教授 小杉 眞司
現在の医療倫理学における最重要の課題として遺伝医療の問題を中心的に扱っています。遺伝カウンセリング・次世代シーケンサ・ゲノムコホート等に関する倫理的課題のほか、臨床分野と協同してがんゲノム・乳癌・難聴・内分泌疾患等の研究を実施しています。
社会健康医学系専攻専門職学位課程に遺伝カウンセラーコースをおき、専門的な人材の養成を連携して行っています。附属病院遺伝子診療部での診療や教育研究でも中心的な役割を担っています。また、医の倫理委員会とも密接な関係を持ち医学研究倫理に関する様々な課題に取り組んでいます。
研究・教育について
遺伝医療・遺伝医学・遺伝カウンセリングに関連する課題を中心に研究している。遺伝学的検査の精度管理や質保証に関する研究や次世代シーケンサによるSecondary Findingに関する研究に取り組んでいる。教授の臨床専門領域として、MEN1（多発性内分泌腫瘍症1型）に関する研究を長年継続して行っており、MENコンソーシアムの主要メンバーとして多数の研究業績を発表している。また、遺伝性乳がん卵巣がん、遺伝性難聴等を起こす新規遺伝子探索研究を推進している。その他、希少遺伝性疾患や遺伝性腫瘍における患者団体との協同に関する研究、長浜ゲノムコホート研究にも中心的な役割を果たしている。2021年度からは、コニカミノルタ株式会社との共同研究講座（ゲノム医療学）を設置し、共同で教育・研究・診療にあたっている。
研究活動と平行して専門職人材養成に積極的に取り組んでおり、遺伝カウンセラーコース教育を中心に、社会健康医学系専攻における医療倫理学の教育、医学部医学科における遺伝医学教育および医の倫理教育、さらには、医の倫理委員会が主催する研究者・研究支援者・倫理審査委員等を対象として研究倫理研修も実施している。
アドバンストセミナー2019
教室員一同
研究業績
- Taguchi I, et al; Attitudes of clinical geneticists and certified genetic counselors to genome editing and its clinical applications: A nation-wide questionnaire survey in Japan. J Hum Genet, 2019 Sept 1, 64(9)945-954,
- Kawasaki H, et al; Epidemiology of Birth Defects in Very Low Birth Weight Infants in Japan. J Pediatr. 2020 Jul 5:S0022-3476(20)30855-6. doi: 10.1016/j.jpeds.2020.07.012.
- Tsuchiya M, et al. Attitudes toward and current status of disclosure of secondary ndings from next-generation sequencing: a nation-wide survey of clinical genetics professionals in Japan. J Hum Genet. 2020 Jul 13. doi: 10.1038/s10038-020-0802-2.
- Kawasaki H, et al; Current status and legal/ethical problems in the research use of the tissues of aborted human fetuses in Japan. Congenit Anom (Kyoto). 2020 Jun 23. doi: 10.1111/cga.12381. Online ahead of print. PMID: 32572995.
- Torishima M, et al. Negative recollections regarding doctor-patient interactions among men receiving a prostate cancer diagnosis: a qualitative study of patient experiences in Japan. BMJ Open. 2020/1/20, 10(1) e032251, doi:10.1136/bmjopen-2019-032251.
研究室
教授 小杉眞司 kosugi@kuhp.kyoto-u.ac.jp
電話 075-753-4647 FAX 075-753-4649
准教授 中島健 takeshinaka@kuhp.kyoto-u.ac.jp