看護科学コース 細田公則
平成25年11月9日土曜日午後、「がんへの取り組み」というテーマで第26回健康科学市民公開講座を開催しました。がんは死因の主要なものであり、その医療は重要であります。がん診断や治療・ケアなど、がんへの取り組みについての情報を得て頂く目的で、今回の講座を企画致しました。
当日は天気に恵まれ、事前申込みの方を中心に100名以上の方にご参加いただきました。特に今年度、学生など若い世代の方にも多数ご参加いただきました。
坪山直生教授の開会挨拶に引き続き、 4部制で 講演を行いました。
第1 講では生活習慣病、特に肥満の専門家である細田より「肥満はがんの危険因子の一つである」のテーマで、肥満は高血圧・糖尿病・脂質異常症・心血管疾患などを引き起こす主要な要因というだけでなく、最近はがんの要因になっていること、また、それら様々な疾患やがん予防のために肥満の改善が重要であることを説明させていただきました。
第2 講では、小児がん専門家で当専攻・足立壯一教授から「小児がん患者の長期フォローアップについて」のテーマで、50年前まで不治の病とされてきた 小児白血病に代表される小児がんは、治療成績の向上により約80%もの長期生存が期待できる病気になったことで、長期経過観察(長期フォロー)が重要であるということ、また京大がんセンターとの連携他、当専攻作業療法科コースとの貴重な研究内容やデータを交えての紹介がありました。
第3講では、最近京都大学医学部附属病院に設立されたがんセンターの松本繁巳准教授より「京大病院がんセンターの目指すところ」というテーマで講演していただきました。
第4 講では、がん看護専門看護師で淀川キリスト教病院看護部の田村恵子主任課長から「緩和ケア-つらさを和らげてあなたらしく生きる」のテーマで、緩和ケアがどのように行われているかについて、淀川キリスト教病院での実際を紹介していただきました。
総合討論では、聴衆の方々から提出していただいた数多くの質問に対して、全演者の先生方で分担して答えて頂き、聴衆の理解を助ける総合討論になりました。
アンケートではテーマについて「大変良かった」24、「良かった」29、「ふつう」4、 という集計結果でした。また個別のコメントとして,「がんについて正しい情報を得ることで不安がとり除けることを実感した」「がん治療について知ることができた」「希望の持てる話だった」など好意的なご意見も頂戴しました。ただ、会場の不便さや資料内容の薄さなどを訴える声が複数あり、今後の課題だと思います。次回以降の希望テーマを多数もらいましたので、参考資料として次期学術委員長に引き継ぎたいと思います。