伊達洋至教授が日本医師会医学賞を受賞しました

伊達洋至教授が日本医師会医学賞を受賞し、令和4年11月1日に表彰式が行われました。

伊達洋至教授は、昭和63年に岡山大学大学院医学研究科を修了し、医学博士の学位を授与されました。その後、ワシントン大学胸部外科研究員、岡山大学医学部附属病院助手、同講師、岡山大学大学院医歯学総合研究科講師、同准教授、同教授を経て、平成19年に京都大学大学院医学研究科教授に就任し、呼吸器外科学分野を担当しています。

日本医師会医学賞は、医学上重要な業績をあげたものに授与されるもので、今回伊達教授は「生体肺移植の導入とその普及発展」の研究題目で受賞しました。

伊達教授は、平成10年に生体肺移植に日本で初めて成功しました。平成13年には小児に対する生体肺移植にも成功し、さらに、生体肺移植の実施例のほとんどなかった様々な疾患に適応を拡大させ、現在では適応疾患は、肺高血圧症、肺線維症、造血幹細胞移植後肺障害など、多岐に及びます。

生体肺移植では、レシピエントが小児の場合は、ドナー肺が大きすぎ、レシピエントが大人の場合は、逆にドナー肺が小さすぎるという問題がおこります。その問題を解決するために、伊達教授は左右反転移植、自己肺温存移植、区域移植などの新しい術式を開発しました。

令和3年4月には、世界で初めての新型コロナウイルス肺障害に対する生体肺移植に成功しました。さらに、令和4年2月には、世界で初めてのABO血液型不適合生体肺移植を実施し成功しました。

現在までに施行した生体肺移植は世界最多の161例におよび、その5年生存率は83%です。

これは、5年生存率が約55%という国際心肺移植学会の報告をはるかに上回る良好な結果です。また、脳死肺移植も国内最多の190例を実施してきました。このように、伊達教授は、呼吸困難に苦しむ多くの患者を死の淵から助け、社会復帰させてきました。

伊達教授の良好な肺移植成績は世界の注目を集めています。伊達教授は、生体肺移植の普及にも努め、海外15か国からの見学者や実習生を受け入れてきました。また、国内(岡山大学、京都大学、福岡大学、長崎大学、千葉大学、東京大学)だけでなく、海外(イスラエル、中国、韓国)でも、生体肺移植を指導してきました。脳死ドナー不足は日本国内だけの問題ではないため、今後も生体肺移植の臨床および研究での国際的な活躍が期待されます。

平成12年には、岡山県文化奨励賞(医学)を受賞し、平成26年には、Brompton Prizeヨーロッパ呼吸器外科学会最優秀演題賞を受賞しています。