西川博嘉 教授が日本学士院賞を受賞(2026年3月12日)

受賞

西川教授

 このたび、西川博嘉 教授が第116回(令和8年)日本学士院賞を受賞することになりました。日本学士院賞は、学術上特に優れた研究業績に対して贈られるもので、日本の学術賞としては最も権威ある賞です。

 西川博嘉 教授は、平成14年に三重大学大学院医学系研究科を修了し、医学博士の学位を取得しました。その後、三重大学医学部附属病院内科医員、米国スローン・ケッタリング記念がんセンター博士研究員、三重大学大学院医学系研究科講師および准教授、大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任准教授を経て、現在は、国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野長ならびに先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ分野長、名古屋大学大学院医学系研究科教授および京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合研究センター教授を務め、多拠点で活動を展開しています。

 今回の日本学士院賞の研究題目は、「免疫ゲノムがん進展仮説の樹立とがん免疫精密医療への展開」です。西川教授は、患者生検組織などの微量な生体試料から生きたまま免疫細胞を抽出して保存・測定する手法を開発し、網羅的な免疫解析とゲノム解析を融合した統合解析を可能にしました。西川教授は、本手法をがん微小環境に応用することで、がんのゲノム変異が細胞増殖に作用するだけでなく、同時に周辺免疫細胞にも働きかけ直接的に免疫逃避環境を誘導することを様々ながん種で証明しました。これらの研究成果から西川教授は、がん細胞のゲノム異常と周辺免疫細胞が互いに相互作用・選択圧を与えながら発がんおよびがんの進展が生じていると考え、その仕組みを「免疫ゲノムがん進展仮説」として提唱しました。この概念は、がん免疫学を大きく前進させ腫瘍生物学の新たな分野を開拓したといえます。さらに西川教授は本仮説に基づき、ゲノム変異を標的とした分子標的治療とがん免疫治療の融合(がん免疫精密医療)の技術基盤を新たに構築し、現在臨床応用に挑んでいます。

 なお、西川教授の卓越した業績に対し、令和2年American Association for the Advancement of Science (AAAS) Elected Fellow、同5年高松宮妃癌研究基金学術賞、同6年上原賞など、多数の賞が授与されています。

<関連リンク>
日本学士院賞授賞の決定について(日本学士院)

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