教授 井上悠輔
医療倫理学分野では、医療や研究開発、公衆衛生の諸テーマにおける倫理や制度をめぐる研究・教育活動を行っています。医療をめぐる意思決定、身体や生命に関する倫理問題の探究、政策のあり方など、関心があるテーマをより掘り下げたい、社会の動きを捉えて形にしたい、より良い社会に向けた提案したい、そのような熱い気持ちを持つ人を受け入れています。
研究・教育について
今日、「倫理」は、患者さんや医療の担い手にとどまらず、研究開発の現場、社会における知識・情報の発信・報道、そして国における政策の決定や運用において、重要（かつ厄介！）なキーワードとなっています。また、国内外での企業活動、産学連携の現場においても「倫理」への対応は一層重要な課題になっています。主に人文社会科学の手法を基調とした、学際的なアプローチを採用して、「問題」「認識」を実証的に把握することを心がけています。
•医科学や「先端医療」の倫理
•公衆衛生・疫学の倫理
•医療・健康データ、ヒト組織・検体の保管と活用をめぐる倫理
•医の倫理や制度の展開
授業では、コア科目（「基礎医療倫理学」）や各論、リレー講義、全学開放の講義を担当しています。倫理自体の研究を志望する者の育成のみならず、学生や医療・医科学研究者に向けた入門教育にも注力しています。また、研究倫理に関する研修や教育面での産学連携にも取り組んでいます。
医療・研究の「倫理」に関する教材作成の企画や執筆に参画しています（『医学研究・臨床試験の倫理 わが国の事例に学ぶ』日本評論社ほか）。
パンデミック下での「感染者の逸脱」に関する罰則感情の高まりや変遷を調査したもの（J Epidemiol 31(7) 453-455 2021）。
研究業績
- Inoue Y, Masui T, Harada K, Hong H, Kokado M. Restrictions on monetary payments for human biological substances in Japan: The mu-shou principle and its ethical implications for stem cell research. Regen Ther 23 1-7 2023年6月.
- Inoue Y, Okita T. Coronavirus disease and the shared emotion of blaming others: Reviewing media opinion polls during the pandemic. J Epidemiol 31(7) 453-455 2021年7月.
- Inoue Y, Shineha R, Yashiro Y. Current public support for Human-Animal Chimera research in Japan is limited, despite high levels of scientific approval. Cell Stem Cell 19(2) 152-153 2016年8月.
- Inoue Y, Muto K. Noncompliance with human subjects’ protection requirements as a reason for retracting papers: survey of retraction notices on medical papers published from 1981 to 2011. Account Res 23(2) 123-135 2016年3月
- Forsberg J.S., Inoue Y. Beware Side Effects of Research Ethics Revision. Science 341(6152) 1341-1342 2013年9月.
研究室
[教授] 井上悠輔
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