大腸がん新個別化治療プロジェクト

教授 武藤(たけとう)誠
Makoto Mark Taketo, M.D., Ph.D. btn

北野病院(公益財団法人田附興風会医学研究所)の母体は医学研究所で理事長は設立時から京大医学部長・研究科長が就任しています。2019年度より研究所長職が病院長から切離され専任職となりました。初代研究所長となった私は、京大医学研究科と学術研究において連携し北野病院研究所での研究活動を促進するための諸活動を行なっています。詳細は下記リンクをご覧ください。また若い医師が大学院修了後に診療と研究を両立できる北野カデット制度を設置し、京大医学研究科の卓越大学院プログラムとも連携しています。(研究教育も参照)

研究・教育について

私(武藤)は、北野病院研究所長としての任務と同時に、京大病院先端医療研究開発機構(iACT)流動プロジェクトの一環として「大腸がん新個別化治療プロジェクト」を並行して遂行しており、京大本部構内の総合研究16号館(107号室)において、大腸がん幹細胞を用いて転移と化学療法を研究しています。

本プロジェクトでは手術で摘出した大腸がん組織からスフェロイドと呼ばれるがん細胞の塊を培養して様々な抗がん剤を作用させ、効果の有無を判定して有効な薬物だけを選択して患者さんに投与する個別化治療を開発しています(図1)。私たちはこの技術を用いて、尿路上皮がんの治療薬として開発中のFGFR阻害薬が一部の大腸がんに有効であることを発見しました(図2)。現在、FGFR阻害薬や標準治療薬であるEGFR阻害薬に対する耐性出現機構の研究と薬剤耐性細胞の早期検出法の開発を進めており、FGFR阻害薬の腫瘍抑制効果を確認する臨床試験の開始を目指しています。

また、これまでの成果を応用開発するため、京大発のベンチャー企業「京ダイアグノスティクス社」を設立し、スフェロイド培養を用いた個別化診断の共同研究と技術開発を行なっています。

図1

図1. 大腸がん個別化治療の概要

図2

図2. A. FGF (線維芽細胞増殖因子)に依存して増殖する患者由来大腸がんスフェロイド

B. 様々なFGF受容体阻害薬に対するスフェロイド薬剤感受性試験


研究業績

  1. Sonoshita M, Aoki M, Fuwa H, Aoki K, Hosogi H, Sakai Y, Hashida H, Takabayashi A, Sasaki M, Robine S, Itoh K, Yoshioka K, Kakizaki F, Kitamura K, Oshima M, and Taketo M.M. (2011). Suppression of colon cancer metastasis by Aes through inhibition of Notch signaling. Cancer Cell 19: 125-137.
  2. Sonoshita M, Itatani Y, Kakizaki F, Sakimura K, Terashima T, Katsuyama U, Sakai Y, Taketo MM (2015). Promotion of Colorectal Cancer Invasion and Metastasis Through Activation of Notch–Dab1–Abl–RhoGEF Protein Trio. Cancer Discovery 5(2); 198-211.
  3. Miyoshi H, Maekawa H, Kakizaki F, Yamaura T, Kawada K, Sakai Y, and Taketo MM. (2018). An improved method for culturing patient-derived colorectal cancer spheroids. Oncotarget 9:21950-21964.
  4. Maekawa H, Miyoshi H, Yamaura T, Itatani Y, Kawada K, Sakai Y and Taketo MM. (2018). A chemosensitivity study of colorectal cancer using xenografts of patient-derived tumor initiating cells. Mol Cancer Therap. 17: 2187–2196.
  5. Yamamoto, T., Miyoshi, H., Kakizaki, F., Maekawa, H., Yamaura, T., Morimoto, T., Katayama, T., Kawada. K., Sakai, Y., Taketo, M. M. (2020). Chemosensitivity of patient-derived cancer stem cells identifies colorectal cancer patients with potential benefit from FGFR inhibitor therapy. Cancers (Basel) 12:E2010.

研究室

武藤 誠(連携大学院教授)Makoto Mark Taketo
電話:075-753-4391 E-mail:taketo@mfour.med.kyoto-u.ac.jp
三好弘之(准教授)Hiroyuki Miyoshi
柿崎文彦(助教)Fumihiko Kakizaki
福井有理子(事務補佐員)Yuriko Fukui
電話:075-753-4477 E-mail:y-fukui@mfour.med.kyoto-u.ac.jp

北野病院研究所事務
産屋敷純子(事務主任)Junko Ubuyashiki
電話:06-6131-2792
北野病院研究所ホームページ:https://www.kitano-hp.or.jp/kenkyu/

京大病院iACT大腸がんプロジェクト ホームページ
https://www4.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/indexjp.html

京ダイアグノスティクス社 ホームページ
https://kyo-diagnostics.jp