我が家で暮らす最も大きい動物は、猫で、名前はハナ、6歳の女の子である。ハナはノルウェージャンフォレストキャットであり、ノルウェー原産の長毛である。妻の実家で飼育されていたハナが、已む得ない理由で今年3月に我が家に引っ越ししてきた。私は猫アレルギーがあるようで、妻の実家を訪れると猫に掻痒感があったので、一緒に暮らすことを恐れていた。しかし、この数か月間は大きなアレルギー発作を起こさずに一緒に生活できている。
ハナは、猫トイレをうまく使えるので、お世話は楽で、困る点といえば猫毛が服に着くことくらいである。ハナの生態はとても興味深い。猫は「寝子」と言われるように、確かによく寝るし、寝相も面白い。仰臥位で腹を見せて寝たり、むにゃむにゃと寝言を言ったり、大きないびきをかくこともある。しっかりと家族を識別し、性格を理解しているようで、それぞれに対する対応を変えている。私には、大好きなウエットフードをねだる際に甘えた声で体を寄せてくるが、いつもは眼中にないようである。ただ、夜遅くに帰ると愛想よく迎えてくれることは、私の大きな癒しになっている。
我が家で長く暮らす動物は、蛙で、名前はベルちゃん、年齢は不明、男の子である。ベルちゃんは、ベルツノガエルであり、南米原産である。5年前に「お店でずっと陳列されていてかわいそう」と、息子が引き取ってきたことに始まるので5歳以上である。大きさは手のひらサイズで、しっかりと太っていて重量感がある。あまりぴょんぴょんと飛び跳ねることなく、いつもじっとしているので、この体型となるのは納得できる。いつもじっと何かを見つめているしぐさが、とてもかわいいものである。
ベルちゃんの素晴らしい能力は、大きな体に見合わない捕食の素早さである。鑷子で目の前に餌を提示すると前ぶりなしに突如大きな口を開けてかぶりつく。動きは、相撲力士のようである。時に鑷子にもかぶりつくため、鑷子にぶら下がる。夏になると捕食力がとても強力になり、飛びつく高さも高くなる。時に大きな鳴き声をあげるのだが、人の声に呼応して鳴き声を上げることもある。ベルちゃんがじっとしながら周囲の状況をしっかりとモニターしている姿には、南米に生きてきた野生を感じる。
亀、蟻、カブト虫、金魚などなど、子供が飼育している動物を含めると、我が家は小さな動物園状態である。「何を考えているのかな」と想像をめぐらしながら、動物を観察することは、なかなか面白い趣味である。
URL:
京都大学大学院医学研究科医学専攻
脳病態生理学講座脳神経外科学
https://neurosur.kuhp.kyoto-u.ac.jp/

写真1 カメラに身構えるハナ

写真2 寝ているところをカメラに襲われたハナ

写真3 捕食待ちの空腹時ベルちゃん