教授 西浦 博
衛生学は主に環境・外的要因に着目した健康と疾病の問題を取り扱う学問で、歴史的には感染症の発見および制御とともに学問的発展を遂げてきました。当分野では、主に感染症を対象として研究と教育を担当しています。数理モデルおよび統計モデルを利用した感染症自然史等の推定や感染ダイナミクスの解明、流行対策の評価および流行予測の実現などを細目分野として、感染症の理論疫学(数理疫学)をコモンスレッドにした分野です。アウトブレイク調査やサーベイランス、新規モデリング技術開発、人口学研究にも取り組んでいます。
研究・教育について
技術面で他を圧倒できる専門家集団の輩出を心掛けています。感染症疫学や理論疫学に特化した高度専門家集団で構成し、新興・再興感染症の発生時における流行動態の把握や必要とされる流行対策の策定に貢献する研究はもちろんのこと、ワクチン予防可能疾患や顧みられない熱帯病なども含めて、感染症専門家として世界と地域の両レベルで頼りになる専門家が当教室から生み出されつつあります。例えば、インフルエンザ、エボラ出血熱、中東呼吸器症候群(MERS)、ジカ熱などの新興再興感染症流行時の感染性の推定や2次感染リスクの特定、今後の輸入リスクの推定や流行予測の実施など大規模生物情報を活用した流行モデリングや数理モデル研究成果の感染症対策政策での実装を中心に研究に取り組んでいます。時々、突然に自宅に帰れない流行イベントや時事的研究があるので大変エキサイティングな現場である一方、一定のストレスに対峙する精神力と連日の激務に立ち向かえる体力を誇る生き生きとしたグループです。環境医学のニーズに応えることも重要で、研究面では感染症と関連する点(気候変動と感染症等の健康有害事象の関係のモデル化)に絞って取り組んでいます。
研究業績
- Nakajo K, Nishiura H. Age-dependent risk of respiratory syncytial virus infection: A systematic review and hazard modeling from serological data. Journal of Infectious Diseases 2023; jiad147. doi: 10.1093/infdis/jiad147.
- Linton NM, Akhmetzhanov AR, Nishiura H. Correlation between times to SARS-CoV-2 symptom onset and secondary transmission undermines epidemic control efforts. Epidemics. 2022;41:100655. doi: 10.1016/j.epidem.2022.100655.
- Kayano T, Sasanami M, Kobayashi T, Ko YK, Otani K, Suzuki M, Nishiura H. Number of averted COVID-19 cases and deaths attributable to reduced risk in vaccinated individuals in Japan. Lancet Reg Health West Pac. 2022;28:100571. doi: 10.1016/j.lanwpc.2022.100571.
- Nishiura H, Linton NM, Akhmetzhanov AR. Serial interval of novel coronavirus (COVID-19) infections. International Journal of Infectious Diseases 2020;93:284-286. doi: 10.1016/j.ijid.2020.02.060.
- Chan YH, Nishiura H. Estimating the protective effect of case isolation with transmission tree reconstruction during the Ebola outbreak in Nigeria, 2014. Journal of the Royal Society Interface 2020;17:20200498. doi: 10.1098/rsif.2020.0498.
研究室
教授:西浦 博
特定講師:岡田 雄大
特定講師:茅野 大志
准教授:原田 浩二
助教: 小林 鉄郎
特定助教:林 克磨