生活環境看護学人間健康科学系専攻

教授 若村 智子

生活環境看護学とは、生活環境と人との関わりを通じて、看護学を考える分野です。ナイチンゲールが「看護の覚え書き」で、健康にとって環境が重要な要因であると記述しています。病気からくると思われている症状や苦痛は、病気以外の環境がその原因になっていることのほうが多いと述べています。患者の自己治癒力に働きかけ、患者の生命力の消耗を最小にするために、看護は環境を整えます。生活環境看護学分野とは、環境をどのように調整すれば、人の健康や回復をより導くことができるかを、研究する分野です。

研究・教育について

私たちが取り組んでいる研究は、シフトワーカーにとっての環境や生活に関する研究に代表されるような、ヒトの睡眠・覚醒リズムに関する研究です。この課題について、光(強さ、波長)、排泄行動、皮膚の機能などをアウトカムとして、臨床研究、大規模な実験やコホートなどの調査研究などの多彩な研究に意欲的に取り組んでいます。京大COI、JST、企業からの助成をいただき、2016年から天候などに左右されずにリアルライフに近い長期滞在型の研究実施が可能になっています。
学部教育は、全学共通科目で、2006年から「生体リズムと健康」を担当しています。人間健康科学Ⅴ(実習)、看護学原論、基礎看護技術学・演習などを、大学院では、看護理論を担当しています。当分野で得られた研究成果は、学部及び大学院教育にタイムリーに反映させ、研究と教育の有機的なリンケージが図れるように努めています。また、学生らの熱心な研究活動は、学部生を含めて、学会等で多くの表彰や、日本学術振興会特別研究員(DC1)の採用にもつながり、研究の励みになっています。

①Biological rhythm laboratory (バストイレつきシングルルーム2室)
左:暗条件 右:明条件として撮影

②ポスター発表風景(フランス、リヨン)

研究業績

  1. Nakamoto I, Horita S, Sasai S, Uiji S, & Wakamura T. (2022) Nursing in Japan, Edited by Nagórska M. Medical Professions in international perspective – Nurse, Wydawnictwo Uniwersytetu Rzeszowskiego. 58-79.
  2. Nakamoto I, Uiji S, Okata R, Endo H, Tohyama S, Nitta R, Hashimoto S, Matsushima Y, Wakimoto J, Hashimoto S, Nishiyama Y, Kanikowska D, Negoro H, & Wakamura T. (2021) Diurnal rhythms of urine volume and electrolyte excretion in healthy young men under differing intensities of daytime light exposure. Scientific Reports, 11, 1, 13097-13097.
  3. Fujino Y., Oka Y., Wakamura T. (2021) Seasonal effects on the continuous positive airway pressure adherence of patients with obstructive sleep apnea. Sleep medicine, 80, 126-133.
  4. 若村智子、西村舞琴:はじめて学ぶ文献レビュー,総合医学社,2020
  5. Higo Y, Nagashima S, Tabara T, Setoh K, Kawaguchi T, Takahashi Y, Kosugi S, Nakayama T, Matsuda F, & Wakamura T.; Nagahama study group (2019) Association of the spot urine sodium-to-potassium ratio with blood pressure is independent of urinary Na and K levels: The Nagahama study. Hypertension Research. 42(10), 1624-1630.

研究室

教 授:若村 智子
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