運動器機能再建学医学・医科学専攻

特定准教授 坂本 昭夫

われわれは整形外科分野における運動器の機能再建を目指した治療と研究を行っております。運動器の機能が失われることで患者さんのQOLは著しく低下します。また高齢者においては運動器の機能再建に時間を要すると廃用性症候群、他臓器疾患の併発などのリスクがあり、人工関節、金属製インプラント、人工骨などを用いた即時的な機能再建が望まれます。次世代医療への試みとして、患者さんならびに個々の病態に適合した医療機器を開発し、臨床応用を目指します。

研究・教育について

人工関節

人工股関節および人工膝関節インプラントの独自開発を行っております。高強度で生体との親和性の高い金属を用いた人工股関節の開発、骨盤の再建に用いる生体吸収性スクリューの開発、骨と直接結合できる骨セメントの開発を行っています。人工膝関節はコンピュータ・シミュレーションなどを用いて、膝関節の動態や関節内の接触圧などを解析することにより、長期にわたる耐用性と患者満足度の向上を目指しています。

新規金属プレート

骨折だけでなく、腫瘍(原発、転移)の手術にも使用できる新規プレートを開発しています。

脊椎固定

生体活性チタン多孔体を用いた脊椎固定用のケージを開発し、臨床応用しています。

生体材料

生体との親和性の高い人工骨の開発を行っています。チタン金属やポリマーの表面に特殊な処理を行うことで、骨形成や抗菌性などの機能を有する新しい人工骨や人工関節を開発しています。また3Dプリンターを用いた造形技術によりヒトの骨に類似した構造や患者さんの疾病部位の形状に適合したデバイスの開発を行っています。

図1. 人工膝関節のシミュレーション

図2. われわれが開発したカスタムメイド生体活性チタン多孔体人工骨を用いた脊椎固定術の特定臨床研究
https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/press/20211210.html

研究業績

  1. Sakamoto A, Noguchi T, Matsuda S. Combined latissimus dorsi and scapular flaps for reconstruction of a large defect after a shoulder sarcoma resection. J Surg Case Rep. 2023 Mar 18;2023(3)
  2. Umeda K, Sakamoto A, Noguchi T, Uchihara Y, Kobushi H, Akazawa R, Ogata H, Saida S, Kato I, Hiramatsu H, Uto M, Mizowaki T, Haga H, Date H, Okamoto T, Watanabe K, Adachi S, Toguchida J, Matsuda S, Takita J. Clinical Outcomes of Patients With Osteosarcoma Experiencing Relapse or Progression: A Single-institute Experience. J Pediatr Hematol Oncol. 2023 Apr 1;45(3):e356-e362.
  3. Nakamura S, Tanaka Y, Kuriyama S, Nishitani K, Watanabe M, Yamauchi K, Song YD, Matsuda S. Anteromedial Tibial Attachment in Single-Bundle Anterior Cruciate Ligament Reconstruction Can Represent Normal Kinematics in Computer Simulation. J Knee Surg. 2023 Jun;36(7):731-737.
  4. Nakamura S, Kuriyama S, Ito H, Nishitani K, Song YD, Ikebe S, Higaki H, Matsuda S. Kinematic comparison between asymmetrical and symmetrical polyethylene inserts during deep knee bend activity. J Orthop Sci. 2022 Jul;27(4):810-814.
  5. Morita Y, Saito M., Rangel-Moreno J, Franchini A.M, Owen J.R, Martinez J.C, Daiss J.L, de Mesy Bentley K.L, Kates S.L, Schwarz E.M, Gowrishankar M. Systemic IL-27 administration prevents abscess formation and osteolysis via local neutrophil recruitment and activation. Bone Res. 2022 Aug 26;10(1):56.

研究室

特定准教授:坂本 昭夫
特定講師:中村 伸一郎
特定助教:森田 侑吾

  1. ホーム
  2. 研究
  3. 研究分野一覧