不可逆的な増殖停止状態である細胞老化は発がんの危険性がある細胞が増殖してがん化することを防ぐ重要ながん抑制機構として働いています。しかし、細胞老化を起こした細胞(老化細胞)は直ぐに死滅するわけではなく、炎症性サイトカインなどの炎症性物質を分泌するSenescence Associated Secretory Phenotypes (SASPs) と呼ばれる現象を伴うことが明らかになってきています。このため、加齢に伴い体内に老化細胞が過度に蓄積すると、がんを含めた様々な加齢性疾患の発症を促進してしまう可能性が指摘されており、現在、がん抑制や抗老化の手段として体内に蓄積した老化細胞を除去する方法の開発が注目されています。一方、 SASPsには損傷治癒や感染防御など生体の恒常性維持に重要な役割を果たしている可能性も指摘されています。このため、体内に蓄積した老化細胞をやみくもに除去するより、細胞老化を起こす原因を特定し、その発生を防ぐ方がより安全かつ効果的に加齢性疾患の発症を抑制できるのではないかと考えられます。本セミナーでは我々がこれまでに明らかにしてきた生体内で細胞老化を引き起こす原因についてお話しします。
開催日
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2024/6/20
16:00~17:30
開催場所(方法)
メディカルイノベーションセンター 2階 会議室
https://www.mic.med.kyoto-u.ac.jp/english/about/access.html
詳細
講演者: 原 英二 先生 大阪大学 微生物病研究所 教授
第一回Aging Scienceセミナーです。第一回のご講演を大阪大学の原教授にお願いしました。原教授は細胞老化メカニズムの解明に研究者人生を捧げてこられた方で、世界の細胞老化研究を牽引されておられます。本シリーズでは十分な時間を取って、原先生には思いの丈をお話し頂こうと思っております。ご多忙とは存じますが、是非お集まり下さい。
鍋島 陽一
MIC Seminar for Aging Science
申し込み
不要
参加費
無料
お問い合わせ
連絡先:
鍋島 陽一 医学研究科健康加齢医学講座 特任教授
nabeshima.yoichi.7n@kyoto-u.ac.jp
京都市左京区聖護院川原町53
メディカルイノベーションセンター
℡ 075-366-7482 (研究室)