タムケオ・ディーン 教授(医学教育・国際化センター)が着任しました

お知らせ

 このたび、4月1日より、京都大学医学研究科附属医学教育・国際化センターの教授に就任させていただくことになりました、タムケオ・ディーンと申します。私は平成21年に大阪大学医学部を卒業し、そして、平成25年に本学医学研究科で成宮周教授(現名誉教授)の指導のもと医学博士を取得しました。本学薬理学教室で助教を務めた後、AKプロジェクトおよび創薬医学講座で准教授を務めました。さらに、2013年から2014年にかけて、UCSF医学部病理学教室(Max Krummel研究室)に客員研究員として約4ヶ月間滞在する機会を得ました。

 私が日本で高等教育を受ける前は、米国とタイで育ちました。このような背景から、私は国際化に対して非常に強い関心を持っております。来日してからは、多様性の問題、言葉の壁、そして日本の大学における国際化の遅れなど、さまざまな課題に直面し、乗り越えてきました。これらの経験は、今後、これら課題を取り組むのに、ポジティブに作用すると信じております。さらに、日本での28年間の生活の中で、私は日本の大学の著しい変化、特に留学生や教員の顕著な増加を目の当たりにしてきました。しかし、こうした進展にもかかわらず、大学には根強い課題がまだたくさん残っています。そこで私は、国際化と多様性のアジェンダを推進し、教育水準をグローバルなレベルに引き上げ、そして、研究活動においてグローバルなつながりを促進することを目指したいと考えております。このような取り組みを通じて、本学医学部・医学研究科のグローバルな環境を高めていきたいと考えています。

 教育については、英語の授業や日常的な英語コミュニケーション、日本人学生のグローバルマインドの育成、それと留学生の言語や文化の壁を取り払うことに主眼を置きたいと考えております。また、新入生の授業では、学習内容と授業の進め方の両方に重点を置き、魅力的でわかりやすい学習環境を整えることが重要だと考えています。インタラクティブな講義など、比較的新しい教育方法を試すことも、学生の勉強意欲を高めるための私の取り組みの一部であると考えております。そして同じように重要なのは、グローバルな視点の重要性を学生に理解させることです。このような理解は、医療従事者となる医学生のコミュニケーション能力を向上させるだけでなく、日本がグローバル化によって外国人患者が大幅に増加している時代に対応するためにも不可欠です。

 研究面では、私は本学医学部・医学研究科の高い研究水準を維持し、サイエンスのブレークスルーに尽力いたします。また、次世代の研究者を育成することは同時に極めて重要であり、私は学生とともに研究に取り組みたいと考えています。私はこれまで、主にアクチン細胞骨格の生理的役割について研究していました。さらに、最近では、がんや組織再生における免疫系の役割に焦点を当てています。私の研究の特徴は、従来のウェット実験と、シングルセルRNAシーケンスといったドライ解析をシームレスに組み合わせることです。私の究極の研究目的は、免疫を深く理解し、そして免疫を活用してがんを克服し、組織再生を実現することです。

 京都大学医学研究科教授着任に際し、教職員との協働、教育・研究活動への貢献、大学組織活動への参加など、新たな職務に邁進していく所存です。また、本学医学部・医学研究科で学ぶ学生の皆さんに教え、時には彼らと一緒に学び、学問や研究の成果を育む環境に関われることを楽しみにしています。そして、本学の理念である “自由の学風 “を胸に、学生諸君の未来を拓き、人類にとってかけがえのない財産となるよう、全力を尽くしたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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