緩和ケア看護学人間健康科学系専攻

教授 宮下 美香

 がんとの共生の実現は社会的な重要課題です。緩和ケア看護学は、がんなどの生命を脅かす病を経験したあらゆる年代の人とその家族に対し、身体的、心理的、社会的、そしてスピリチュアルな苦痛を予防、緩和し、最期まで生き抜くことを支える看護ケアを創造する学問分野です。当研究室では、がんサバイバーの全人的苦痛を予防、緩和する看護の開発とその社会実装によりQuality of Life(生活の質)の維持向上に貢献することを目指します。

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研究・教育について

研究

 がんサバイバーが経験する苦痛を予防、緩和するための看護の開発に資する様々な研究に取り組んでいます。がんとがん治療に関連した認知機能障害をテーマとした研究を行っており、米国の先生との国際共同研究も進めています。今後、介入の効果発現メカニズムを探索し、介入の改良を重ね、社会実装を目指します。また、がん医療における患者-医療者間コミュニケーションの促進を目指し、様々な研究を行っています。最近では、造血器腫瘍患者を対象とした質問促進リストを開発しました。今後、多施設ランダム化比較試験での有効性検証を予定しています。さらに、人工知能関連技術の応用による緩和ケアの発展にも取り組んでいます。特に、がん患者の緩和ケアのための人工知能アプリケーションの作成に重点的に取り組んでいます。現在、特許出願のうえで企業との共同研究による試作品開発を進め、臨床研究も計画しています。

教育

 学部では緩和ケア看護学、老年看護学の講義、実習を担当し、大学院では緩和ケア看護学、がん看護学を専門分野とする研究者を育成します。修士課程の高度実践研究者養成プログラム専門看護師課程において、がん看護専門看護師を養成します。

①認知トレーニング装置

②認知トレーニングを行っている様子

研究業績

  1. Myers JS, Pathak HB, He J, Ghosh A, Puri RV, Asakura Y, Miyashita M. Combined Exercise and Game-based Cognitive Training Intervention: Correlative Pilot Study of Neurotrophic and Inflammatory Biomarkers for Women with Breast. Cancer Nurs. 2024;47(3):198-206. DOI10.1097/NCC.0000000000001175
  2. Shimada K, Tsuneto S. Novel method for predicting nonvisible symptoms using machine learning in cancer palliative care. Sci Rep, 2023;13(1):12088. doi: 10.1038/s41598-023-39119-0.
  3. Tenda Y, Miyashita M, Yamada A, Shimizu C, Nakayama K, Honma N, Taira N, Sawaki M. Older patients’ experience of living with cognitive impairment related to hormone therapy for breast cancer: A qualitative study. Eur J Oncol Nurs. 2022 Apr;57:102115. doi: 10.1016/j.ejon.2022.102115.
  4. Morikawa M, Shirai Y. Qualitative analysis of the roles of physicians and nurses in providing decision support to patients with relapsed or refractory leukemia and lymphoma. Cancer Control. 2022 Jan-Dec; 29: 10732748221131003. doi: https://doi.org/10.1177/10732748221131003
  5. Miyashita M, Tsukamoto N, Hashimoto M, Kajiwara K, Kako J, Okamura H. Validation of the Japanese Version of the Functional Assessment of Cancer Therapy-Cognitive Function Version 3. J Pain Symptom Manage. 2020;59(1):139-146. doi: 10.1016/j.jpainsymman.2019.09.027.

研究室

教 授:宮下美香
准教授:白井由紀、嶋田和貴
助 教:黒田貴子

連絡先:宮下美香 miyashita.mika.3w●kyoto-u.ac.jp
(メール送信時は「●」を「@」に変えて下さい)
研究室ホームページ:https://oncol.hs.med.kyoto-u.ac.jp/

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