ポリシー医学専攻・医科学専攻・ゲノム医学国際連携専攻

理念と目標

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京都大学大学院医学研究科は、医学を、生命科学と理工学を基盤とし個および集団としての 人の健康と疾病を取り扱う統合的な学問と位置づけ、生命現象の根本原理、病気の成因、病態 の機構を解明し、その成果を先進的医療と疾病予防に発展させる国際的研究拠点を形成する。

これにより、専門領域での深い学識に加え基礎生物学から臨床医学・社会医学までを見通す広い視野を備えた医学研究者の養成を行う。

アドミッションポリシー

医学専攻博士課程

医学研究者の使命は、人間の身体の働きとその異常によって起こる病気のメカニズムを明らかにし、その知識を予防や治療に役立てることにある。ことに学問の専門化、多様化、国際化が進む今日にあっては、医学研究者には、専門分野での高度なトレーニングに加え、広い興味と視野、個別的な知識を統合しようとする視点、他分野の研究者と協力しつつ新たな分野を切り開く能力、社会の発展に貢献する意識、国際社会に貢献するための見識や倫理性などの涵養が求められるようになってきている。
このような展望のもと、本専攻博士課程では、英語や基礎医学、臨床医学に関する基礎知識を有し医学研究を通して自らの能力を活かそうとする強い意欲と積極性を持った人材を求めている。
入学者選別にあたっては、一般選抜及び社会人特別選抜の区分に分けて実施し、いずれにおいても英語や基礎・臨床医学の基礎学力を評価する筆記試験および口頭試問を実施し、総合的に判定する。

京都大学・マギル大学ゲノム医学国際連携専攻博士課程

本専攻博士課程では、ヒト生物学研究に関する専門性の高い経験・技能を有するだけでなく医学にも広汎かつ深い知識を有し、かつグローバルな視点から医療・研究を捉えることができるリーダーを育成することを基本理念としている。学力はもとより、分子生物学、医科学に強い関心を持ち、創造性と深い分析・判断力、研究者として適切な倫理的責任感を備え、高いコミュニケーション能力を持つ者、あるいはそれが期待できる資質を備えていることをアドミッション・ポリシーとし、強い研究志向を持った卓越したゲノム医学研究者を育て、医学の発展に向けてリーダーシップを発揮できる人材の養成を目指している。
本専攻では、以下のような学生の入学を希望する。

  • 生命ビッグデータを解析する高度な技術を修得し、第一線の研究を遂行するために必要とされる能力を身につけたいと考えている者
  • 人類遺伝学、ヒト疾患ゲノム疫学、ゲノム情報科学、統計遺伝学の分野での学識を持ち、将来これらのゲノム医学分野の教育者として後進を育成したいと考えている者
  • 修了後には、専門的知識・経験を活かし、公的研究機関や医療関係機関において国際的な基礎研究および臨床研究のプロジェクトリーダーを目指している者

入学者選別にあたっては、第一次選考においては、英語や専門科目の筆記試験および口頭試問により、英語や基礎、臨床医学における基礎学力を備えているか総合的に判定し、第二次選考においては、第一次選考合格者を対象に、書類選考により、マギル大学との総合評価で選考する。なお、英語を母語としない者は、TOEFL iBT 86点以上(4つのセクション[Reading、Listening、Speaking、Writing]のそれぞれが20点を下回らないこと)、あるいはTOEFL PBT 567点以上の英語能力を必要とする。

医科学専攻修士課程

本専攻修士課程は、医学部医学科以外の学部教育を受けた学生に、医科学分野における基礎知識習得と研究トレーニングの場を提供し、幅広い視野を持ち、高い倫理的責任感を備えた優れた医科学研究者を養成することを目的としている。そのため、学部において生物関連科目を履修しなかった学生にも2年間で医学生物学の概要を習得し、研究を通じて高いコミュニケーション能力を養い、研究課題を自ら設定できるようカリキュラムを組んでいる。また、博士後期課程への進学を前提とした研究者養成教育も行っている。
本課程では、他学部で学んだ専門知識や技術を、医学に関連する学際的研究分野の開拓に積極的に役立てようとする意欲と展望を持った優秀な学生を広く求めている。
入学者選抜にあたっては、英語や医学の基礎となる生物学に関する学力検査(外部試験を含む)および口頭試問により、総合的に判定する。

