免疫ゲノム医学

kaosyashin教 授 本庶 佑
Tasuku Honjo, M.D., Ph.D.Professor btn

既存の考えを根底から覆し時代を変革するような研究を世界に発信することを念頭にしている。誰もが見向きもしない石ころを拾い上げ、磨き上げ、ダイヤモンドであることを実証する中で、6つのCの重要性を自覚して欲しい。すなわち、好奇心curiosityを大切に、勇気courageを持って困難な問題に挑戦challengeし、必ずできるという確信confidenceを持ち、全精力を集中concentrationさせ、諦めずに継続continuationすることを体得し、世界にはばたく研究者になってほしい。

研究・教育について

ワクチンが感染症を予防できるのは、体細胞突然変異とクラススイッチ組換えという遺伝子変異がBリンパ球のゲノムに記憶として刻印されるからである。我々はクラススイッチが遺伝子断片の欠失をともなうこと、クラススイッチと体細胞突然変異を司る分子がactivation-induced cytidine deaminase (AID)であることを発見した。
我々はAIDがどのようなメカニズムでゲノム変換を起こすのかを研究中であり、DNA切断を行うのはtopoisomerase 1 (Top1) であることを見出した。さらに、転写と共役したクロマチン再構成がDNA切断に不可欠であることも明らかにした。
また、我々が同定したPD-1分子は、リンパ球の記憶や免疫寛容の制御、腫瘍免疫に鍵となる分子である。近年、ヒト型抗PD-1抗体(ニボルマブ)が メラノーマ、腎がん、肺がんに対して高い有効性を示すことが治験で示され、がん治療薬として認可されるに至った。本治療法によりがん治療法は一変したが、まだ約半数以上の患者は不応答性である。現在、抗PD-1抗体治療に対して不応答になる原因解明と、応答性・不応答性を見分けるバイオマーカーの同定に取り組んでいる。
当研究室では世界の第一線で活躍し、免疫現象の根源的な問題に取り組もうとする志の高い学生やポスドクが研究をしており、この環境の中で分子生物学的、免疫学的実験手法と生命体の思想を学び、生命を全体像として捉える力を備えた自立した研究者を育てることを目指している。

PD-1経路の阻害は、画期的ながん免疫療法である


研究業績

  1. Muramatsu, M., Kinoshita, K., Fagarasan, S., Yamada, S., Shinkai, Y. and Honjo, T. “Class switch recombination and hypermutation require activation-induced cytidine deaminase (AID), a potential RNA editing enzyme.”Cell (2000) 102(5):553-63.
  2. Kobayashi, M., Aida, M., Nagaoka, H., Begum, N. A., Kitawaki, Y., Nakata, M., Stanlie, A., Doi, T., Kato, L., Okazaki, I., Shinkura R., Muramatsu, M., Kinoshita, K. and Honjo, T. “AID-induced decrease in topoisomerase 1 induces DNA structural alteration and DNA cleavage for class switch recombination.” Proc. Natl. Acad. Sci. USA (2009) 106:22375-80.
  3. Stanlie, A., Aida, M., Muramatsu, M., Honjo, T. and Begum, N. A. “Histone3 lysine4 trimethylation regulated by the facilitates chromatin transcription complex is critical for DNA cleavage in class switch recombination.” Proc. Natl. Acad. Sci. USA (2010) 107: 22190-5.
  4. OkazakiT, Chikuma S, Iwai Y, Fagarasan S, Honjo T. “A rheostat for immune responses: the unique properties of PD-1 and their advantages for clinical application.” Nat Immunol. (2013) 14:1212-8. Review.
  5. Chamoto K, Chowdhury PS, Kumar A, Sonomura K, Matsuda F, Fagarasan S, Honjo T.Mitochondrial activation chemicals synergize with surface receptor PD-1 blockade for T cell-dependent antitumor activity.” Proc Natl Acad Sci U S A. (2017) 114:E761-E770.

研究室

教授:本庶 佑
特定准教授:Nasim Begum, 小林 牧
特定講師:茶本 健司
TEL:075-753-4371
FAX:075-753-4388
e-mail:honjo@mfour.med.kyoto-u.ac.jp
URL:http://www2.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/