運動の健康維持・改善効果を細胞へのメカニカルストレスで説明する /

「適度な運動」は、筋骨格系の障害から高血圧・糖尿病/メタボリック症候群といった生活習慣病、さらには認知障害まで、症状・障害の改善に幅広く有効であり、まさに「Exercise is Medicine(運動は万能薬)」と言える。しかし、運動効果の背景となるメカニズムの⼤部分は未解明であり、そもそも運動のどの要素が身体機能の維持・改善に作用するのか、すなわち、「運動とはなにか?」が分かっていない。運動動作は、例外なく身体局所の変形・圧分布変化を生むので、その部の細胞にメカニカルストレスが加わるか、細胞が置かれるメカニカルストレス環境が変化する。したがって、「Exercise is Mechanical Stress」とも言える。運動の生体恒常性維持効果におけるメカニカルストレスの重要性を示してきた演者らは(Saitou et al.Clin Sci 2018; Miyazaki et al. Sci Adv 2019; Ryu et al. iScience 2020)、運動による高血圧改善に、足接地時に脳に伝わる衝撃が関与していることを報告した(図参照:Murase et al. Nat Biomed Eng 2023:
https://www.nature.com/articles/s41551-023-01061-x)。本セミナーでは、これら、演者らの最近の研究成果を説明・供覧しながら、上記、「Exercise is MechanicalStress」という仮説の普遍的妥当性を検証しようとする試みとして、上記論文にて、動物・細胞実験による知見のヒトでのPOC(Proof of Concept)として示した座面上下動椅子搭乗による高血圧改善に関して、規模を拡大した臨床試験へ向かおうとしている演者らのプロジェクトの⼀端についても紹介する。(スライドは英語、発表言語は日本語です)

開催日

  • 2024/4/24

    16:00-17:00

開催場所(方法)

医学部B棟地下1階⼤会議室

詳細

日時:2024年4月24日(水) 16:00-17:00
場所:医学部B棟地下1階大会議室
演題:運動の健康維持・改善効果を細胞へのメカニカルストレスで説明する
演者:澤田泰宏博士
所属:国立障害者リハビリテーションセンター病院/国立循環器病研究センター研究所

申し込み

不要

参加費

無料

お問い合わせ

京都大学大学院 医学研究科・医学部
高次脳科学講座 神経生物学分野
〒606-8501 京都市左京区吉田近衛町
TEL:075-753-4353 (内線:4353)

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