医療安全管理学

教授 松村 由美
Yumi Matsumura, M.D. Ph.D. Professor btn

患者の安全は、すべての医療サービスの基本であり、基本原則です。 世界保健機関は、入院患者の10人に1人が何らかの種類の医療による害を負っていると推定しています。 患者の安全の目標は、患者への予防可能な医学的危害を最小限に抑えることです。私たちの医療安全管理部は2017年6月に設立され、以下の研究を行っています。
1.重大事故につながるヒューマンエラー対策
2.複雑で高度な医療提供システムの問題
3.患者と医療提供者の間のリスクの認識の違い

研究・教育について

1)合理的で効果の高い確認方策の同定
① 投薬における安全に関して、ダブルチェックとシングルチェックの有効性の比較
本院2病棟で、特定のハイリスク薬以外は調製前のダブルチェックを止めて、シングルチェックを導入し、安全性に関する評価を行いました。
ダブルチェックからシングルチェックに移行しても、インシデント報告数や重症度のレベルに変化はないという結果を得ました。
2)ハイリスク医薬品・医療器機による有害事象の低減を目的とした効果的な管理体制の同定
・分子標的薬に特異的な症状による致死的有害事象の発生頻度と対策の有効性
3)医療事故調査制度
・医療事故調査制度におけるopen disclosure system実装の価値

図 ダブルチェック期間(導入前8か月間; 94,828薬剤)とシングルチェック期間(導入後8か月間; 85,790薬剤)におけるインシデント報告数やレベルに変化はなかった。level 0: near miss, level 1: no harm incident, level 2: 軽度の害はあったが処置や治療は必要なかった

 

表 100薬剤あたりの注射薬照合時間比較

注:A病棟は平均210薬剤/日、B病棟は平均120薬剤/日を扱う
ダブルチェックをシングルチェックに変更したことによって、照合時間が半減した。


研究業績

  1. Matsumura Y. Risk Analysis of Eculizumab-Related Meningococcal Disease in Japan Using the Japanese Adverse Drug Event Report Database. Drug Healthc Patient Saf. 2020 Nov 10;12:207-215. doi: 10.2147/DHPS.S257009. eCollection 2020
  2. 大西 佳彦、岡本 浩嗣、志水 秀行、鈴木 孝明、松宮 護郎、松村 由美、夜久 均、日本心臓血管外科学会・日本心臓血管麻酔学会合同ステートメント作成委員会:心臓手術時の肺動脈カテーテル使用に関するステートメント 日本心臓血管外科学会雑誌 50(1) 8-14,2021
  3. 松村由美:医療事故発生時の「第二の被害者」への支援 患者安全推進ジャーナル 60: 12-16,2020
  4. 塚本達雄、宮田真紀子、平田憲子、細井信幸、松村由美、秋葉隆: 血漿分離器血漿ポートの形状変更による血液浄化器取り違え事故対策(最終報告)日本急性血液浄化学会雑誌11(1):3-8, 2020
  5. 飯田恵、福村宏美、荒木尚美、山本崇、松村由美:看護師の考えや行動の変容を目指した取り組み 注射薬調製時におけるシングルチェックの実践 医療安全Books9 医療安全研修テーマ・実践例集―研修が活性化する計画から実施のコツまで 日本医療マネジメント学会、メディカ出版、大阪、p.81-87,2020

研究室

教授 : 松村 由美
助教 : 山本 崇、錦織 達人、加藤果林
TEL : 075-751-4694
FAX : 075-751-4563
e-mail: patientsafety@kuhp.kyoto-u.ac.jp
URL: https://safety.kuhp.kyoto-u.ac.jp/