医療経済学医学・医科学専攻

教授 今中 雄一

当分野は、医療の質・効率・公正性の向上、持続可能な医療システム・健康長寿社会の構築に貢献することを目指す。医療経済学は問題解決志向型の学際的・多領域統合的な分野であり、 社会医学の基本をなす統計・疫学と、経済学・経営科学・関連工学系等社会科学との両方に教育・研究活動の基盤を有する。問題解決、さらに新たな価値創造のために、社会・現場とインタラクトし、あらゆる学際的・多領域の知見・技術を活用する。健康・医療・介護関連の大規模データを活用し、全体像を一体的に把握・可視化し、健康長寿のまちづくりに取組む。

研究室Webサイト

研究・教育について

研究

「医療の質と経済性・公正性の可視化と向上」を基軸に、医療・介護のマネジメント、政策、健康長寿のまちづくりへの貢献を目指す。研究領域は、全国の多数の医療機関・介護施設との協働研究、制度設計・経営改革の調査・参加・人材育成、まちづくりに関する学際融合ユニットと産官学連携コンソーシアム(例:PEGASAS超高齢社会デザイン価値創造ユニットCOCN[産業競争力懇談会]、JST-RISTEX)、WHO、IHF、OECD、ASQua、ISQua、米国NBER、厚労省、経産省、各都道府県、国保連、協会けんぽなどからの指定・委託・共同研究等を含む。
当分野は、医療・介護・健診関連のデータベース(例:QIP・厚生労働省研究班のDPCデータ、複数の自治体の医療・介護レセプトデータ、厚生労働省のNDB・介護DBなど)を構築・運用し、研究に活用している。これらのデータなどを用いてCOVID-19関連研究も活発に行っている。

教育

講義、セミナー、研究・開発プロジェクトへの参加など多様な機会を通じて医療政策・制度(例:医療保険・診療報酬制度、医療の財源)、医療における質・安全、リスクとコストのマネジメント、医療の経済的評価(例:費用対効果分析)、医療の質やパフォーマンスの評価・測定などについて教育・訓練を行う。

図1. 全国悉皆データである医療のNDBや介護DBのほか、全国の病院、自治体から、個票データで大規模のデータベースを構築・解析し、医療の質・経済性を評価、経営や政策形成に活用している。

図2. COVID-19関連研究の一例。一斉休校の際に小児急性感染症が大幅に減少している。その減少は、人から人に伝播する気道感染症と消化管感染症で顕著であった。その他、多くの診療領域、手術、疾患においての影響を定量化し病院・政策等にフィードバックし、保健医療システムのあり方を検討している。

研究業績

  1. Morishita T, Takada D, Shin J, Higuchi T, Kunisawa S, Fushimi K, Imanaka Y. Effects of the COVID-19 Pandemic on Heart Failure Hospitalizations in Japan: Volume, Process, and Outcome Insights from Interrupted Time Series Analysis. ESC Heart Failure. 2022 Feb;9(1):31-38. doi: 10.1002/ehf2.13744.
  2. Watanabe S, Shin J, Morishita T, Takada D, Kunisawa S, Imanaka Y. Medium-term impact of the epidemic of the coronavirus disease 2019 on the practice of percutaneous coronary interventions in Japan. Journal of Atherosclerosis and Thrombosis. 2021 Dec 18. doi: 10.5551/jat.63194.
  3. Kishimoto K, Bun S, Shin J, Takada D, Morishita T, Kunisawa S, Imanaka Y. Early impact of school closure and social distancing for COVID-19 on the number of inpatients with childhood non-COVID-19 acute infections in Japan. Eur J Pediatr. 2021 Mar 31:1–8. doi: 10.1007/s00431-021-04043-w.
  4. Okuno T, Takada D, Shin J, Morishita T, Itoshima H, Kunisawa S, Imanaka Y. Impact of the early stage of the coronavirus disease 2019 pandemic on surgical volume in Japan. British Journal of Surgery. 2021 znab028. doi: 10.1093/bjs/znab028.
  5. Shin J, Takada D, Kunisawa S, Imanaka Y. Effects of periodontal management for patients with type 2 diabetes on healthcare expenditure, hospitalization and worsening of diabetes: an observational study using medical, dental and pharmacy claims data in Japan. J Clin Periodontol. 2021 Feb 5. doi: 10.1111/jcpe.13441.

研究室

教授:今中 雄一
特定准教授:佐々木 典子
准教授:國澤 進
特定講師:愼 重虎
特定講師(附属病院付):大坪 徹也
特定助教:後藤 悦

Tel: 075-753-4454
Fax: 075-753-4455
MAIL:heqm-office[at]umin.ac.jp
ホームページ:
http://med-econ.umin.ac.jp/
http://super-ageing.kyoto-u.ac.jp/

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