分子バイオサイエンス

Shohab Youssefian, Ph.D., 教授

多くのヒト疾患はゲノムやエピゲノムの異常に起因し、これらの異常は時に環境要因と相まって、生体恒常性を担う制御蛋白質の機能を変化させて疾患を引き起こします。疾患の発症機構を理解し、新たな予防・治療法を作るには、当該制御蛋白質の機能や他因子との相互作用の解明が必要です。私たちは、ヒトiPS細胞、疾患モデルマウスなどを駆使し、種々の疾患遺伝子の機能解明を進めています。私たちはお互いに支え合って、個々の研究に挑戦し、創造的で意欲的な学生にとって理想的な(バイリンガルの)教育・研究環境を作り上げています。

研究・教育について

私たちの最も主要な研究プロジェクトは、もやもや病や肺高血圧症、脳梗塞、冠状動脈性心臓病といった種々の血管疾患への関与が示唆されているRNF213の機能解明です。RNF213遺伝子の変異が血管疾患の危険因子となる分子機構を解明するために、RNF213の活性制御機構や相互作用分子、細胞内シグナル経路を解析し、RNF213変異がこれらにどう影響するかを調べています。また、私たちは様々な痛み関連疾患に関わるナトリウムチャネルNav1.9について、当該遺伝子の変異が疼痛や無痛症を引き起こすメカニズムの解明や痛みを制御可能な天然物・化合物の探索を進めています。さらに、癌化能を持つp53アイソフォームについても研究を進め、当該p53アイソフォームが関わる癌に対する治療薬の開発基盤を作ろうとしています。他方、独立研究ユニット(生命情報科学研究ユニット)では、データサイエンスによって生命科学研究・創薬研究を加速化する手法の開発に取り組んでいます。以上の研究を、小泉昭夫博士、Candeias Marco博士を主たる共同研究者として推進しています。

研究室メンバーの集合写真


研究業績

  1. Kobayashi H, Kabata R, Kinoshita H, Morimoto T, Ono K, Takeda M, Choi J, Okuda H, Liu W, Harada KH, Kimura T, Youssefian S, Koizumi A (2018): Rare variants in RNF213, a susceptibility gene for moyamoya disease, are found in patients with pulmonary hypertension and aggravate hypoxia-induced pulmonary hypertension in mice. Pulm Circ. Jul-Sep;8(3):1-13
  2. Morimoto T, Enmi JI, Hattori Y, Iguchi S, Saito S, Harada KH, Okuda H, Mineharu Y, Takagi Y, Youssefian S, Iida H, Miyamoto S, Ihara M, Kobayashi H, Koizumi A (2018): Dysregulation of RNF213 promotes cerebral hypoperfusion. Sci Rep. Feb 26;8(1):3607.
  3. Choi J, Kobayashi H, Okuda H, Harada KH, Takeda M, Fujimoto H, Yamane S, Tanaka D, Youssefian S, Inagaki N, Koizumi A (2018): β-cell-specific overexpression of adiponectin receptor 1 does not improve diabetes mellitus in Akita mice. PLoS One. Jan 5;13(1):e0190863.
  4. Daniel Reker, Petra Schneider, Gisbert Schneider, J.B. Brown (2017) Active learning for computational chemogenomics. Future Medicinal Chemistry, 9(4):381-402
  5. Okuda H, Noguchi A, Kobayashi H, Kondo D, Harada KH, Youssefian S, Shioi H, Kabata R, Domon Y, Kubota K, Kitano Y, Takayama Y, Hitomi T, Ohno K, Saito Y, Asano T, Tominaga M, Takahashi T, Koizumi A (2016): Infantile Pain Episodes Associated with Novel Nav1.9 Mutations in Familial Episodic Pain Syndrome in Japanese Families. PLoS One May 25;11(5)

研究室

教授: Shohab Youssefian
講師: J.B. Brown
特定講師: 手塚 徹
特定助教: 奥田 裕子

電話: +81-75-753-4476
FAX: +81-75-753-9281
e-mail: youssefian.shohab.3x@kyoto-u.ac.jp