田中紘一名誉教授が日本学士院賞を受賞しました。

受賞

この度、田中紘一名誉教授が日本学士院賞を受賞された。

田中先生1

田中紘一名誉教授は、昭和41年京都大学医学部を卒業、同41年同大学医学部附属病院において実地修練の後、外科学教室に入局、同53年に京都大学医学部附属病院助手、同60年京都大学医学部講師、平成6年京都大学医学部助教授を経て、同7年京都大学大学院医学研究科教授に就任、移植免疫医学分野を担当、同13年からは4年間にわたり京都大学医学部附属病院長を併任された。


なお、平成17年3月に京都大学定年退職の後、先端医療振興財団副理事長 先端医療センター長、神戸市立医療センター中央市民病院副院長、神戸市立医療センター中央市民病院技術顧問、神戸国際医療交流財団理事長、先端医療振興財団技術顧問などを歴任され、神戸国際フロンティアメディカルセンター理事長をつとめられている。


今回の受賞研究題目は、「生体肝移植の基礎研究および臨床開発と展開に関する研究」である。同名誉教授は、脳死移植が困難なわが国で、肝臓の臓器特異性に着目して基礎研究を行い、生体肝移植がヒトに応用できる可能性を示した。その上で、生体肝移植を肝疾患末期患者の根本的治療として展開してきた。手術手技の開発と周術期管理の工夫により、新生児から成人への適応を可能とし、移植肝の生着に影響する諸因子およびドナー安全性に関する諸因子を分析して課題を克服し、良好な成績を示した。この間、新しい免疫抑制剤の臨床応用、移植後の免疫寛容の発現、B型肝炎ウィルス既感染ドナーからの移植後に肝炎が発生することとそのメカニズムの解明、ABO不適合移植の病態解明とその対策、家族性アミロイドニューロパティ患者の肝臓を用いるドミノ肝移植、肝癌に対する移植適応の拡大等の臨床研究を通して移植免疫学と肝臓病学に新たなる道を拓かれた。同名誉教授は、わが国のみならず、9か国で生体肝移植の導入に協力し、本法の普及と定着に努めておられる。

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