システムゲノム医学分野医学・医科学専攻

教授 村川 泰裕

人体の基本設計図であるヒトゲノム情報から、新しい科学的概念や革新的医療を生み出すことを最終目標にしています。ヒトゲノムに一体何が書かれているのか、多くが未解明のままです。この未知に溢れたヒトゲノムの解析には、新しい手法論の開発が絶えず求められてきました。我々は、最先端計測技術、情報学、古典的生化学などを融合し、オリジナルなゲノム解析技術を開発しています。そして、病院や研究機関と連携し、独自の大規模なヒトゲノムデータ基盤を構築し、その中から新しく見い出される遺伝子に着目して医学研究を進めています。

研究室Webサイト

研究・教育について

個人の遺伝情報が、ヒトの体の中でどのように働き、生老病死を司っているのかほとんどわかっていません。約31億塩基対からなるヒトゲノムの理解には、ヒトの体を構成している各々の細胞において、どのような刺激・転写因子で、どのゲノム領域から、どのくらいのRNA分子が読み出され、どのような制御を受けて、最終的にどのような機能を果たすのか?この一つ一つを高精細に計測し、得られた膨大なデータを統合的に解析する必要があります。そのために、様々なバックグランドのメンバーが集い、NET-CAGE法、シングルセル解析法、長鎖シークエンス法、人工知能、空間トランスクリプトーム解析といった最先端技術を駆使・開発して、下記テーマに取り組んでいます。

  • ヒト遺伝子・ノンコーディングRNAの基盤構築
  • ヒトのエンハンサー・ゲノムネットワーク解析
  • 新しいシークエンス解析法とin silico解析法の開発
  • ヒト疾患ゲノム研究
  • 新しいゲノム医療・創薬の開発

教育面では、サイエンスが世界を根本から変える力を持っているという信念を持ち、好奇心や情熱をもって研究に邁進できる若手の育成を目指します。自重自敬に在るように、自ら問い、自ら学び、自ら拓き、自らを大切にすることを基本にします。

独自のゲノム解析法を用いて新しい遺伝子を探索しています。

ラボイベントの写真。様々なバックグランドのメンバーが集っています。

研究業績

  1. Hirabayashi S., Bhagat S., Matsuki Y., Takegami Y., Uehata T., Kanemaru A., Itoh M., Shirakawa K., Takaori-Kondo A., Takeuchi O., Carninci P., Katayama S., Hayashizaki Y., Kere J., Kawaji H., Murakawa Y. NET-CAGE Characterizes Dynamics and Topology of Human Transcribed Cis-regulatory Elements. Nature Genetics, 51(9):1369-1379 (2019)
  2. Yoshihara M., Araki A., Kasama Y., Sunayama M., Abe M., Nishida K., Kawaji H., Hayashizaki Y., Murakawa Y. Hotspots of de novo point mutations in induced pluripotent stem cells. Cell Reports, 21:308-315. (2017)
  3. Murakawa, Y., Yoshihara, M., Kawaji H., Nishikawa M., Zayed H., Suzuki H., Fantom Consortium, Hayashizaki Y. Enhanced identification of transcriptinal enhancers provides mechanistic insights into diseases. Trends in Genetics 32:76-88. (2016)
  4. Murakawa, Y., Hinz, M., Mothes, J., Schuetz, A., Yasuda, T., Mastrobuoni, G., Friedel, C.C., Dölken, L., Kempa, S., Schmidt-Supprian, M., Heinemann, U., Wolf, J, Scheidereit, C., Landthaler, M. RC3H1 represses the IKK/NF-κB negative feedback regulator A20 by binding to a 3’UTR composite structure-sequence element. Nature Communications, 6:7367. (2015)
  5. Rybak-Wolf, A. (#), Jens, M. (#), Murakawa, Y. (#), Herzog, M., Landthaler, M., Rajewsky, N. A variety of Dicer substrates in human and C.elegans. Cell, 159 1153-1167. (2014)

研究室

教授:村川 泰裕
特定助教:濵中 耕平
特任助教:Shruti Bhagat

TEL:075-753-9891
e-mail:murakawa.yasuhiro.0r@kyoto-u.ac.jp

研究室ホームページへのURL:
https://ashbi.kyoto-u.ac.jp/lab-sites/murakawa/

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