教授 松田 秀一
整形外科は生まれてから亡くなるまでのすべての運動器の疾患や外傷による損傷の治療を行っています。膝関節や肩関節の痛みや腰痛は一生のうちほとんどの方が経験し、大腿骨や脊椎の骨折はお年寄りが寝たきりになる原因の第2位となっています。運動機能障害を克服することは、患者さん個人の生活の質を向上させるだけでなく、患者さんの社会参加、社会貢献を可能にし、介護という社会負担を減らすことにより、社会全体の利益となります。私達整形外科医は、人々が終生健やかに身体を動かすことができる社会の実現を目指しています。
研究・教育について
筋骨格に関する専門グループによるさまざまな臨床的・基礎的研究を精力的に行っています。生体材料グループでは、手術で用いるインプラントの研究開発を行い、多くの製品を臨床応用してきました。現在、骨形成能と抗菌性を併せ持つ金属材料の開発に積極的に取り組んでいます。バイオメカニクス研究グループではコンピュータシミュレーション等の技術を駆使して新しい人工膝関節の開発や脊椎のバイオメカニクス研究を行なっています。腫瘍研究グループでは、骨肉腫などの骨軟部腫瘍が発生する分子メカニズムの解明と治療への応用を目指して研究に取り組んでいます。iPS細胞研究所と共同で、軟骨再生に関する研究を推進しており、同種iPS細胞由来軟骨移植による膝関節軟骨損傷の再生に関する臨床試験を行いました。骨軟骨代謝、リウマチグループでは変形性関節症や関節リウマチにおける関節破壊の防止や骨軟骨の再生についての研究と、新しい診断法、治療法の開発・臨床応用を他の研究施設と共同で行っています。末梢神経グループでは、自己細胞から3次元プリンターで作成した神経導管の臨床応用など、神経の変性・損傷に対する治療に役立てようとしています。
研究業績
- Wear resistance of first-generation highly cross-linked annealed polyethylene in cementless total hip arthroplasty is maintained 20 years after surgery. Orita K, Goto K, Kuroda Y, Kawai T, Okuzu Y, Matsuda S.Bone Joint J. 2022 Feb;104-B(2):200-205.
- Comparative Study of Circumferential Decompression and Posterior Decompression in Palliative Surgery for Metastatic Thoracic Spinal Tumors. Otsuki B, Miyazaki K, Kakutani K, Fujibayashi S, Shimizu T, Murata K, Takahashi Y, Nakayama T, Kuroda R, Matsuda S.Clin Spine Surg. 2022 Nov 1;35(9):E685-E692.
- Number of Levels of Spinal Fusion Associated with the Rate of Joint-Space Narrowing in the Hip. Kawai T, Shimizu T, Goto K, Kuroda Y, Okuzu Y, Fujibayashi S, Matsuda S.J Bone Joint Surg Am. 2021 Jun 2;103(11):953-960.
- Excessive flexed position of the femoral component was associated with poor new Knee Society Score after total knee arthroplasty with the Bi-Surface knee prosthesis. Nishitani K, Kuriyama S, Nakamura S, Umatani N, Ito H, Matsuda S. Bone Joint J. 2020 Jun;102-B(6_Supple_A):36-42.
- Nerve regeneration using the Bio 3D nerve conduit fabricated with spheroids. Ikeguchi R, Aoyama T, Tanaka M, Noguchi T, Ando M, Yoshimoto K, Sakamoto D, Iwai T, Miyazaki Y, Akieda S, Ikeya M, Nakayama K, Matsuda S.J Artif Organs. 2022 Dec;25(4):289-297.
研究室
教 授 : 松田秀一
准教授 : 大槻文悟
講 師 : 栗山新一・黒田 隆
助 教 : 西谷江平・河井利之・野口貴志・清水孝彬・奥津弥一郎
特定病院助教 : 薗 隆
[運動器機能再建学講座(寄附講座)]
特定准教授 : 坂本昭夫
特定講師 : 中村伸一郎
特定助教 : 森田侑吾
[リウマチ性疾患先進医療学講座(寄附講座)]
特定講師 : 村田浩一
[リウマチセンター]
特定病院助教 : 藤井貴之
[リハビリテーション科・部]
教授 : 池口良輔