医科学専攻博士後期課程

本専攻博士後期課程は、従来の伝統的な医学の枠組みを超えた融合領域の創世とそれを担い得る研究者・教育者の養成を行うため、理学・工学分野等にバックグラウンドを持つ学生に対し、従来と異なる視点に立って医学に関する知識を教育することによって、既存の枠を超え、高度な専門知識・技術と医学を結んだ新たな医科学者の研究者・教育者を養成することを目的としている。そのため、3年間で医科学分野での高度で幅広い専門知識を習得し、研究を通じて高いコミュニケーション能力を養うことができるようカリキュラムを組んでいる。また、研究者としての高い倫理的責任感や後進を指導できるリーダーシップを備えた人材の養成を目指している。
本課程では、学部や修士課程で学んだ専門知識や技術を、医学に関連する学際的研究分野の開拓に積極的に役立てようとする意欲と展望を持った優秀な学生を広く求めている。
入学者選抜にあたっては、英語に関する学力検査(外部試験)と口頭試問を実施し、研究企画、遂行能力や研究説明能力を備えているか総合的に判定する。

カリキュラムポリシー

医学専攻博士課程

本専攻博士課程では、ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するために、以下の方針で高度な教育、研究指導の体系的カリキュラムを作成している。
具体的には、学生が希望する研究領域の研究室における徹底した個人指導によって、医学研究や臨床研究の基盤的な専門知識と技能、研究を企画・遂行できる能力、論文作成能力を修得させる。これと同時に、臨床医学、基礎医学、社会医学を横断する「大学院教育コース」を必須選択とする。同コースでは、医学研究遂行に必須な基礎的知識や倫理的素養を培うとともに、他の研究領域の教員および学生と向上的に議論する場を提供することによって、広い興味と視野、個別的な知識を統合しようとする視点、他分野の研究者と協力しつつ新たな分野を切り開く能力を養い、創造性豊かな優れた研究・開発能力を育成する。この徹底した専門教育と幅広い基盤教育をおのおの縦糸と横糸として結ぶ総合的な大学院教育によって、将来の我が国の医学研究・教育の中核を担う国際的研究者や高度な先端医療を開発しうる臨床家などの公正で寛容、かつ人間愛豊かな人格を持った指導的人材を養成する。
学修成果は、研究企画、遂行能力や研究成果の論理的説明能力および学識等の観点から評価する。

京都大学・マギル大学ゲノム医学国際連携専攻博士課程

本専攻博士課程では、卓越した研究者としての研究マインドを涵養することのみならず高度の専門性を必要とするゲノム医学研究に必要な能力を獲得させることを目指しており、ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するために、専門性に特化するだけでなく、両大学の教育・研究資源を有効に活用する方針でカリキュラムを作成している。
また、学位授与に要求される研究者・科学者としての思考能力、経験・技能、リーダーシップ、高い倫理的責任感及び国際的に通用する高い研究能力と深い専門知識を有する人材を養成するために、在学中に統計学・遺伝学の知識を融合した分野横断的な幅広い知識を修得させ、ゲノム医学研究者として必要な基礎知識や解析理論を着実に学ばせた上で、それらを利用した生体情報の統合解析や分析といった研究に関わる実務能力を身につけさせることを最終目標としている。
具体的には、1~2年次に、研究に必須の基礎的知識・技術、論理的思考、問題の発見と解決能力を養う必修科目及びさらに高度な専門的知識・技術を修得させるための選択科目を配置し、3年次より、学位論文を作成するために、両大学の教員の指導のもと国際的視野を持って研究を進められるよう配慮している。なお、学生が本格的に学位論文作成に着手するまでに学位論文作成に必要な知識や能力を修得しているかを包括的に審査する博士課程研究基礎力試験(Ph.D. Qualifying Examination)を実施する。試験内容は、レポートの提出とその内容に関わる発表及び口頭試問とする。
学修成果は、研究企画、遂行能力や研究成果の論理的説明能力および学識等の観点から評価する。

