医学研究科長メッセージ

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京都大学大学院医学研究科は、医学専攻、医科学専攻、社会健康医学系専攻、人間健康科学系専攻の4専攻からなり、各専攻に前期修士課程と後期博士課程を有する(但し医学専攻は博士課程のみ)全国でも屈指の規模を誇る大学院研究科です。全専攻の大学院生数は900余名に及んでいます。その研究領域は、基礎医学、臨床医学、社会医学、医療技術学その他、医学・医療と人の健康と福祉にかかわるすべての領域をカバーしていると言えるでしょう。
本医学研究科の使命は、医学・医療にかかわる領域における「知の創造」とそのたえまない「実社会への還元」によって人類の健康と福祉の向上に貢献することであり、その牽引力となる国際的なリーダーとなるべき人材を育成いくことにあります。今日私達は文字通りユニバーサル化とグローバル化の時代を生きています。その中でこの使命を果たしていくためには、いわゆる医学系で基礎教育を受けてきた学生のみならず、非医学系の多様な学部で教育を受け様々なエキスパティーズとディシプリンをもつ熱意にあふれた多くの学生諸君が文字通り国境を越えて集い、新しい学問領域を開拓していくことが極めて重要であると考えます。

本医学研究科では、平成17年から全国に先駆けて「大学院教育コース」による新しい大学院教育システムを推進してきています。大学院教育コースには普遍性の高い10余りの研究領域(コース)が設定されており、入学された学生諸君は各々の属する講座・分野、さらには基礎・臨床・社会医学などの枠を超えて自らの興味と関心に従っていずれかのコースに集い、定期的な研究発表や議論によって広い視点からの研究活動を進めていくことができるようになっています。研究科教員も所属する講座・分野の如何にかかわらず、研究者個人としての興味とエキスパティーズに従っていずれかの教育コースに参加します。同コースは主に学生諸君によって自立的に運営されており、その研究活動に広い視点をもたらすのみならず、研究科内での情報交換と新しい共同研究の推進の上でも非常に役立っています。本医学研究科での大学院教育は、この大学院教育コースによる教育と、従来通りの特定研究分野におけるman-to-manでの徹底的な個別研究指導との両輪からなっており、学生諸君の幅広い見識と研究能力の開発に十分に資するものであると信じています。また、本医学研究科は文科省のグローバルCOEの拠点でもあります。この拠点の主たる目的は、多くの先端研究領域の協調と融合による新しい研究領域の開拓と研究のグローバル化にあります。この拠点活動の一環として、大学院生の海外派遣や海外学生の受け入れ、英語による学生のセミナーや研究発表なども恒常的に進められています。

京都大学医学研究科において私達が最も重要であると考えているのは、広い科学的見識と優れた研究能力によって医学・医療の発展の牽引力となり世界に向けて独自の発信をなしうるグローバルリーダーの育成です。これまで本研究科からは世界に誇る多くの人材が輩出し、輝かしい成果を発信してきたことはご存じのとおりです。学生諸君がこの滔々とした流れに加わり、さらに新時代のアカデミアの流れを切り開いていただくことを心から期待するものです。

(平成26年10月1日)