指すとともに、独自の表現型スクリーニングによる生物製剤を含む新規薬物の創成、バイオマーカー探索や患者集団の層別化、さらには附属病院・臨床研究総合センターを活用した開発薬物のFirst in human試験による適応疾患の探索と概念検証(Proof of Concept)を進めます。京大MICは、連携企業との多面的で実質的な連携によって疾患メカニズムの理解に基づく革新的創薬を促進し、Unmet Medical Needsに応える最先端の医学的知見を出来るだけ早く患者さんの元に届けることを最終目的としています。

センター長成宮 周(医学研究科特任教授)

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終了した産学連携プロジェクト

SKプロジェクト「神経疾患治療のための創薬医学研究ラボ」終了
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現在の精神疾患に対する治療薬は、有効性を示す患者は一部に限られており、新たな治療候補薬の臨床試験成功率も低いのが現状です。医療現場においては現在の治療薬では十分に満たされない医療アンメットニーズが確実に存在しており、病態メカニズムに基づいたアプローチによる研究が重要となっています。SKプロジェクトでは精神疾患の症状および神経ネットワークに着目し、症状に関わる標的回路・細胞・分子を同定して治療に繋げるアプローチをとり、従来の治療薬では成し得なかった画期的な治療効果を持つ薬を創るために、妥協なく研究を推進します。当該分野における臨床医学、基礎医学、創薬研究の専門家が結集し、創薬標的分子の同定および独創的で有用性の高い研究技術の構築・活用により、社会貢献と科学界への貢献を目指します。

プロジェクト責任者医学研究科教授 村井 俊哉

プロジェクト副統括者塩野義製薬株式会社 小川 公一

実施期間平成30年度から5年間

AKプロジェクト「次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点」終了

今日各種アレルギー疾患の羅患率は我が国で全国民の3割にのぼり、さらに世界の先進諸国全体では2億人以上に及ぶとされています。また、次世代医療として期待される各種臓器移植や再生医療の進展には、安全な免疫制御法の確立が必須の条件です。このような状況から革新的な免疫制御薬剤・技術の開発は現代医療の重要緊急な課題の一つとなっています。
また、本邦の医薬産業における創薬システムには、いくつかの重要なプロセス(独創的な新規薬物開発標的分子の発見・同定、理論的な化合物合成と変換技術、薬物候補化合物の疾患・病態適用のバリデーション技術、生物製剤の開発と有用性検討技術、効率的な探索臨床試験など)がボトルネックとして存在しています。
これを克服するため、医学研究科は本邦の大手製薬会社であるアステラス製薬株式会社と協働して、大学の諸領域および協働機関の最先端の要素技術を融合することにより、従来の創薬プロセスのボトルネックを克服するためのイノベーションを創出し、革新的な「免疫制御薬剤と技術」の開発を行いました。
なお、平成19年度から3年間、科学技術振興調整費「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」プログラムの支援を受けていました。

プロジェクト総括責任者京都大学総長 山極 寿一

プロジェクト協働機関アステラス製薬株式会社

プロジェクトの実施期間平成19年度から10年間

京都大学 キヤノン協働研究プロジェクト終了

CKプロジェクトは、疾病の早期発見と予防医療を実現するために、医工融合領域で活躍できる研究者・技術者を育成しつつ、特に画像診断技術の領域でのイノベーションを創出し、健康社会を実現するという壮大な目標の達成に向けて、京都大学と協働機関のキヤノン(株)とが密接な産学連携のもとに研究教育を推進するプロジェクトです。
これは、正式なテーマ名を「高次生体イメージング先端テクノハブ」と称し、平成18年度に文部科学省科学技術振興調整費「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」プログラムとして採択されたものです。実施期間10年という長期的視野にたって、将来の産業の芽となる先端技術を確立するため、基礎段階から実用化まで、産学が連携して先端的融合領域における研究開発を推進するプロジェクトを支援することを目的としています。
人間健康科学系専攻も、多くの教員が発足当初からCKプロジェクトに携わっており、特に地下のMRIや超音波研究室では、吉田キャンパス拠点と位置づけられ、次世代超音波医用イメージング機器の開発や、高度画像診断支援等の重要課題に取り組んでおり、いくつかの独創的な要素技術を関発しつつあります。その結果、平成20年度の3年目の再審査でも、CKプロジェクトは、全国4件の継続課題の1つに選ばれ、今後さらに研究開発を大きく進展させる機会を得ることができました。
本CKプロジェクトは、研究面での成果を追求するのみならず、京都大学における教育研究の組織改革やシステム改革を促すことも求められております。教育については、工学、医学、および情報学に精通したマルチリンガル人材の育成をめざして、全学組織として先端医工学研究ユニット(平成19年度)を設置し、さらに、工学研究科の生体・医工融合コース(平成20年度)、および医学研究科の医工情報学連携コース(平成20年度)等を設け、既存のカリキュラムに加えて、工学研究科、医学研究科、情報学研究科の教員が協力参加する医工融合分野の人材育成が開始されています。

