呼吸不全は、肺障害に起因したガス交換機能の障害、呼吸筋の機能不全、呼吸の調節異常などにより生じます。その原因疾患は多岐にわたりますが、健康寿命に影響する重要な病態です。慢性呼吸不全の治療には、薬物治療や呼吸リハビリテーション、肺移植を含む外科的治療に加えて、酸素療法や非侵襲的換気療法(noninvasive ventilation: NIV)などがあります。慢性期の治療は在宅医療が中心となりますが、その中でも在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy:HOT)の利用者数は、年々増加しており、2014年時点で約16万人に達し、かつ利用者の平均年齢は70歳以上と高齢者がその多くを占めております。現在日本は超高齢社会に突入しており、今後もその利用者数が増加していくことが予想されます。近年の情報通信機器の飛躍的な発展、普及に伴い、オンライン診療を含めた遠隔診療の普及が推進されつつあり、2018年度の診療報酬では遠隔診療における「遠隔モニタリング加算」が新設されました。このように、呼吸不全に対する在宅医療、HOT管理の重要性が増している一方で、臨床に有用な生体情報モニタリングシステムは未完成であり、その構築が切望されています。本講座は、京都大学医学部附属病院と帝人ファーマ株式会社との連携により、呼吸不全の在宅モニタリングシステム構築などを通じて呼吸不全診療の向上を図る事を目的としています。
スタッフ
- 特定准教授
- 半田 知宏
- 特定助教
- 濱田 哲
- 特定助教
- 村瀬 公彦
共同研究先
- 帝人ファーマ株式会社