細胞膜生物学

kao教授  秋山 芳展
Yoshinori Akiyama, D. Sci, Professor  btn

タンパク質の細胞内での折り畳み、アセンブリー、分解などの諸過程が的確に起こるために細胞に備えられている仕組みを、生化学、遺伝学、構造生物学等様々なアプローチにより解析し、細菌細胞表層タンパク質の機能発現と秩序維持機構を明らかにしようと努めています。
また、パピローマウイルス(HPV)の感染機構と、それによって引き起こされる細胞がん化の分子機構の解析、さらに、発生やがん化に関与するWnt/bカテニン経路の制御機構も細胞生物学的に研究しています。

研究・教育について

タンパク質膜透過・組込み装置の研究:タンパク質の膜透過(膜を横切る反応)は、進化的に保存されたトランスロコン(SecYEG複合体)や分子モーターSecA、膜因子SecDFの機能によりおこります。ビブリオ菌のVemPは自身の翻訳伸張停止を介して、下流のsecDF 遺伝子の発現を制御します。
膜タンパク質分解の分子機構と制御:タンパク質の分解は、異常なタンパク質の除去やタンパク質存在量の調整とともに、標的の特異的切断による機能調節にも重要です。これらの機構の解明や、異常な表層タンパク質の蓄積によるストレスの感知・応答機構の問題に取り組んでいます。
HPV感染と発がん機構: HPV感染は子宮頸がん発症の主要な危険因子であることが知られています。このウイルスの複製は上皮細胞の分化による支配を受けており、私たちはウイルス-細胞間のクロストークについて研究しています。
Wnt/bカテニン経路の制御機構:私たちは、Keratin-associated protein 13の強制発現が、発生や癌化に働くWnt経路を活性化する事を見いだしました。トランスジェニックマウスを用いて、解析しています。

Fig. 1: グラム陰性最近におけるタンパク質膜透過・折り畳み(左)、表層ストレス応答(中)、表層タンパク質分解(右)

Fig. 2:ハイリスク型のHPV18のコードするE7と活性型rasの共発現により上皮細胞は浸潤能を獲得する


研究業績

  1. Shahrizal, M., Daimon, Y., Tanaka, Y., Hayashi, Y., Nakayama, S., Iwaki, S., Narita, S., Kamikubo, H., Akiyama, Y., and Tsukazaki, T. (2019) Structural basis of the function of the β-barrel assembly-enhancing protease BepA. J. Mol. Biol. 431, 625-635.
  2. Mori, H., Sakashita, S., Ito, J., Ishii, E., and Akiyama, Y. (2018) Identification and characterization of a translation arrest motif in VemP by systematic mutational analysis. J. Biol. Chem. 293, 2915-2926.
  3. Miyazaki, R., Myougo, N., Mori, H., and Akiyama, Y. (2018) A photo-cross-linking approach to monitor folding and assembly of newly synthesized proteins in a living cell. J. Biol. Chem. 293, 677-686.
  4. Ueno, T., Sasaki, K., Yoshida, S., Kajitani, N., Satsuka, A., Nakamura, H. and Sakai, H. (2006) Molecular mechanisms of hyperplasia induction by human papillomavirus E7. Oncogene 25, 4155-4164.
  5. Ma, G., Yasunaga, J.-I., Fan, J., Yanagawa, S.-I., Matsuoka, M. (2012) HTLV-1bZIP factor dysregulates the Wnt pathways to support proliferation and migration of adult T-cell leukemia cells. Oncogene Oct8. doi: 10.1038/onc.2012.450
 

研究室

教授:秋山 芳展
准教授:酒井 博幸・森 博幸
助教:柳川 伸一・檜作 洋平
TEL: 075-751-4040
FAX: 075-771-5699
e-mail: yakiyama@infront.kyoto-u.ac.jp
研究室のURL: https://infront-biomembrane.jp