放射線腫瘍学・画像応用治療学医学・医科学専攻

教授 溝脇 尚志

悪性腫瘍に対して、革新的な放射線治療技術開発とその臨床応用による治療成績改善を目指しております。分子生物学的な研究としては、実験検体および臨床検体中のDNA、RNA、タンパクなどを解析して、放射線治療抵抗性の原因究明とその克服法を開発しています。物理工学の研究では強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療、体内の動きに対応する四次元放射線治療などの高精度放射線治療の技術開発並びに臨床適用を推進しています。がん治療の臨床と研究開発に興味のある医師、生物学者、物理工学者の参加を歓迎します。

研究室Webサイト

研究・教育について

生物学的研究

放射線治療の効果を高める放射線増感剤の開発、放射線治療抵抗性因子の網羅的解析、遠隔転移を引き起こす好中球細胞外トラップス(NETs)に関する研究、臨床検体を用いたオミックス解析など、がんに関する基礎研究を幅広く行っております。放射線生物研究センターと腫瘍特異的低酸素について、複合原子力科学研究所とホウ素中性子捕捉療法(BNCT)や免疫放射線療法について、共同研究も行っています。

物理学的研究

高精度画像誘導放射線治療装置(OXRAY)を国内企業と共同開発中です。特に、腫瘍に放射線を集中する物理工学的アプローチとして高精度放射線照射法(動体追尾照射等の4次元放射線治療やDynamic SwingArcなど)の革新的照射技術の開発を進めています。さらに物理学的技術に分子生物学的アプローチを融合し、分子レベルで腫瘍標的を追跡する個別化放射線治療を目指しています。

臨床研究

生物学および物理学研究から得られた知見や新規治療技術を臨床展開しています。高精度放射線治療を手術や化学療法と組み合わせる集学的治療や新規放射線治療アプローチに関する臨床研究を積極的に行っています。

血管内レドックスバランスの破綻により、肺に生じた好中球細胞外トラップ(NETs)は、循環腫瘍細胞を捕獲し、肺転移を促進します(緑:NETs、赤:循環腫瘍細胞)

r-042-2024041202 高精度画像誘導放射線治療装置(OXRAY)

研究業績

  1. Matsuo Y, Hiraoka M, Karasawa K, Kokubo M, Sakamoto T, Mukumoto N, Nakamura M, Morita S, Mizowaki T. Multi-institutional phase II study on the safety and efficacy of dynamic tumor tracking-stereotactic body radiotherapy for lung tumors. Radiother Oncol. 2022;172:18-22. doi:10.1016/j.radonc.2022.04.028
  2. Nakamura K, Ikeda I, Inokuchi H, Aizawa R, Ogata T, Akamatsu S, Kobayashi T, Mizowaki T. Intensity Modulated Radiation Therapy for Localized Prostate Cancer for 3 Weeks. Pract Radiat Oncol. 2023 Nov-Dec;13(6):e530-e537. doi: 10.1016/j.prro.2023.06.004. Epub 2023 Jul 4.
  3. Inoue M, Enomoto M, Yoshimura M, Mizowaki T. Pharmacological inhibition of sodium-calcium exchange activates NADPH oxidase and induces infection-independent NETotic cell death. Redox Biology, 2021 ;43:101983. doi: 10.1016/j.redox.2021. 101983.
  4. Dosimetric verification of four dose calculation algorithms for spine stereotactic body radiotherapy. Hirashima H, Nakamura M, Nakamura K, Matsuo Y, Mizowaki T. J Radiat. Res., 65, 109~118, 2024
  5. Population-based asymmetric margins for moving targets in real-time tumor tracking. Kito S, Mukumoto N, Nakamura M, Tanabe H, Karasawa K, Kokubo M, Sakamoto T, Iizuka Y, Yoshimura M, Matsuo Y, Hiraoka M, Mizowaki T. Med. Phys., 51, 1561~1570, 2024

研究室

教 授:溝脇 尚志
准教授:吉村 通央
講 師:坂中 克行・飯塚 裕介
助 教:中嶋 綾・中島 良太・宇藤 恵・小野 幸果・相澤 理人
特定助教:岸 徳子・伊良皆 拓・平島 英明・足立 孝則・岸上 祐加子

TEL:075-751-3417
FAX:075-771-9749
e-mail:radonc_office@kuhp.kyoto-u.ac.jp
URL:http://radiotherapy.kuhp.kyoto-u.ac.jp

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