予防医療学 (環境安全保健機構健康科学センター)

kao教授 川村 孝
Takashi Kawamura, M.D., Ph.D. Professor  btn

病める人に対する癒しは医療の原点ですが、病気にならないようにすることも重要です。病気の予防には、発症そのものを防ぐ「一次予防」と、仮に発症していても顕在化する前に発見して治療する「二次予防」があり、健康科学センターは、それらの実践として、京都大学の学生や職員に対して様々な健康診断や保健指導を行っています。また健康相談や初期診療も行います。そして業務の中で、各種疾患の予防や治療に関する疫学研究、日常の健康管理システムの開発研究を行います。このように、日常業務の現場からエビデンスを発信していきます。

研究・教育について

「風邪の予防に水うがいが有効[1]」「働き盛りの突然死は4月や週末に多発する[2]」「一般市民による心肺蘇生は胸骨圧迫が第一[3]」「AEDの普及で助かる命が増える[4]」「IgA腎症の透析導入を臨床指標で予測する[5]」など、きわめて身近で日々の健康管理や医療に直接役立つ研究を行っています。用いる手法は疫学。多くは多施設共同研究で、全国の医療機関、健康管理施設、行政機関などと協力して研究を進めます。
医学研究科の社会健康医学系専攻では、(1)多数のヒトを対象として観察や介入を行い、病気の原因や医療の効果を評価する研究手法である「疫学」の授業の一翼を担い、(2)臨床研究者養成(MCR)コース向け授業である「臨床研究計画法」や「臨床研究特論」を担当しています。また所属する院生に個人指導(メンタリング)を行います。
保健・医療の実務の中で研究を行いますので、大学院生に一定の要件を求めています。健康科学センター(予防医療学)のページを参照してください。

r-116-1
①うがいの風邪予防効果を検証する無作為化対照試験(文献1)

r-116-2

②AEDの普及による院外心停止の社会復帰割合の向上(文献4)


研究業績

  1. Satomura K, Kitamura T, Kawamura T, et al. Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial. Am J Prev Med 2005; 29: 302-307.
  2. Kawamura T, Kondo H, Hirai M, et al. Sudden death in the working population: a collaborative study in central Japan. Eur Heart J 1999; 20: 338-343.
  3. Iwami T, Kawamura T, Hiraide A, et al. Effectiveness of bystander-initiated cardiac-only resuscitation for patients with out-of-hospital cardiac arrest. Circulation 2007; 116: 2900-2907.
  4. Kitamura T, Iwami T, Kawamura T, et al. Nationwide public-Access defibrillation in Japan. N Engl J Med 2010; 362: 994-1004.
  5. Goto M, Kawamura T, Ando M, et al. A scoring system to predict renal outcome in IgA nephropathy: a nationwide 10-year prospective cohort study. Nephrol Dial Transplant 2009; 24: 3068-3074.

研究室

教授:川村 孝・石見 拓
准教授:武本 一美
助教:上床 輝久・岡林 里枝・松崎 慶一・小林 大介
URL:http://www.hoken.kyoto-u.ac.jp