クリニカルバイオリソース研究開発講座

医学研究および医薬品等の研究開発において、早い段階からヒト生体試料を用いて有効性と安全性を直接的に検証する効果的なプロセスが求められるようになってきました。またゲノム解析による精密化医療を先駆けとして、患者集団にとどまらず、患者さん個人に最適化した治療が求められる時代に入りました。今やヒト生体試料は研究開発の必要不可欠な要素です。京都大学は、医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンターにおいて収集する患者さん、または健常者由来のヒト試料について、高度な倫理性と採取・搬送・保存等のトレーサビリティーを監督・管理する研究基盤体制として、株式会社KBBMをそのコア技術を有する複数の民間企業と共同で構築しました。このことによって、京都大学においてヒト検体が、迅速かつ効果的に研究開発に利用されるようになることが期待されます。

クリニカルバイオリソース研究開発講座では、患者さんからいただいた残余組織からのがん細胞や正常細胞の培養技術の開発を行ってきました。今後、多数の異なる患者さんの検体に由来する培養物パネルを構築し、さらに臨床データ、OMICSデータなどの解析データを感受性試験データとインテグレーションさせることによって、新たな標的に対する新規薬剤等治療法の開発や、既存の治療法を含めてバイオマーカーを探索します。また、個別化医療に向けて、微量な生検検体からがん細胞や正常細胞を調製・培養する方法の開発や感受性試験の最適化を行います。

スタッフ
特定教授
井上 正宏
特定助教
小沼 邦重
共同研究先
  • KBBM
講座Webサイト