医科学専攻修士課程

本専攻修士課程は、ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するために、以下の方針でカリキュラムを作成している。
医学部医学科以外の学部教育を受け、生物関連科目を履修しなかった学生を対象に2年間で医学・生物学の概要および基本的技能が習得できるようカリキュラムを組んでいる。また、他学部で学んだ専門知識や技術を基礎に、医科学領域での専門的素養と知識・技術を身につけ、創造性豊かな優れた研究・開発能力を持った新しい時代の医科学研究の推進役となりうる指導的人材を養成する。
具体的には、必修科目として、臨床医学、基礎医学、社会医学を横断する専門分野にとらわれない「大学院教育コース(修士)」や、研究者に必要な英語コミュニケーション能力向上を目的とし、議論およびプレゼンテーションを重視する「医学英語」を配し、選択科目として、医学分野にかかる科目や医科学専攻独自の専門科目を配している。また、研究室での演習、実験・実習を通じて修士論文の作成に向けた研究を行い、俯瞰的に問題解決できる能力を涵養し、高い倫理的責任感を備えた優れた医科学研究者を養成する。
学修成果は、研究企画、遂行能力や研究成果の論理的説明能力等の観点から評価する。

医科学専攻博士後期課程

本専攻博士後期課程では、ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するために、入学時から学生が希望する研究領域の研究室における徹底した個人指導によって、医科学研究を自ら企画・遂行できる能力を修得させるという方針でカリキュラムを作成している。
具体的には、研究室での指導と同時に、臨床医学、基礎医学、社会医学を横断する専門分野にとらわれない「大学院教育コース」を必修選択とし、他の関連研究領域の教員および学生との恒常的議論を介して、広い興味と視野、個別的な知識を統合しようとする視点、基盤的、先端的な専門知識の修得、他分野の研究者と協力しつつ新たな分野を切り開く能力を養い、創造性豊かな優れた研究・開発能力を育成する。この徹底した専門教育と幅広い基盤教育をおのおの縦糸と横糸として結ぶ総合的な大学院教育によって、我が国の医科学領域の研究・教育の中核を担う高い倫理的責任感を備えた優れた指導的人材を養成する。
学修成果は、研究企画、遂行能力や研究成果の論理的説明能力および学識等の観点から評価する。

ディプロマポリシー

医学専攻博士課程

医学研究科は、生命現象の根本原理、病気の成因、病態の機構を解明し、その成果を先進的医療と疾病予防への発展に貢献するために必要な深い学識と高い研究能力に加え、基礎生物学から臨床医学・社会医学までを見通す広い視野を備えた人材を育成することが社会から期待されている。そうした人材を育成するために、本専攻博士課程では、4年以上在学して研究指導を受け、かつ分野科目で24単位以上、「大学院教育コース」で6単位以上を修得し、さらに査読のある国際的学術誌に筆頭著者として公表した原著論文についての学位審査に合格した者に、学位を授与する。ただし、評価の高い国際的学術誌に論文発表し、研究の着想、計画、実施、論文執筆にあたり本人の自発性が十分に発揮され、研究者としての基盤が確立されたことが確認できた場合には、3年又は3年半の修了のときに学位を授与することがある。
修了にあっては、以下の点に到達していることを目安とする。

  1. 医学分野の高度で幅広い専門的知識を習得している。
  2. 学術的意義、新規性、創造性等を有する研究を、高い倫理的責任感を備えて企画・推進・実施することができる。
  3. 高度な普遍性を持つ研究成果を論理的に説明できる。

京都大学・マギル大学ゲノム医学国際連携専攻博士課程

ゲノム医学国際連携専攻は、ゲノム医学に関する深い見識を持ち、今後の予防医学研究を主導できる人材を育成することが社会から期待されている。
そうした人材を育成するために、本専攻博士課程では、4年以上在学して両大学の教員から研究指導を受け、かつ両大学にそれぞれ1年以上滞在し、京都大学開設科目16単位以上、マギル大学開設科目12単位以上および両大学による共同開設科目2単位の合計30単位以上を修得し、各科目の成績評価の総平均点がB以上であること、さらに英文のthesis形式の学位論文について両大学合同で実施する学位審査に合格することを、学位授与の必要要件としている。
なお、修了にあっては、以下の点に到達していることを目安としている。

