

京都大学(本部:京都、総長:山極 寿一)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、京都大学内にオープンイノベーションの新たなスキームとしてアライアンス・ステーション(以下、「Aステーション」)を開設し、その枠組みの実施基盤として、京都大学大学院医学研究科に「先端医療基盤共同研究講座」を設置しましたので、お知らせします。
社会には難病や稀少疾患をはじめとして、未だ多くのアンメットメディカルニーズが存在しますが、重篤性や希少性から疾患メカニズムの解明は難しく、より複雑になってきています。このような背景から、現在の創薬・医学研究では、ヒトにおける病態の理解がより重要となってきており、患者さんの血液等のサンプルから、真に患者さんの病態に関わりのある分子・細胞を同定することや、個々の患者さんの層別化等を行う研究が広く進められています。これらの研究成果を革新的な新薬として一日も早く患者さんのもとへ届けるには、臨床に近い場で臨床ニーズを把握し、疾患をより深く理解し、創薬へつなぐステップが必要です。その実現に向けて、この度、大学の医学研究と製薬企業とのスピーディな連携をとるスキームを構築しました。
Aステーションは、京都大学とアステラス製薬がAKプロジェクト*1を通じて構築した臨床/基礎/創薬の連携体制を踏まえ、更に進化させた形で、オープンイノベーションによる創薬研究加速を目指して開設したものです。両者はAステーションを新たな産学連携の基盤として機動的かつ柔軟に協働し、あらゆる疾患領域を対象に複数の共同研究テーマを進めていきます。
京都大学とアステラス製薬はこれらの共同研究活動を通じて、アンメットメディカルニーズに応える創薬シーズ探索の加速及び臨床有用性予測技術の向上を目指していきます。
*1 AKプロジェクト:2007年7月から2017年3月末まで、文部科学省 先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラムとして、「次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点」で実施されていた京都大学とアステラス製薬の協働研究。