教授 中山 健夫
情報とは「（意思決定において）不確実さを減ずるもの」(シャノン)と定義されています。本分野は、健康・医療に関する問題解決を支援する情報のあり方を追求し、情報を「つくる・つたえる・つかう」の視点で捉え、より望ましい環境の整備を推進する研究と実践に取り組むものです。従来の公衆衛生や臨床の枠組みにこだわらず、健康・医療に関わる情報を横断的に扱い、Evidence-based Healthcare（診療ガイドライン、決断分析など）、情報リテラシー、eヘルス、ヘルス・コミュニケーション、情報倫理、ナラティブ情報の活用などの教育・研究を進めています。
研究・教育について
教育
- 疫学Ⅰ（疫学入門)…疫学の原理と方法論、倫理的配慮の講義
- 文献検索法…代表的な医学文献データベースを活用した検索技術の習得
- 文献評価法…疫学・EBMの知識を活用し代表的な研究デザインの論文を吟味し利用する方法の習得
- 健康情報学I…健康・医療情報、データや知識の収集、蓄積、伝達、検索、評価法の講義
- 健康情報学II…ICTを活用した健康・医療情報の利活用に関する講義
- EBM診療ガイドライン特論…EBMや診療ガイドラインを巡る国内外の動向や方法論の講義
- ヘルスサイエンス研究の進め方…ヘルスサイエンス研究を進めるにあたって必要なコミュニケーション知識の習得
- 健康デザイン論…健康アウトカム最大化を果たすための「ヘルスコミュニケーション」の在り方について「インサイト」「理解 / 行動促進」「共創・協働」等の概念とアプローチ方法の理解を図る
- 質的研究入門…社会健康医学関連研究における質的研究の基本を学ぶ
- 公衆衛生の緊急事態におけるリスクコミュニケーション…公衆衛生の緊急事態におけるリスクコミュニケーションの基本知識とケーススタディを行う
研究
情報・エビデンスを「つくる・つたえる・つかう」の視点から様々な研究に取り組んでいます。
つくる…疫学研究（ゲノム・アプローチ含む）、インフォームド・コンセントや個人情報保護などの情報倫理、学術情報評価
つたえる…系統的レビュー、診療ガイドライン、データベース構築、意思決定支援ツールの開発、ヘルス・コミュニケーション
つかう…健康・医療情報リテラシー、shared decision makingの研究
2023年度新入生と共に
第30回日本疫学会学術総会（百周年時計台記念館 にて）
研究業績
- Ikeda Y, Egawa M, Ohsuga T, Mandai M, Takahashi Y, Nakayama T. Relationship of ethinylestradiol/drospirenone prescription on work productivity and activity impairment among women with menstruation-related symptoms: A multicenter prospective observational study. J Occup Environ Med. 2023 May 1.
- Sakakibara A, Nakayama T, Uchida H, Odagiri Y, Ito Y, Katayama T, Ueda Y, Higuchi T, Terakawa K, Matsui K, Miyazaki K, Konishi I. Trends and future projections of cervical cancer-related outcomes in Japan: What happens if the HPV vaccine program is not implemented? Int J Cancer. 2023 May 1;152(9):1863-1874.
- Okamoto F, Nishikawa Y, Twalla Y, Nakayama T, Masai S. Ebola outbreak in Uganda: patient values and preferences. Lancet. 2022 Dec 3;400(10367):1925-1926.
- Ishizaki M, Toyama M, Imura H, Takahashi Y, Nakayama T. Tracheostomy decannulation rates in Japan: a retrospective cohort study using a claims database. Sci Rep. 2022 Nov 17;12(1):19801.
- Nishimura M, Toyama M, Mori H, Sano M, Imura H, Kuriyama A, Nakayama T. Providing End-of-Life Care for Patients Dying of COVID-19 and Their Families in Isolated Death During the Pandemic in Japan: The Providing End-of-life Care for COVID-19 Project. Chest. 2023 Feb;163(2):383-395.
研究室
教授 ： 中山 健夫
特任教授 ： 高橋 裕子
特任教授 ： 平井 みどり
准教授 ： 高橋 由光
特任准教授： 佐藤 恵子
助教 ： 西川 佳孝
助教 ： 當山 まゆみ
TEL ： 075-753-9477 （秘書室）
FAX ： 075-753-9478 （秘書室）
e-mail ： nakayama.takeo.4a＊kyoto-u.ac.jp（＊を＠に変えてください）