  1. ゲノム医学分野において、高度な知識に基づく研究能力と、高度な専門性を必要とする職業に従事するための能力を修得している。
  2. 学術的意義、新規性、創造性等を有する研究を、高い倫理的責任感を備えて企画・推進・実施することができる。
  3. 高度な普遍性を持つ研究成果を、国際学術言語である英語により論理的に説明できる。

医科学専攻修士課程

近年のライフサイエンスの発展により、医学・医療を取り巻く環境は大きく変革し、医学分野における教育・研究の内容も複雑・高度化している。特に、医師養成と基礎医学の研究を主目的とする伝統的な医学教育・研究に加えて、生命科学の飛躍的発展に伴い得られた膨大な情報を的確に処理し、いかにして有効かつ適切に実際の医療の現場に活かしていくかが課題となっている。また、医療現場では、患者の意識向上と相俟って、高度な機器を利用しての的確な診断が求められ、その診断技術や医療機器の研究開発が日々続けられているなか、高齢化社会の到来を控え、その進展に寄せられる期待は益々大きなものとなっている。こうした伝統的な医学の枠組みを越えた融合領域の創生とそれを担いうる研究者・教育者の養成は、研究教育の中核を担う大学に課せられた大きな使命である。
本専攻では、医学に対する社会的要請に応え、その使命を果たすべく、理学・工学分野等にバックグランドを持つ学生に対し、従来と異なる視点に立って医学に関する知識を教育することによって、既存の枠を越え、高度な専門的知識・技術と医学を結んだ新たな医科学の研究者・教育者を養成しようとするものである。
そうした人材を育成するために、本専攻修士課程では、2年以上在籍し、指導教員の研究分野に所属し、演習・実習を通じて研究指導を受け、30単位以上修得し、修士論文の審査および試験に合格することを、学位授与の必要要件としている。
修了にあっては、以下の点に到達していることを目安とする。

  1. 医科学分野の幅広い専門的知識を習得し、この知識を用いて高度な専門性を有する研究を計画することができる。
  2. 学術的意義、新規性、創造性等を有する研究を、高い倫理的責任感を備えて推進・実施することができる。
  3. 研究成果を広い視野を持ち論理的に説明できる。

医科学専攻博士後期課程

近年のライフサイエンスの発展により、医学・医療を取り巻く環境は大きく変革し、医学分野における教育・研究の内容も複雑・高度化している。特に、医師養成と基礎医学の研究を主目的とする伝統的な医学教育・研究に加えて、生命科学の飛躍的発展に伴い得られた膨大な情報を的確に処理し、いかにして有効かつ適切に実際の医療の現場に活かしていくかが課題となっている。また、医療現場では、患者の意識向上と相俟って、高度な機器を利用しての的確な診断が求められ、その診断技術や医療機器の研究開発が日々続けられているなか、高齢化社会の到来を控え、その進展に寄せられる期待は益々大きなものとなっている。こうした伝統的な医学の枠組みを越えた融合領域の創生とそれを担いうる研究者・教育者の養成は、研究教育の中核を担う大学に課せられた大きな使命である。本専攻では、医学に対する社会的要請に応え、その使命を果たすべく、理学・工学分野等にバックグランドを持つ学生に対し、従来と異なる視点に立って医学に関する知識を教育することによって、既存の枠を越え、高度な専門的知識・技術と医学を結んだ新たな医科学の研究者・教育者を養成しようとするものである。
そうした人材を育成するために、本専攻博士後期課程では、3年以上在学して研究指導を受け、かつ所要科目11単位(主科目7単位、副科目4単位)以上を修得し、さらに査読のある国際的学術誌に筆頭著者として公表した原著論文についての学位審査に合格することを学位授与の必要要件としている。
修了にあっては、以下の点に到達していることを目安とする。

  1. 医科学分野の高度で幅広い専門的知識を習得している。
  2. 学術的意義、新規性、創造性等を有する研究を、高い倫理的責任感を備えて企画・推進・実施することができる。
  3. 高度な普遍性を持つ研究成果を論理的に説明できる。