新生児学講座医学・医科学専攻

特定教授 河井 昌彦

少子化・働き方改革等の影響を受け、新生児科医の担い手は減少傾向にあると言われています。我々、新生児学講座は世界最高峰の臨床成績を誇る日本の周産期医療を守り、さらに発展させることを目指します。具体的には、新生児学の学問的な面白さを追求するとともに、高度な専門医育成プログラムを実践し、新生児科医の育成を目指します。

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研究・教育について

早産児・子宮内発育不全児の生命予後は著しく向上してきましたが、発達予後の面からはまだ不十分だと言わざるを得ません。 我々はその原因(の少なくとも一部)は、彼らの病態生理に対する理解がまだ不十分であることに基づくものと考え、その解明に向けた研究を行っています。

具体的には
1. 早産児は「相対的副腎不全」「低サイロキシン血症」「骨減少症」「血糖異常」など内分泌・代謝の合併症が多く、成長・発達への影響が大きいことが知られています。 このため、胎児成長の内分泌・代謝学的な特徴を明らかにし、これに基づいた早産児の適切な管理方法の構築を目指します。
2. 子宮内発育不全で出生した児の予後が悪い事が報告されていますが、その原因は胎児が生存のためにとる適応反応が将来の成長・発達にとって悪影響を及ぼしているためと考えられます。 そこで、子宮内発育不全児がとる適応反応をより深く解明し、治療介入を目指します。

以上のような、新生児学を一歩進める研究を行うとともに、高度な新生児医療を実践することを通して、新生児専門医の育成を目指します。

我々の研究対象はIntensive Careを要する小さな命です。
NICUでは多くの機会に囲まれはぐくまれる命ですが、そんな小さなBabyの病態生理の解明に取り組んでいます。

京都大学医学部附属病院NICUのシンボルマークです。
ここに集うBabyたちに対する医療の進歩の原動力となる研究を目指します。

研究業績

  1. Yamamoto A, Motokura K, Iwanaga K, Niwa F, Takita J, Kawai M. Glucocorticoid receptor expression pattern in very low birth weight infants changes drastically within the first week of life. Horm Res Pediatr 2022: doi:10.1159/000526915
  2. Motokura K, Tomotaki S, Hanaoka S, Yamauchi T, Tomotaki H, Iwanaga K, Niwa F, MD, Takita J, Kawai M. Appropriate Phosphorus Intake by Parenteral Nutrition Prevents Metabolic Bone Disease of Prematurity in Extremely Low Birth Weight Infants. Journal of Parenteral and Enteral Nutrition 2020 Aug 12.doi: 10.1002/jpen.1993.
  3. Hanaoka S, Iwanaga K, Tomotaki S, Niwa F, MD, Takita J, Kawai M. Antenatal corticosteroids for threatened labor fascilitate thyroid maturation among preterm neonates. Clin Endocrinol (Oxf). 2020 Nov;93(5):613-619. doi: 10.1111/cen.14272.
  4. Yamamoto A, Iwanaga K, Matsukura T, Niwa F, Morimoto T, Takita J, Kawai M. Response of preterm infants with transient hypothyroxinemia of prematurity to the thyrotropin-releasing hormone stimulation test is characterized by a delayed decrease in thyroid stimulating hormone after the peak.  Clin Endocrinol (Oxf). 2020 Nov;93(5):605-612. doi: 10.1111/cen.14260.
  5. Iwanaga K, Matsukura T, Niwa F, Kawai M. CRH stimulation tests for the infants with relative adrenal insufficiency, Clin Endocrinol. 2017;87:660-664. doi: 10.1111/cen.13446.

研究室

[特定教授] 河井 昌彦
[特定助教] 荒木 亮佑

TEL: 075-751-3237

FAX: 075-751-3237

URL: https://pediatrics.kuhp.kyoto-u.ac.jp/shinryo_group/neonate/

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