KEAP1-NRF2系は種々のストレスに応答する制御システムである。NRF2は遺伝子発現を制御する転写因子であり、一方、KEAP1は毒性物質や酸化ストレスを感知するセンサーとして働く。本制御系の失調は酸化ストレスや炎症に関連する多くの病態の発症や重篤化を招来するので、NRF2誘導剤はこれら疾患に対する治療薬として有望である。
ところで、私たちは未来型の医療を創出する基盤事業として、東北メディカル・メガバンクを設立した。
本事業は、次世代の医療を創り、人々の健康の維持・増進に貢献し、さらに、創薬をはじめとする産業の基盤を創成するものと期待されている。本事業は、KEAP1-NRF2系など多くの学術研究の発展にも寄与している。
また、私たちはNRF2欠失マウスの宇宙滞在実験を実施して、NRF2が宇宙ストレスに対する防御にも働くことを実証した。宇宙では加齢変化が急速に進むので、本実験は地上医療発展に向けた宇宙環境活用の契機になるものと期待される。
開催日
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2025/8/21
16時~18時(質疑応答を含む)
開催場所(方法)
メディカルイノベーションセンター 1階セミナー室
https://www.mic.med.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
詳細
講演者:山本 雅之 博士
東北メディカル・メガバンク機構長
東北大学医学系研究科教授
演題 :「生体のストレス応答機構の解明と東北メディカル・メガバンク計画」
申し込み
不要
参加費
無料
お問い合わせ
医学研究科 健康加齢医学講座
特任教授 鍋島 陽一 nabeshima.yoichi.7n@kyoto-u.ac.jp
