椎名 毅 教授が中谷賞大賞を受賞しました

受賞



椎名 毅 教授が中谷賞大賞を受賞し、平成30年2月16日に東京にて贈呈式が執り行われました。

同賞は、生体および薬物動態を対象にした計測技術や情報解析技術などの医用計測技術分野において優れた業績を挙げ、今後も活発な研究活動を通じて同分野の発展に貢献することが期待できる研究者に授与されるものです。
椎名教授の受賞の研究テーマは「組織性状・機能情報の新規イメージング技術の先駆的研究と超音波エラストグラフィの開発」です。

がんや肝硬変など多くの疾患では、早期の段階から組織弾性(硬さ)等の質的な変化を呈することから、それを画像として捉えることで、疾患の早期診断や良悪性の鑑別に有用であることが期待されます。

椎名教授らは、超音波を用いて非侵襲で簡便に組織の硬さを可視化する画像診断法として、超音波エラストグラフィの研究開発を進め、2003年に世界に先駆けて実用化に成功しました。また、椎名教授は、新規イメージングでは、それを臨床現場に普及させることも重要との考えから、弾性スコアを用いたエラストグラフィによる乳がん診断基準の提唱や、WFUMB(国際超音波医学会)の編集委員会Chairとして「超音波エラストグラフィ診断ガイドライン」を編纂するなど、新技術の普及と標準化に努めました。現在では、エラストグラフィはBモード、ドプラ法に並んで、第3のモードとして、乳がん診断を始め様々な臨床領域における超音波診断に用いられており、肝線維化の硬化度の評価法については、2016年に保険適用が認められました。
椎名教授は、これらの超音波エラストグラフィの開発の他にも、非造影でがんの新生血管を可視化する「光超音波マンモグラフィ」の開発など、非侵襲による生体の性状・機能の新規イメージング技術の開発と医療応用を軸とした医療イノベーションの推進へ取り組んでおり、今回の受賞につながりました。

≪関連リンク≫
・公益財団法人 中谷医工計測技術振興財団ホームページ
https://www.nakatani-foundation.jp/business/nakatani_award/
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