医学系研究支援プログラム
この度、本学は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「医学系研究支援プログラム」に、2025年8月21日付で採択されました。
ライフサイエンス分野は、世界の論文生産の約半分を占める重要な研究領域です。しかし近年、日本の医学系研究、特にハイインパクトな論文数における国際競争力の低下が課題となっています。
本プログラムでは、「知の創造」の源泉となる若手研究者の潜在能力や、新たなリサーチ・クエスチョンに取り組む自律性を十分に生かしきれていない状況を解決すべく、「メディカルリサーチセンター」を設置し、横串的な研究コーディネーター機能の充実により、研究者が自律的かつ高いモチベーションをもって研究を遂行できる支援体制を構築することを主要な目的としています。
「研究マネージャー」の統括の下、共同利用研究施設(コア・ファシリティ)の環境と研究支援人材を充実させるとともに、「京都大学医学部附属病院改革プラン」も踏まえた若手臨床医のマインドセット変革に繋がる制度改革を推進し、① 萌芽的研究の推進において高いポテンシャルを有する 40 歳前後の若手研究者を選抜し、② 選抜された 7つの研究グループをサポートし、③ 国内・海外機関と効果的な連携を推進して世界トップレベルのサイエンスを創り出すことを目指しています。医学系研究を先導する拠点としての役割を担う確固たる意志をもって、国内外を巻き込んだ医学系研究力の向上とそれを担う人材の育成に、総力を挙げて取り組んでいきます。
研究グループ紹介
①代謝―免疫時空間マッピングに基づく皮膚炎の革新的脂質標的治療開発
| 研究代表者 | 先端医療基盤共同研究講座(皮膚科学兼任) 中溝 聡 特定准教授 がん免疫総合研究センター 杉浦 悠毅 特定准教授 |
| シニアアドバイザー | 皮膚科学 椛島 健治 教授 |
| 外部連携機関 | Yale School of Medicine, 順天堂大学医学研究科 |
| ポイント | ・世界初の「血管周囲脂質の可視化」による“イムノメタボリック・ニッチ”の解明 ・難治性炎症疾患への新規分子標的創出 ・学術的独創性と国際的競争力を兼ね備えた挑戦的研究 |
② mRNA分解に着目した難治性網膜新生血管疾患の治療法開発
| 研究代表者 | 眼科学 畑 匡侑 特定講師 医化学 吉永 正憲 助教 |
| シニアアドバイザー | 医化学 竹内 理 教授 |
| 外部連携機関 | University of Montreal, Stanford University |
| ポイント | ・mRNA分解制御という新機軸による網膜新生血管疾患の治療 ・本学独自の核酸医薬開発基盤を活用 ・社会的要請の高い視覚障害疾患に対する国際的インパクト |
③ 精緻かつ独自のシングルセル解析を応用したヒト疾患病態解明と新規診断・治療法の開発
| 研究代表者 | 血液内科学 阪本 貴士 助教 高等研究院ヒト生物学高等研究拠点 病態生物医学 村川 泰裕 教授 |
| シニアアドバイザー | 血液内科学 髙折 晃史 教授 |
| 外部連携機関 | University of Texas, 理化学研究所横浜キャンパス |
| ポイント | ・独自のトランスクリプトーム解析技術群を統合的に用いて、臨床検体を解析 ・疾患特異性の極めて高い新規RNA分子を多数同定 ・骨髄系腫瘍の新規バイオマーカー、新規治療標的創出 |
④ 潰瘍性大腸炎の病態解明と治療標的の探索
| 研究代表者 | 白眉センター 垣内 伸之 特定准教授 消化器内科学 桒田 威 特定病院助教 |
| シニアアドバイザー | 腫瘍生物学 小川 誠司 教授 |
| 外部連携機関 | 東京大学定量生命科学研究所 |
| ポイント | ・先進国で増加し続けている潰瘍性大腸炎の原因は未解明 ・自己抗原・自己抗体といった自己免疫疾患の本質にもとづき潰瘍性大腸炎の病態解明を目指す挑戦的研究 ・潰瘍性大腸炎の新規分子標的の創出 |
⑤ 腎障害修復における細胞間相互作用の解明と治療標的の探索
| 研究代表者 | 腎臓内科学 好川 貴久 特定病院助教 iPS細胞研究所 荒岡 利和 特定講師 |
| シニアアドバイザー | 腎臓内科学 柳田 素子 教授 |
| 外部連携機関 | 理化学研究所 横浜キャンパス, 滋賀医科大学 |
