専攻紹介医学専攻・医科学専攻・ゲノム医学国際連携専攻

医学専攻:博士課程(4年)

21世紀を迎えて医学生物学の領域では、膨大なゲノム貞応の解明に支えられ巨大なパラダイムシフトを経験しつつあり、医学は薬学・理学・工学分野等と密に融合し学際的な分野を形成しようとしています。一方、臨床医学にあっては、疾患の原因、診断、治療の研究にとどまらず、臓器移植、体外受精、遺伝子治療など生命倫理に関わる問題や先端医療の進歩と生命の尊厳との調和、超高齢化社会の到来による疾病構造の変化、患者やQOLを重視した医療などの問題が更に重要な課題として浮かび上がり、医学・医療を取り巻く環境は大きく変貌しようとしています。

本専攻の研究分野は、基幹講座による67分野と、ウイルス・再生医科学研究所、化学研究所、iPS細胞研究所、東南アジア地域研究研究所、複合原子力科学研究所、健康科学センターの協力講座による48分野、連携大学院(学外の専門研究機関)による8分野の計123分野からなり、最新の医学に関する幅広い知識を体系的、集中的に教育し、独創的な研究活動を積極的に推進することにより、国際的レベルの医学分野の研究者、教育者、先進的な医療の担い手を養成しようとしています。

医学研究科博士課程(4年)では従来、生理系、病理系、内科系、外科系、分子医学系、脳統御医科学系の6専攻に分類された研究分野の研究室に学生を配属させ、そこで指導教員によるマンツーマンの個人指導により教育を行ってきました。
平成17年10月1日からは、従来とおりの研究分野における教育に加えて、医学・生命化学分野における科学技術の顕著な進展に伴う医学研究の個別専門領域の境界を越えた集学的研究の拡大に対応するために設定した12の大学院教育コースにおいて、最新の医学に関する幅広い知識を体系的に、集中的に教育する「大学院教育コース」による教育を開始しました。また、6専攻を医学専攻1専攻に改組しました。

医科学専攻:修士課程(2年)・博士後期課程(3年)

医科学専攻修士課程は平成12年4月に設置され、医学以外の学部教育を受けた幅広い自然科学分野の知識を有する学生に対して、医学分野の基礎的な知識と医科学研究の基礎トレーニングを行い、優れた医科学研究者を育成しています。
また、医科学専攻博士後期課程は平成17年4月に設置され、従来の伝統的な医学の枠組みを超えた融合領域の創世とそれを担い得る研究者・教育者の養成を行うため、理学・工学分野等にバックグラウンドを持つ学生に対し、従来と異なる視点に立って医学に関する知識を教育することによって、既存の枠を超え、高度な専門知識・技術と医学を結んだ新たな医科学者の研究者・教育者を養成しています。

京都大学・マギル大学ゲノム医学国際連携専攻(博士課程)

カナダのマギル大学との間で設置した京都大学・マギル大学ゲノム医学国際連携専攻は、生命ビッグデータを活用した様々な解析技術に習熟し、今後の予防医学の発展に貢献できる人材の育成を行うことを目的としています。
本専攻のプログラムは、自立して研究を遂行できる研究者を育成すると同時に、高度な専門性に裏打ちされた技能・経験を得ることができる魅力的な内容となっております。
本専攻では、ゲノム情報、中間形質、生活習慣、環境因子といった生命ビッグデータを扱い、将来の予防医学で最も重要な目標である「個人に最適な医療」にとって不可欠な疾患感受性遺伝子や疾患予測バイオマーカーを同定する技術を身につけてもらいます。また外国での研究活動や教育を通じて、国際的視野を持つ研究者として活躍できる研究能力、国際共同研究において不可欠であるリーダーシップ能力やマネージメント能力も身につけてもらいます。そして、これらの技術や能力を備えた、将来のゲノム医学分野での新たなリーダーとなりうる研究者として、国際的に活躍できる人材の養成を最終目標としています。