教授 松田 文彦
私たちは、ゲノム、プロテオーム、メタボローム解析技術を用いて多因子疾患の多層的研究を行い、その病態の解明と治療法の開発に取り組んでいます。また、患者の臨床情報と統合したデータベースを構築し、個々の患者に対する予測、診断、最適な治療や予防介入を可能にすることを目指しています。対象疾患の例としては、多因子型難病である肺高血圧症、肺線維症、IgG4関連疾患、原発性硬化性胆管炎(PSC)、HTLV-1感染によるHTLV-1関連脊髄症(HSM/TSP)などがあります。また、日本初の地域住民を対象とした大規模ゲノムコホートプロジェクトである「ながはまプロジェクト」を推進しています。 独自に開発した統計遺伝学パイプラインを用いて、加齢や加齢関連疾患の前向き解析を実施し、老化と遺伝・環境の関連の解明を進めています。
本分野では、海外の研究機関との共同研究にも積極的に取り組んでいます。カナダのマギル大学とは、ゲノム医療分野における世界トップクラスの生命データサイエンティストを育成する教育プログラム「京都・マギルゲノム医学国際連携博士課程」を設置しています。また、感染症研究の世界的拠点であるパスツール研究所とも長年にわたり連携しており、2024年6月に設立されたパスツール研究所日本法人(Institut Pasteur du Japan)の京都大学におけるカウンターパート研究室でもあります。
研究室
教授:松田 文彦