また、研究開発環境の整備として、本プロジェクトで開発した革新的画像診断機器および分子プローブの臨床研究とそのフィードバックを行う臨床研究センターが病院地区に、そしてORT(On the ResearchTraining)教育機能を持つ医工融合教育拠点、および上記臨床研究センターを包含した世界的拠点としての医工融合教育研究センターを京都大学に設置する準備が進められています。
さらに、平成20年度に京都大学の「イメージング技術が拓く革新的医療機器創出プロジェクト」が、先端医療開発特区(スーパー特区)に採択されましたが、その中でCKプロジェクトで開発中の光イメージング機器はその重点機器になっており、本特区の活用により、CKプロジェクトの加速化と高度化が期待されています。

最高総括責任者山極 寿一(京都大学総長)

最高執行責任者伊藤 紳三郎(工学研究科)

グループリーダー吉村 長久(医学研究科)

眼底光イメージング吉村 長久(医学研究科)

超音波イメージング椎名 毅(医学研究科)

原子磁気センサ松田 哲也(情報学研究科)

画像診断支援富樫 かおり(医学研究科)

分子プローブ近藤 輝幸(先端医工学ユニット)

バイオイメージングデバイス田端 修(工学研究科)

トランスレーショナル・リサーチ清水 章(医学研究科)

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TMKプロジェクト「慢性腎臓病研究ラボ」終了

ヒトをはじめ、哺乳類が進化過程で海から陸に上がることを 選んだ時、激変する新たな環境への適応として体液や圧の調節は不可避のこととなり、腎臓はその役割の多くを担うこととなったが、ひとたびこれが変調をきたすと、生体の恒常性を保つことが困難になり、ついには生命に重大な影響を及ぼすことになる。慢性腎臓病は、このように生体の恒常性維持に極めて重要な臓器が多年にわたり受ける進行性の病的変化であるが、それにも関わらず、その病態の理解は、現状必ずしも十分とは言えない。
本プロジェクトは、先ず慢性腎臓病の正しい理解に立って、これまでの病態生理研究を深化させ、これらを通じ、現状必ずしも満足のいく薬物治療法がない同疾患に、新たな治療の手立てを得、医療現場に提供することをゴールとする。本学において広く内外の叡智を集め、製薬企業との包括的、組織的連携を通じ画期的な新薬を見出し、医療に資することで、年とともに増加する罹患者数の抑制、病態進展(透析移行)の阻止と患者予後の改善に有効な治療法の確立を目指したい。

プロジェクト責任者/研究統括者医学研究科教授 柳田 素子

プロジェクト副統括者田辺三菱製薬株式会社 久米 俊行

協働機関田辺三菱製薬株式会社

実施期間平成23年度から10年間

DSKプロジェクト「免疫とストローマ制御によるがん創薬研究ラボ」終了

がんは国内において年間100万人が罹患し、死亡原因の1位を占める疾患です。昨今の医療技術の進歩により、がんは治らない病から治る病へと変わりつつあるとされるものの、依然、平均5年生存率は6割前後であり、年間37万人が亡くなるなど、人類の健康にとって大きな脅威であり続けています。
DSKプロジェクトはオープンイノベーションの考え方に基づく産学連携プロジェクトとして2011年3月より活動を開始し、「がん細胞の持つ悪性形質の本質と発現機序を明らかにし、その知識を速やかにがん診療に役立てる」ことを目的に掲げて5年間の研究を行いました。
そして2016年4月より、体制を改めて第2期DSKプロジェクトをスタートさせました。第2期プロジェクトでは、京都大学医学研究科の先端的な業績を上げている中核研究者3名と公募により採用された拠点研究者4名、および大日本住友製薬より派遣された研究員から構成される、「免疫研究グループ」、「消化器研究グループ」、「ゲノム情報研究グループ」の3つの融合ラボを設置し、プロジェクトの目的を共有しつつ、各々の研究対象や研究アプローチの特長を生かした研究課題に取り組むことにより、免疫や組織ストローマ細胞によるがん細胞制御のメカニズムを解明し、これを基礎に独創的で画期的な抗がん剤や診断・治療法の開発および創出を目指します。

プロジェクト統括者医学研究科教授 岩井 一宏

プロジェクト副統括者大日本住友製薬株式会社 高堂 透

実施期間平成28年度から5年間