医療安全管理学

教授 松村 由美
Yumi Matsumura, M.D. Ph.D. Professor btn

患者安全学は全ての医療サービスの基礎であり原則ですが、WHOは、入院患者の10人に1人が医療による害を受けていると試算しています。患者を害から守るためには、人の特性を理解することが必要です。当講座では、以下の研究を行っています。
・確認行動に影響を与える心理学的背景
・組織文化を改善させるための患者安全の建設的なフィードバックの役割
・医療事故後の患者-医療者関係とコミュニケーション

研究・教育について

本教室は、2017年6月に誕生したばかりの歴史の浅い研究室です。医療の現場では、意図せず、不適切な医療が提供され、患者に害を与えることがあります。私たちは、エラーやインシデント報告を収集・分析し、医療サービス提供の各工程を改善する方策を講じ、よりよい医療を提供しています。ヒューマンエラーの管理も重要なポイントであり、ヒューマンエラーの心理学的側面に焦点を当てています。当研究室のテーマの一つであるダブルチェックに関する研究を紹介します。

薬剤投与前のダブルチェックは、効果を支持する根拠が無いにもかかわらず、エラーを見つけることによってリスクを低減すると信じられています。ダブルチェック行動は、業務量のプレッシャー増につながり、業務を急がせ、処方箋の確認ミスや正しい投与量での調製ミスにもつながっています。効果的なダブルチェックはヒューマンファクターの視点から再考されるべきです。

図 京大病院の2病棟で、特定のハイリスク薬以外は調製前のダブルチェックを止めて、シングルチェックを導入した。シングルチェック導入によってインシデント報告数やレベルに変化はなく、薬剤チェック時間は50%減少した。

医療安全管理部門のメンバーとともに(2018年3月13日撮影)


研究業績

  1. 松村由美:京大病院 院内事故調査の指針―医療安全管理部における対応の実際、メディカルレビュー社、東京、3-115、2016
  2. 松村由美:ヒューマンエラー対策における効果的なダブルチェックとは MEDICAL TECHNOLOGY 44(13) 1394-1400, 2016
  3. Kodama S, Matsumura Y, Hattori T, Sato K: Clinical perspectives from Japan. Asian Bioethics Review 7: 410-412, 2015
  4. 松村由美、藤本康弘、上本伸二、一山 智:肝移植中断経験から移植再開を目指したエキスパートチーム形成の取り組み. 医療と安全 4:9-22, 2015
  5. 元井玲子、矢野育子、尾崎淳子、蜂山香苗、山本崇、深津祥央、石塚良子、松村由美、谷口正洋、東村享治、松原和夫:非イオン性ヨード造影剤によるアレルギー様症状の有害事象に及ぼす水分摂取の影響.薬学雑誌 135: 1177-1184, 2015

研究室

教授 : 松村 由美
准教授: 伊藤 克彦
特任准教授 : 佐藤 恵子
助教 : 山本 崇、錦織 達人
TEL : 075-751-4694
FAX : 075-751-4563
e-mail: yumatsu@kuhp.kyoto-u.ac.jp
URL: http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~wwwrisk/