細胞機能調節学

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当研究分野は3つのグループで構成されている。それぞれ、1)タンパク質品質管理機構と呼ばれる、細胞内で生合成されたタンパク質や様々なストレスが加わって変性したタンパク質が再び正しく機能するための仕組みと、これを担う分子シャペロンタンパク質やレクチンの機能解析、2)RNA aptamer法を用いた転写機構、3)T細胞レセプターβ鎖(TCRβ)遺伝子の再構成がどのように進行していくか、というテーマについて、分子生物学、細胞生物学、免疫学、生化学、構造生物学などの手法を用いて研究を行っている。

研究・教育について

1)細胞は多くのタンパク質を生合成している。タンパク質が正しく機能するためには、正しく折り畳まれて、正しい高次構造を形成する必要がある。変性した細胞内タンパク質は凝集体を形成するなどして細胞機能を傷害する。機能的なタンパク質を生合成し維持するための仕組みはタンパク質の品質管理機構と呼ばれ、このメカニズムは遺伝子疾患や神経変性疾患、糖尿病などの発症に関与していることが明らかになっている。
2)生体内における転写機構を解析するため、RNA aptamerを用い、遺伝子特異的な転写複合体の解析とクロマチンリモデリング因子の転写に与える影響に焦点を絞り研究を進めている。また、細胞内に存在する蛋白質の機能を特異的に阻害しうる特徴をもつRNA aptamerの、新たな評価方法と生体内における運用方法の確立を試みている。
3)マウス胸腺リンパ腫TCRβ鎖遺伝子座の解析から、TCRβ鎖遺伝子再構成の進行過程を解明しようとしている。生体では、2種類のTCRβ鎖を発現しているT細胞はまれにしか存在しない。しかしながら、従来考えられているほど厳密に遺伝子再構成のレベルで抑制されているわけではないことを明らかにした。

r-082-1小胞体におけるタンパク質品質管理機構の模式図

r-082-2EDEM3タンパク質は小胞体に局在する(免疫染色)

研究業績

1. Fujimori, T., Kamiya, Y., Nagata, K., Kato K. and Hosokawa, N. (2013) Endoplasmic reticulum lectin XTP3-B inhibits endoplasmic reticulum-associated degradation of a misfolded α1-antitrypsin variant. FEBS J.: 280, 1563-1575
2. Iida, Y., Fujimori, T., Okawa, K., Nagata, K., Wada, I. and Hosokawa, N. (2011) SEL1L protein critically determines the stability of the HRD1-SEL1L endoplasmic reticulum-associated degradation (ERAD) complex to optimize the degradation kinetics of ERAD substrates. J. Biol. Chem. 286, 16929-16939
3. Hosokawa, N., Kato, K. and Kamiya, Y. (2010) Mannose 6-phosphate receptor homology domain-containing lectins in mammalian endoplasmic reticulum-associated degradation. Methods in Enzymology: 480 (Ed. M. Fukuda) Elsevier, 181-197
4. Hosokawa, N., Tremblay, L. O., Sleno, B., Kamiya, Y., Wada, I., Kato, K., Nagata, K. and Herscovics, A. (2010) EDEM1 accelerates the trimming of α1,2-linked mannose on the C branch of N-glycans. Glycobiology: 20, 567-575
5. Hirano, S., Kakinuma, S., Amasaki, Y., Nishimura, M., Imaoka, T., Fujimoto, S., Hino, O. and Shimada, Y. (2013) Ikaros is a critical target during simultaneous exposure to X-rays and N-ethyl-N-nitrosourea in mouse T-cell lymphomagenesis. Int. J. Cancer 132, 259-268.

研究室

准教授:細川 暢子
TEL: 075-751-3849
FAX: 075-751-4646
e-mail: nobukoh@frontier.kyoto-u.ac.jp
URL: http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/bf01/j/home.html
講師:平芳一法
TEL: 075-751-3840
e-mail: ippou@frontier.kyoto-u.ac.jp
助教:藤本真慈
TEL: 075-751-3845
e-mail: fujimoto@frontier.kyoto-u.ac.jp