生体機能学(旧:生理学研究室)人間健康科学系専攻

教授 緑川 光春

私たちの体内では数十兆におよぶ細胞が生命活動を営んでいます。私たちの研究室では、細胞間の情報伝達を行う上で重要な役割を担っている開口放出現象の中でも最小(直径約40nm)・最速(1ms以内)の現象である、神経細胞間の接続部位であるシナプスにおける開口放出機構に着目して研究を行っています。この小さな現象が脳内の部位によって、あるいは状況によってどのように変化して神経回路の性質の違いを生み出しているのかを解明することを目指しています。

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研究・教育について

私たちは主にマウスの脳神経細胞を対象に、開口放出機構の研究を行っています。直径約40nmしかないシナプス小胞が細胞膜と融合した瞬間を捉えるために、主に電気生理学的手法とライブイメージングという二種類の手法を用いて研究を行っています。さらに最近では開口放出に関わる分子の配置をナノメートルレベルで可視化する超解像顕微鏡や、神経回路の配線を一本ずつ可視化する手法も取り入れています。

これらの手法を用いて異なる神経細胞間での違い、あるいは発達・適応・学習による変化を調べることで、開口放出の性質の違いがどのように神経回路、さらには高次脳機能の違いを生み出しているのかを解明し、将来的には発達障害・精神疾患・ニューロリハビリテーションなどへの治療戦略の創出へと繋げていきたいと考えています。

小さなシナプスレベルでの現象と高次脳機能をつなげていくためには、神経生理学だけではない多様な方法論が必要です。神経回路の不思議さを基礎的なレベルから理解することに興味のある、様々なバックグラウンドを持つ方々を歓迎します。豊かな知識と教養を兼ね備え、研究者コミュニティで信頼と尊敬を得られるような研究者の育成を目指します。

世界で初めて可視化に成功した、マウスの中枢神経細胞における単一シナプス小胞の細胞膜への係留(tethering)と開口放出(fusion)。

シナプス前終末とシナプス後細胞から直接電気記録を取る(上段)ことによって明らかになったマウスのヒゲ感覚視床の神経回路発達過程(下段)。

研究業績

  1. Midorikawa M, Miyata M. (2021). Distinct functional developments of surviving and eliminated presynaptic terminals. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 118(11): e2022423118.
  2. Midorikawa M, Sakaba T. (2017). Kinetics of Releasable Synaptic Vesicles and Their Plastic Changes at Hippocampal Mossy Fiber Synapses. Neuron, 96(5), 1033-1040.
  3. Okamoto Y, Lipstein N, Hua Y, Lin KH, Brose N, Sakaba T, Midorikawa M. (2016). Distinct modes of endocytotic presynaptic membrane and protein uptake at the calyx of Held terminal of rats and mice. eLife, 5:e14643.
  4. Midorikawa M, Sakaba T. (2015). Imaging Exocytosis of Single Synaptic Vesicles at a Fast CNS Presynaptic Terminal. Neuron, 88(3), 492-8.
  5. Midorikawa M, Tsukamoto Y, Berglund K, Ishii M, Tachibana M. (2007). Different roles of ribbon-associated and ribbon-free active zones in retinal bipolar cells. Nature Neuroscience, 10(10), 1268-76.

研究室

教授:緑川光春

TEL:075-751-3913
e-mail:midorikawa.mitsuharu.3y atmark kyoto-u.ac.jp
(メール送信時はatmarkを@に変えて下さい)

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