| ポイント | ・慢性腎臓病の新たな病態機序解明への挑戦 ・ネフロン前駆細胞を用いた高齢者慢性腎臓病への革新的細胞療法の開発 ・オルガノイドによる腎線維化新規モデルの構築 |
⑥ 膵臓の前がんの超早期診断法の開発
| 研究代表者 | 分子腫瘍学 瀨海 美穂 助教 放射線部 志水 陽一 講師 |
| シニアアドバイザー | 分子腫瘍学 藤田恭之 教授 |
| 外部連携機関 | iFOM ETS, 名古屋大学医学研究科 |
| ポイント | ・世界初の膵臓前がん病変マーカーの同定 ・超早期がん病変診断法の開発 ・新規核医学イメージングプローブの創出 ・基礎研究から臨床へと繋がる革新的研究 |
⑦ 難治がんの腫瘍免疫環境に応じて最適化する、自己と非自己をバランシングする免疫機構の本態解明
| 研究代表者 | がん免疫総合研究センター 加藤 真一郎 助教 脳神経外科学 佐野 徳隆 助教 肝胆膵・移植外科学 楊 知明 助教 |
| シニアアドバイザー | 脳神経外科学 荒川 芳輝 教授 |
| 外部連携機関 | 国立がんセンター, 金沢大学がん進展制御研究所 |
| ポイント | ・他の追従を許さない、極小臨床検体を対象とした圧倒的なゲノム解析・免疫解析技術 ・ゲノム・免疫・代謝の時空間的ダイナミクスの可視化により “難治がんに免疫療法が効かないメカニズム”を解明 ・難治がんに対する新規免疫療法を創出 |
サポートチーム紹介(準備中)
学内支援制度の紹介(準備中)
本プログラムで実施のシンポジウム・セミナー情報
医学系研究支援プログラム主催の第1回公開シンポジウム
シンポジウム名:「オルガノイド研究基盤フォーラム」
開催日: 2026年3月9日(月) 開催場所:京都大学・医薬系総合研究棟 1F藤多記念ホール
プログラムならびに申し込み要領: 添付案内資料の通り
■開催概要
| 開催日時 | 2026年3月9日(月) |
| 開催地 | 京都大学 医薬系総合研究棟 1F 藤多記念ホール |
| 開催形式 | 第1部 シンポジウム(ハイブリッド形式)/第2部以降(オンサイト) |
| 開催言語 | 日本語 |
| 参加申込・ポスター発表申込方法 | 下記フォームよりお願いします。 https://forms.gle/7etVQt2qeGx43DEq6 |
| プログラム | 第1部:シンポジウム(ハイブリッド) 開会挨拶(13:00–13:15) 講演(13:15–14:35) 「次世代医学研究を支えるオルガノイド研究基盤 ―プラットフォーム技術としての展望」 井上 治久(京都大学 iPS細胞研究所 副所長、増殖分化機構研究部門 教授/理化学研究所) 「iPS細胞由来軟骨オルガノイドの誘導と関節疾患再生治療法の開発」 妻木 範行(大阪大学 大学院医学系研究科/生命機能研究科 生化学・分子生物学(組織生化学) 教授) 「オルガノイドを活用した Microphysiological systems(MPS)開発」 横川 隆司(京都大学 大学院工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 教授) 「三次元ヒト血液脳関門モデルと中枢創薬」 立川 正憲(徳島大学大学院医歯薬学研究部(薬学域)・フォトニクス健康フロンティア研究院 教授) ポスターセッション①(14:35–15:05) ショートトーク:臓器別オルガノイドの現状と展望(15:05–16:05) 【ショートトーク登壇者(予定)】 「内耳」 山本 典生(神戸市立医療センター中央市民病院・耳鼻咽喉科 部長) 「肺」 後藤 慎平(京都大学iPS細胞研究所・臨床応用研究部門 教授) 「心臓」 舟越 俊介(京都大学iPS細胞研究所・増殖分化機構研究部門 特定助教) 「腸」 高山 和雄(東京科学大学総合研究院難治疾患研究所 教授) 「腎臓」 荒岡 利和(京都大学iPS細胞研究所・増殖分化機構研究部門 特定講師) 「がん」 井上 正宏(京都大学医学研究科クリニカルバイオリソース研究開発講座 特任教授) ポスターセッション②(16:10–16:40) 第2部:ワークショップ(オンサイト) 16:40–17:10 「オルガノイド研究の現状と課題」 永樂 元次(京都大学 医生物学研究所 生命システム研究部門 教授) 17:10–18:40 ワークショップならびにチーム別討論結果報告 第3部:意見交換会(オンサイト) 18:40~20:00 懇親会(会費制) |