免疫細胞生物学

免疫学は現代医学のほとんどすべての領域において必須の要素であり、免疫機構の理解は医学と生物学の進歩に大きな貢献を果たしてきた。しかし、中心的な免疫学的諸課題は依然として多くの謎に包まれており、免疫学は現代医学生物学の中で最もチャレンジングな研究領域であり続けている。私たちの研究室では、免疫系細胞と組織の発生と分化、ガンや移植片に対する免疫応答の機構、免疫系の異常による自己免疫病の発症機構、免疫老化など、今日の免疫学の重要な課題について息の長い研究を進めている。

研究・教育について

現在の研究活動の焦点は、正常なリンパ球およびリンパ組織の発生と分化の分子機構の理解に基づいて、その異常や攪乱によっていかにして自己免疫病、免疫不全、ガン化(白血病)などの多様な免疫疾患の発症にいたるかを解明することに向けられている。さらにこれらの基礎的研究の成果から、実際のヒトの疾患の制御と克服に向けて応用しうるプリンシプルを確立することまでを視野に入れている。研究の基本はあくまでも個体レベルでの主要な免疫事象の理解にあり、分子細胞生物学の技術を駆使しつつ、できる限りヒトの病態に近い遺伝子改変動物などの動物モデルを用いて独創性の高い研究を進めている。このために、病態や疾患の正確な知識と理解は不可欠である。
本研究室は医学部B1免疫学教育に責任を持つとともに、外国人学生を含む多くの大学院生を受け入れてその大学院教育を行っている。大学院生はいくつかの研究プロジェクトの中で4名のスタッフ教員の直接指導による学位研究活動と、週2回のミーティング(原則英語)からなるかなりハードであるが精力的なプログラムに入る。

r-010-1Cancer Cell 2003表紙より
2015 HP 湊研集合写真研究室集合写真


研究業績

  1. Doi.K., Imai, T., Yagita, H., Agata, Y., Vooijs, M., Inoue, J., and Minato, N. Role of the Rap signal in Notch activation of T-cell acute lymphoblastic leukemia. Sci.Rep. 5: 7978, 2015.
  2. Sekai, M., Hamazaki, Y. and Minato, N. Medullary thymic epithelial stem cells ensuring lifelong central T-cell tolerance. Immunity 13: 753-761, 2014.
  3. Minato, N. Rap G protein signal in normal and disordered lymphohematopoiesis. (Review article) Exp. Cell Res. 319: 2323-2328, 2013.
  4. Kawai. K. Hamazaki, Y., Fujita, H., Fujita, A., Sato, T., Moriwaki, K., Furuse, M. , Fujimoto, T., Agata, Y. and Minato, N. Claudin-4 is induced in thymocytes of late CD4/CD8 double positive stage by E2A and promotes T cell receptor–mediated positive selection. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 108: 4075-4080, 2011.
  5. Shimatani, K., Nakashima, Y., Hattori, M., Hamazaki, Y., and Minato, N. Memory phenotype PD-1+ CD4+ T cells expressing C/EBP underlie T cell immunodepression in senescence and leukemia. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 106: 15807-15812, 2009.

研究室

准教授 濱崎 洋子 hamazaki@imm.med.kyoto-u.ac.jp
助教 瀬海 美穂 sekai@imm.med.kyoto-u.ac.jp
(スタッフ室)075-753-4433