臨床研究推進学(先端医療研究開発機構 臨床研究支援部

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永井洋士、Yoji Nagai M.D., Ph.D
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生命科学研究の成果を実用化につなげる臨床研究は新規医療技術開発の要であり、アカデミアのイニシアチブが益々求められています。また、現時点における医療技術の最適化を推進し、もって国民利益の増大を図るためにも臨床研究は不可欠であり、正当な方法論に則ってそれを実施せねばなりません。本分野は、早期臨床試験部の流れを汲んで2021年度に発足したものであり、臨床科学の原理・原則に則って臨床研究を推進して参ります。そのためには、次世代の医療を実現しようとする若い力が必要であり、皆さんの参画をお待ちしています。

研究・教育について

万人が願う医療の進歩には、新たな治療法の開発のみならず、現にある治療法の最適化が必要なことは言うまでもありません。前者を推進する手段が新規医薬品・医療機器等を用いた臨床試験であり、後者を推進する手段が実地診療下に行われる臨床試験や観察研究です。実際、実地診療の中でどれだけよいアイデアや仮説が生まれても、臨床研究を通じてそれを証明しない限り、医療の進歩にはつながりません。とりわけ、介入を伴う研究である臨床試験は、被験者の献身の上に成り立つ人類の事業であり、従って、そこでは被験者の人権と安全が何よりも優先されねばなりません。同時に、研究の成果は直ちに医療へと還元されるが故、目の前の患者さんに不利益が無ければよいものではなく、未来の多くの患者さんにも不利益があってはなりません。そのためには、研究の科学性と信頼性を十分に担保する必要があり、国民に誤ったメッセージを与える研究結果は公衆衛生上の脅威です。こうした臨床研究の特性を踏まえ、その更なる合理化を進めるためには領域を横断する学際的な科学が必要であり、本分野はその中心となるクリニカルサイエンスの発展と振興、人材育成を包括的に推進していきます。


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研究業績

1.Nagata M, Minami M, Yoshida K, Yang T, Yamamoto Y, Takayama N, Ikedo T, Hayashi K, Miyata T, Yokode M, Miyamoto S: Calcium-Binding Protein S100A4 Is Upregulated in Carotid Atherosclerotic Plaques and Contributes to Expansive Remodeling. J Am Heart Assoc. 2020. 9(18):e016128.
2.Miyata T, Minami M, Kataoka H, Hayashi K, Ikedo T, Yang T, Yamamoto Y, Yokode M, Miyamoto S: Osteoprotegerin Prevents Intracranial Aneurysm Progression by Promoting Collagen Biosynthesis and Vascular Smooth Muscle Cell Proliferation. J Am Heart Assoc. 2020. 9(17):e015731.
3.Masuda N, Ohtani N, Takano T, Inoue K, Suzuki E, Nakamura R, Bando H, Ito Y, Ishida K, Yamanaka T, Kuroi K, Yasojima1 H, Kasai H, Takasuka T, Sakurai T, Kataoka T, Morita S, Ohno S, Toi M. A randomized, 3-arm, neoadjuvant, phase 2 study comparing docetaxel+carboplatin+trastuzumab+pertuzumab (TCbHP), TCbHP followed by trastuzumab emtansine and pertuzumab (T-DM1+P), and T-DM1+P in HER2-positive primary breast cancer. Breast Cancer Res Treat. 180:135-146, 2020
4.笠井宏委.医師主導治験におけるスタディマネジャーの役割.薬理と治療 48(2): s87-s89, 2020
5.西村 勉,讃岐徹治,磯野多栄子,山中敦夫,尾前 薫,川本篤彦,竹中 洋,福島雅典. 研究者主導の医療機器開発において,Academic Research Organization(ARO)が果たしうる役割:チタンブリッジ Ⓡの薬事承認に至る事例を題材に. 臨床評価. 臨床評価. 2019; 47, Sup 36.

スタッフと連絡先

准教授:加藤 貴雄(臨床研究ナビゲーションユニット長、スタディマネージメントユニット長、教育・研修ユニット長)
特定准教授:笠井 宏委(臨床研究アドミニストレーションユニット長)
特定准教授:西村 勉(国際連携ユニット長)
薬剤主任:老本 名津子(臨床研究コーディネーターユニット長)
特定職員:杉原 聡(監査ユニット長)

TEL:075-751-4743
FAX:075-751-4714
E-mail:sec130@kuhp.kyoto-u.ac.jp
URL:https://www.tiken.kuhp.kyoto-u.ac.jp/