教授 安達 泰治
生物の発生過程における細胞分化、形態形成、成長、さらには生体組織・器官のリモデリングや再生による環境への機能的適応など、多様な生命現象における制御メカニズムの解明を目指し、力学を含めた学際的研究を行っている。細胞・分子レベルにおける要素過程と、それらの複雑な相互作用により組織・器官レベルにおいて創発される生命システム動態の本質を理解するため、「力学環境への適応性」と「構造・機能の階層性」に着目し、実験と数理モデリングを統合的に組み合わせたバイオメカニクス・メカノバイオロジー研究を進めている。
研究・教育について
生体システムは,器官・組織レベルにおいても,また,細胞・分子レベルにおいても,絶えず自らの構造や特性をダイナミックに変化させることにより,物理環境の変化に対して,機能的に適応する能力を有しています.さらには,発生時の形態形成や欠損の再生,細胞分裂や細胞運動などにおける細胞内構造システムのダイナミクスにおいても,物理環境が大きく影響を与えます.そこで、生体組織の発生・再生過程やリモデリングによる機能的適応過程において,細胞が力学的刺激を感知し,その情報を組織・細胞の活動に結びつけるメカニズムを理解したいと考えています.
私たちは,これらの学際的課題に対して,分子,細胞,組織の各レベルにおける構造・機能ダイナミクスの力学的理解を目指すバイオメカニクス研究,および,それらの生物学的機能の理解を目指すメカノバイオロジー研究を進めています.特に,力学を基礎として,実験と数理モデリング・計算科学シミュレーションを統合的に組み合わせた研究を行っています.さらに,生体分子システムにボトムアップに現れる自己組織化構造と,工学的にトップダウンで制御するナノ・マイクロ技術を融合し,新規の再生医療用材料・構造の創成を目指しています.
研究業績
- Fukute J, Maki K, et al., Commun Biol, 7:83, 2024.
- Kim YK, Kameo Y, et al., JBMR Plus, 8:1, 2024.
- Yokoyama Y, Kameo Y, et al., Bone, 182, 2024.
- Kim J, Ishikawa K, et al., Sci Rep, 11:9009, 2021.
- Kameo Y, Miya Y, et al., Sci Adv, 6:10, 2020.
研究室
教 授:安達 泰治, Tel & Fax: 075-751-4853, E-mail: adachi@infront.kyoto-u.ac.jp
助 教:牧 功一郎, Tel & Fax: 075-751-4130, E-mail: maki@infront.kyoto-u.ac.jp
助 教:金 英寛, Tel & Fax: 075-751-4854, E-mail: ykim@infront.kyoto-u.ac.jp
助 教:竹田 宏典, Tel & Fax: 075-751- 4865, E-mail: takeda.hironori.3w@kyoto-u.ac.jp
研究室ホームページ:http://www2.infront.kyoto-u.ac.jp/bf05/