社会疫学

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教授 木原 正博 医学博士
Masahiro Kihara, M.D., Ph.D.

社会疫学(socio-epidemiology)とは、プラグマティズムを哲学的基盤とし、疫学に社会科学を統合した、「ニューパブリックヘルス」の時代の、京都大学発の方法論的パラダイムです。京都大学の伝統である「フィールド重視」の精神に則り、質的・量的方法を駆使した社会・文化的理解を重視し、そこから、社会文化的に適切で、かつ科学的な問題解決法を探求できる人材の育成を目指しており、世界各地からの留学生が学ぶ、国際性豊かな教室です。2006年に世界初のUNAIDS共同研究センターに指定されました。

研究・教育について

日本のエイズ疫学研究のパイオニアであり、数々の研究の中でも、WYSHプロジェクトは、社会疫学的に開発された複合予防プロジェクトで、その中核である学校教育モデルは、高い知識・態度・行動変容効果で知られ、厚労・文科省の支援を得た、性問題を含むわが国最大の予防プロジェクトとして、毎年大規模な研修会が開催されています。国際的には、イランのHIV対策形成のエビデンスとなった薬物使用者の研究以外に、中国、バングラデシュ、ネパール、タイ、イエメン、スワジランド、ザンビア、リビア等で研究を行ってきましたが、最近、抗HIV治療薬アドヒアランスと食糧危機の関連を解明したコンゴ民主共和国における研究は、重要なグローバル課題を提示した研究として国際的に注目されています。
教育では、徹底した演習による、マーケティング、行動理論、社会実験法、ミクストメソッド(個別・集団インタビュー、質的分析法、質問票開発法)を内容とする社会疫学の講義を担当し、感染症の文明史観、数理モデル、実地疫学等を内容とする感染症疫学の講義、グローバルヘルスに関する講義を行っています。また、日本の公衆衛生教育向上に資するために、海外の優れた教科書の翻訳出版を続けています(木原ライブラリー)。

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タイの若者の性行動に関する社会疫学的研究(バンコク、2012年)

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コンゴの抗HIV薬アドヒアランスに関する社会疫学的研究(キンシャサ、2012年)


研究業績

1.Musumari PM, Tangmunkongvorakul A, Techasrivichien T, Suguimoto SP, Ono-Kihara M, Kihara M, Chariyalertsak S.. Prevalence and Correlates of HIV Testing among Young People Enrolled in Non-formal Education Centers in Urban Chiang Mai, Thailand: A cross-sectional study. PLoS One (Accepted on March 31, 2016)
2.Lukhele BW, Techasrivichien T, Musumari1 PM, El-saaidi1 C, Suguimoto SP, Ono-Kihara M, Kihara M. Multiple Sexual partnerships And Their Correlates Among Facebook users In Swaziland: An Online Cross-Sectional Study. Afr J Pub Health (Accepted on March 27, 2016)
3.Techasrivichien T, Punpuing S, Musumari PM, Lukhele BW, El-Saaidi C, Suguimoto SP, Ono-Kihara M, Kihara M. Changes in Sexual Behavior and Attitudes across Generations and Gender among a Population-based Probability Sample from an Urbanizing Province in Thailand. Archives of Sexual Behaviour. (2016) Feb; 45(2): 367-82
4.Suguimoto SP, Techasrivichien T, Musumari PM, El-saaidi C, Lukhele BW, Ono-Kihara M, Kihara M. Changing patterns of HIV epidemic in 30 years in East Asia. Curr HIV/AIDS Rep. (2014). DOI 10.1007/s11904-014-0201-4.
5.Musumari PM, Wouters E, Kayembe PK, Kiumbu M, Mbikayi S, Suguimoto SP, Techasrivichien T, Lhukele BW, El-saaidi C, Piot P, Ono-Kihara M, Kihara M. Food insecurity is associated with increased risk of non-adherence to antiretroviral therapy among HIV-infected adults in the Democratic Republic of Congo: a cross-sectional study. PLoS One (2014) 9(1): e85327. Doi:10.1371/journal.pone.0085327

研究室

教授: 木原 正博
准教授:木原 雅子(国連合同エイズ計画共同センター、センター長)
特任助教:Patou Musumari Masika
特定助教:Teeranee Techasrivichien
TEL:075-753-4350 FAX: 075-753-4359
E-mail: kihara.masahiro.4n@kyoto-u.ac.jp