発達障害系研究室

加藤 寿宏 准教授
Toshihiro Kato, OTR, Ph.D.
医学の進歩により、多くの子どもたちの生命が救われている。しかし、その反面、中枢神経系の機能的・器質的障害により運動障害、知的障害、高次脳機能障害をもちながら発達していかなければならない子どもたちもいる。また、自閉症スペクトラム障害、学習障害、注意欠如多動性障害等の発達障害児は6.3%の割合で存在するといわれ国をあげての支援がはじまっている。
発達障害系研究室は、医療、福祉、教育現場をフィールドに発達過程における障害がある児・者におけるリハビリテーションの評価法・治療法の開発を主とした臨床研究とその教育をおこなっている。

研究・教育について

現在の研究活動の焦点は主に二つである。ひとつは、自閉症スペクトラム障害を主とした発達障害児に対する作業療法評価と支援の開発である。作業療法の対象として発達障害児・者は急増している。しかし、作業療法が主に用いる感覚・運動を媒介とした支援は、効果研究が少なく、科学的根拠が乏しいのが現状である。我々は、①効果判定に用いることができる客観的な評価方法の開発 ②作業療法士と対象者との相互作用(インタラクション)が支援効果に及ぼす影響 ③学校教育現場での作業療法のあり方と効果 の3点について主に研究を進めている。
もうひとつは、がん患児・患者の作業療法である。白血病は小児がんで最も割合が高い疾患であるが、現在は5年生存率が約90%に到達している。しかし、実際の学校生活や家庭生活において困難さがある場合も多く、我々は作業療法の視点からの評価と支援の可能性を探っている。
発達障害系研究室は医学部付属病院、児童発達支援センター、地域の幼稚園・保育所・学校、特別支援学校等多くのフィールドをもつ他、京都大学こころの未来研究センターとの連携研究も行っている。発達に障害がある子どもだちのより良い作業療法の発展に貢献できる人材の育成を目指す。
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写真1. 定型発達を対象とした上肢左右協調運動のデータ収集
写真2. 作業療法の臨床場面

研究業績

1. 松島佳苗, 加藤寿宏, 新井紀子(2012)感覚調整障害と知的障害との関連性について-日本感覚インベントリー(Japanese sensory inventory:JSI-R)を用いた比較研究.日本発達系作業療法学会誌 1: 2-7
2. 新井紀子, 加藤寿宏, 足立壮一, 松島佳苗(2012)造血細胞移植後患児の認知機能とQOLの調査.作業療法 31:278-289
3. 松島佳苗, 加藤寿宏, 新井紀子(2012)対人応答性尺度(social responsiveness scale;SRS)日本語版に関する日米の定型発達時データの比較研究.小児科臨床 65: 303-309
4. 加藤寿宏, 山田孝(2010)現在の子どもの人物画 ―日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査およびグッドイナフ人物画検査の標準化データとの比較検討―.作業療法 29:743-753,
5. 加藤寿宏, 山田孝(2010)子どもは自分の運動能力をどのくらい正確に把握しているのか?.作業療法 29:73-82

研究室

准教授:加藤 寿宏
助教:松島 佳苗
TEL:075-751-3819
FAX:075-751-3819
e-mail:kato.toshihiro.5z atmark kyoto-u.ac.jp(メール送信時はatmarkを@に変えて下さい)