高次脳形態学

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脳は、認識・思考・感情・記憶・意識など人類が未だに理解できないでいる高次機能を、もっと分りやすく言いますと「心」と呼ばれる機能を実現しています。私達の研究室では、こうした神経系の働きを、物質的・形態的な基盤に基づいてボトムアップに理解しようとします。人を含む哺乳類の脳回路には一定の設計図(デザイン)があり、特に大脳皮質の神経回路のデザインには「心」を産み出す作動原理が書き込まれているであろうと考えますので、この皮質神経回路のデザインを解明し、そこから作動原理を発見することを目指します。

研究・教育について

研究:認識、感情、思考、意識など、科学的な立場からしても未だに神秘的に見える機能を顕現できる大脳皮質は、いったいいかなるロジック・作動原理を使用しているのであろうか? この疑問に対するアプローチとして、我々の研究室ではボトムアップの研究方法を採用する。(1)大脳皮質のニューロンを神経伝達物質・受容体等の機能物質・分子で分類して、(2)分類されたニューロン群の間に構成される神経回路網を形態学的に解析する。1、2のためには、従来の神経形態学的手法(免疫染色法、電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡、順行性・逆行性ニューロン標識法)に加えて、細胞内記録・染色による電気生理学的手法、ウィルスベクターやトランスジェニックマウスなど遺伝子工学を応用した手法を用いる。こうしたウェットの実験系と共に(3)理学部・工学部系の研究者とともに神経回路網のモデルを立ち上げて、シミュレーション実験で回路網の動作を検証することも実行している。
教育:中枢神経系の構成の全般的な知識と研究の方法論について指導するが、個々の研究テーマは大学院生・ジュニア研究者が自由に選択し、自分のアイデアで研究を推進することを推奨する。
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A, B: 細胞体樹状突起膜移行性 GFP を大脳皮質インターニューロンに発現させる (Eur J Neurosci, 2013).
C: 3種の皮質抑制性インターニューロンからパルブアルブミン (PV) 産生インターニューロンへの入力の特異性 (J Neurosci, 2013).


研究業績

1. Kuramoto E, Furuta T, Nakamura KC, Unzai T, Hioki H, Kaneko T. Two types of thalamocortical projections from the motor thalamic nuclei of the rat: A single neuron tracing study using viral vectors. Cerebral Cortex 19: 2065-2077, 2009.
2. Furuta T, Deschênes M, Kaneko T. Anisotropic distribution of thalamocortical boutons in barrels. The Journal of Neuroscience 31: 6432-6439, 2011.
3. Hioki H, Okamoto S, Konno M, Kameda H, Sohn J, Kuramoto E, Fujiyama F, Kaneko T. Cell type-specific inhibitory inputs to dendritic and somatic compartments of parvalbumin-expressing neocortical interneuron. The Journal of Neuroscience 33: 544-555, 2013.
4. Sohn J, Okamoto S, Kataoka N, Kaneko T, Nakamura K, Hioki H. Differential Inputs to the Perisomatic and Distal-Dendritic Compartments of VIP-Positive Neurons in Layer 2/3 of the Mouse Barrel Cortex. Frontiers in Neuroanatomy 10: Article 124, 2016.

研究室

准教授:古田 貴寛
助教:日置 寛之
TEL 075-753-4331
FAX 075-753-4340
e-mail:mbs-secretary@mbs.med.kyoto-u.ac.jp
URL:http://www.mbs.med.kyoto-u.ac.jp/