循環器内科学医学・医科学専攻

教授 尾野 亘

京都大学循環器内科では、狭心症、心筋梗塞、弁膜症、心不全、脂質異常症、動脈硬化、動脈瘤、不整脈などの疾患を診療しています。24時間循環器救急を受け入れており、安心した医療を提供できるように努めています。
また研究においては基礎・臨床研究のバランスのとれた発展を目標とし、世界に向けて、京都発の新しい価値の創造を行いたいと考えています。

研究室Webサイト

研究・教育について

■基礎研究
・基礎研究グループでは、臨床で得られた疑問を解決するために、分子生物学、生理学、生化学、分子遺伝学を応用した新しい研究手法によって、世界をリードするオリジナリティーの高い研究をおこなっています。特に、心血管疾患の病態解明から得られた知見をもとに、治療法の開発を目指すトランスレーショナル研究を推奨しています。熱意のある若手、異分野の研究者の参加を広く求めています。

■臨床研究
・臨床研究グループでは、循環器病学における臨床研究を通じてエビデンスに基づく医療を推進しています。多くの関係病院との連携により、多施設共同ランダム化比較試験などの臨床研究が進行中です。また、若手の医師に、研究のデザイン、統計手法を深く学んで頂けるコースも設置しています。

図1.miR-33bの抑制による非アルコール性脂肪肝炎の治療

肝細胞、肝星細胞にはmiR-33bの発現がmiR-33aに比べて多く、anti-miR-33bの投与によって、肝細胞、肝星細胞のABCA1の発現が上昇し、これらの細胞内遊離コレステロールや肝臓のコレステロールクリスタルの低下を介して、肝臓の炎症反応や線維化が低下した。従って、NASH発症には肝細胞、肝星細胞のmiR-33bが重要であり、miR-33bの抑制は新規NASH治療となり得る。

図2.miR-33による適応熱産生の制御

miR-33欠損マウスは低温で体温が維持できない。その原因が褐色細胞からの熱産生が起きにくいことであることを明らかとした。具体的には、miR-33が欠損していると標的遺伝子であるGABAA受容体のサブタイプ(Gabrb2とGabra4)の発現増加により抑制性のGABA神経シグナルが増強し、交感神経活性が抑制されることを、カテコラミン産生細胞(交感神経)特異的なGabrb2とGabra4のノックダウン実験で証明した。寒冷刺激により視床下部のmiR-33発現が増加することから、miR-33は視床下部において交感神経活性の程度を増強させるスイッチとして働いて熱産生を増加(適応熱産生)させていると考えられる。

研究業績

  1. Miyagawa S, Horie T, Nishino T, Koyama S, Watanabe T, Baba O, Yamasaki T, Sowa N, Otani C, Matsushita K, Kojima H, Kimura M, Nakashima Y, Obika S, Kasahara Y, Kotera J, Oka K, Fujita R, Sasaki T, Takemiya A, Hasegawa K, Kimura T, Ono K. Inhibition of microRNA-33b in humanized mice ameliorates nonalcoholic steatohepatitis. Life Sci Alliance. 2023 Jun 1;6(8):e202301902. doi: 10.26508/lsa.202301902. PMID: 37263777; PMCID: PMC10235800.
  2. Horie T, Nakao T, Miyasaka Y, Nishino T, Matsumura S, Nakazeki F, Ide Y, Kimura M, Tsuji S, Rodriguez RR, Watanabe T, Yamasaki T, Xu S, Otani C, Miyagawa S, Matsushita K, Sowa N, Omori A, Tanaka J, Nishimura C, Nishiga M, Kuwabara Y, Baba O, Watanabe S, Nishi H, Nakashima Y, Picciotto MR, Inoue H, Watanabe D, Nakamura K, Sasaki T, Kimura T, Ono K. microRNA-33 maintains adaptive thermogenesis via enhanced sympathetic nerve activity. Nat Commun. 2021 Feb 16;12(1):843. doi: 10.1038/s41467-021-21107-5. PMID: 33594062; PMCID: PMC7886914.
  3. Kuwabara Y, Tsuji S, Nishiga M, Izuhara M, Ito S, Nagao K, Horie T, Watanabe S, Koyama S, Kiryu H, Nakashima Y, Baba O, Nakao T, Nishino T, Sowa N, Miyasaka Y, Hatani T, Ide Y, Nakazeki F, Kimura M, Yoshida Y, Inada T, Kimura T, Ono K. Lionheart LincRNA alleviates cardiac systolic dysfunction under pressure overload. Commun Biol. 2020 Aug 13;3(1):434. doi: 10.1038/s42003-020-01164-0. PMID: 32792557; PMCID: PMC7426859.
  4. Nishiga M, Horie T, Kuwabara Y, Nagao K, Baba O, Nakao T, Nishino T, Hakuno D, Nakashima Y, Nishi H, Nakazeki F, Ide Y, Koyama S, Kimura M, Hanada R, Nakamura T, Inada T, Hasegawa K, Conway SJ, Kita T, Kimura T, Ono K. MicroRNA-33 Controls Adaptive Fibrotic Response in the Remodeling Heart by Preserving Lipid Raft Cholesterol. Circ Res. 2017 Mar 3;120(5):835-847. doi: 10.1161/CIRCRESAHA.116.309528. Epub 2016 Dec 5. PMID: 27920122.
  5. Horie T, Nishino T, Baba O, Kuwabara Y, Nakao T, Nishiga M, Usami S, Izuhara M, Sowa N, Yahagi N, Shimano H, Matsumura S, Inoue K, Marusawa H, Nakamura T, Hasegawa K, Kume N, Yokode M, Kita T, Kimura T, Ono K. MicroRNA-33 regulates sterol regulatory element-binding protein 1 expression in mice. Nat Commun. 2013;4:2883. doi: 10.1038/ncomms3883. PMID: 24300912; PMCID: PMC3863899.

研究室

教授 尾野 亘
講師 静田 聡
講師 堀江 貴裕
助教 渡邉 真、⼭地 杏平、塩⾒ 紘樹、山下 侑吾
特定病院助教 中妻 賢志
地域医療システム学講座特定准教授 木下 秀之
地域医療システム学講座特定講師 牧山 武
先制医療・⽣活習慣病研究センター(ハイメディック棟)特定講師 ⾺場 理、加藤 恵理
検査部特定病院助教 西脇 修司
先端医療研究開発機構(iACT)臨床研究支援部 准教授 加藤 貴雄
先端医療研究開発機構(iACT)医療開発部 助教 山本 絵里香
健康医療AI講座 特定助教 糀谷 泰彦

TEL:075-751-4254
FAX:075-751-3289
e-mail:junkan@kuhp.kyoto-u.ac.jp
URL:http://kyoto-u-cardio.jp/

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