耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

大森先生顔写真 教 授 大森 孝一
Koichi Omori, M.D., Ph.D. Professor btn

耳鼻咽喉科・頭頸部外科は頭頸部全域の広範囲な疾患を扱います。研究対象も多岐にわたりますが、中心となるのは聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚などの感覚器の障害で、特に臨床的に最も重要なのが内耳性難聴です。当科では、再生医学を用いた内耳感覚細胞の再生と内耳性難聴の治療を主題としていますが、喉頭・気管・中耳粘膜の再生等についても研究をすすめています。内耳へのDDSを用いた新しい難聴の治療や、鼓膜再生・声帯委縮の再生医療はすでに臨床応用の段階に入っています。脳機能画像を用いた聴覚中枢処理についても研究しています。

研究・教育について

■ 内耳再生研究グループ
哺乳類の内耳は生後に障害されると聴覚や平衡覚は生涯にわたり機能回復しません。このため、多くの患者が感音難聴や平衡障害に悩まされており、これらに対する新たな治療法の開発は喫緊の課題です。
我々は内耳の機能的な再生を目標に、内耳発生や内耳疾患の解明と新規内耳疾患治療法の開発を行っています。成長因子IGF1の内耳性難聴への応用1, 2)、iPS細胞の内耳構成細胞への効率的な誘導方法の開発と内耳障害の機序の解明、単一細胞レベルでの内耳発生、再生メカニズムの解明などに取り組んでいます。

Netrin1は内耳有毛細胞の保護効果を示す(業績2)

■ 頭頸部再生研究グループ
頭頸部の外傷や術後の組織欠損は、整容的・機能的にQOL(quality of life)を大きく損ないます。当グループでは、組織工学に基づき、喉頭・気管の再生研究を行っています。

①気管再生: ポリプロピレンとコラーゲンからなる人工気管を開発し、近年では細胞移植や成長因子との組み合わせにより更なる改良を試みています。

軟骨細胞添加人工気管移植により気管軟骨の再生(→)を確認(業績3)

②喉頭再生: 種々の調節因子、足場材料、細胞を用い、喉頭の組織再生を図っています。

脱細胞化ブタ膀胱による喉頭の再生(業績4)

医局集合写真医局集合写真


研究業績

  1. Nakagawa T., Yamamoto M., Kumakawa K., et al.: Prognostic impact of salvage treatment on hearing recovery in patients with sudden sensorineural hearing loss refractory to systemic corticosteroids: A retrospective observational study. Auris Nasus Larynx 43(5): 489-494, 2016.
  2. Yamahara K., Nakagawa T., Ito J., et al.: Netrin 1 mediates protective effects exerted by insulin-like growth factor 1 on cochlear hair cells. Neuropharmacology 119: 26-39, 2017.
  3. Nomoto M, Nomoto Y, Tada Y, et al.: Bioengineered trachea using autologous chondrocytes for regeneration of tracheal cartilage in a rabbit model. The Laryngoscope 123:2195–2201, 2013.
  4. Kitamura M, Hirano S, Kanemaru S-I, et al.: Glottic regeneration with a tissue-engineering technique, using acellular extracellular matrix scaffold in a canine model. J Tissue Eng Regen Med 10(10): 825-832, 2016.

研究室

教 授:大森 孝一
講 師:中川 隆之・楯谷 一郎・山本 典生
院内講師:北村 守正
助 教:山下 勝・岡野 高之・末廣 篤
特定病院助教:岸本 曜・伊木 健浩
特定助教:喜多 知子・大西 弘恵
TEL :075-751-3346
FAX :075-751-7225
e-mail :inq@ent.kuhp.kyoto-u.ac.jp
URL :http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~ent/