寄附講座一覧

呼吸管理睡眠制御学講座 リウマチ性疾患先進医療学講座
臨床腫瘍薬理学・緩和医療学講座 標的治療腫瘍学講座
てんかん・運動異常生理学講座 臨床システム腫瘍学講座
地域医療システム学講座 発達障害支援医学講座
運動器機能再建学講座 代謝制御学講座
創薬医学講座 免疫ゲノム医学講座
先端糖尿病学講座

呼吸管理睡眠制御学講座

研究目的 1)覚醒・睡眠中を含めた24時間の呼吸管理を行い,多臓器疾患領域における重篤患者の治療成績の向上をめざす。
2)上記をめざすための新機器、薬剤の開発をめざす。
3)睡眠障害が各種病態に与える影響を学際的に検討する。
4)呼吸管理・睡眠医学を適切に行える医師および指導者の育成を行う。
研究内容 1)間歇的低酸素、持続的低酸素、高二酸化炭素血症が生体に与える影響を、人、動物、細胞・分子生物学的に検討する。
2)上記血液ガス異常による循環障害、代謝障害の影響を解明し、同障害を起こしやすい人の遺伝子学的検索。
3)侵襲的・非侵襲的呼吸管理法の有効利用法の検討。
4)24時間の呼吸管理による、術後合併症の予防と,難治病態の治療成績の向上をめざす呼吸の分子生物,生理,調節の研究
5)睡眠呼吸障害領域における CPAPなどにかわる新しい治療法の確立、創薬の展開。
研究課題 1)現状では治療困難な急性肺障害(ARDS,間質性肺炎の増悪など)の治療成績の向上と急性肺障害の進展を予防する治療法の確立および新治療法の開発。
2)糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、心不全をはじめとした心血管障害患者における本邦における睡眠呼吸障害合併頻度の検討と適切な治療法の普及と新規治療法の開発、臨床試験の実施
3)学際的睡眠医学の教育と侵襲・非侵襲呼吸管理法の教育と事故の防止
寄附者 帝人ファーマ株式会社
フィリップス・レスピロニクス合同会社
フクダ電子株式会社
フクダライフテック関西株式会社
講座開設期間 平成20年4月1日~平成30年3月31日まで
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リウマチ性疾患先進医療学講座

研究目的 1)RA に関する基礎研究を充実させること
2)RA 治療の最適化に関する臨床的エビデンスの確立
3)RA 診療に精通した看護師や薬剤師の育成
4)地域医療への貢献
研究内容 1) KURAMA コホートによる臨床疫学研究
2) KURAMA コホートとバイオバンクを用いた臨床免疫学的研究
研究課題 1.全身性リウマチ性疾患における自己抗体の臨床的意義
2.関節リウマチの生物学的製剤の免疫原性と自己免疫との関連に関する研究
3.関節リウマチおよびその動物モデルのおけるGM-CSF 産生CD4T細胞の役割
4.関節リウマチと歯周病に関する臨床免疫学的研究
5.間質性肺炎の病態におけるinflammasome の関与
6.関節リウマチにおけるメタボロミクスによる疾患活動性マーカーの探索
7.ヒト関節リウマチでの間葉系幹細胞と制御性T細胞の機能に関する研究
8.ヒト関節リウマチ特異的CD4陽性細胞および血漿・関節液miRNAの同定と治療・診断への応用
9.関節リウマチ患者版T2Tの同意度を規定する臨床的因子の研究
10.関節リウマチ患者の身体機能とQOL向上に有用な運動療法の検討 など
寄附者 滋賀県長浜市
田辺三菱製薬株式会社
中外製薬株式会社
あゆみ製薬株式会社
ユーシービージャパン株式会社
講座開設期間 平成29年4月1日~平成32年3月31日まで
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臨床腫瘍薬理学・緩和医療学講座

研究目的 臨床腫瘍学領域の薬物療法の効果や副作用に関して、ゲノム薬理学的観点から個別化医療の確立・普及を目標とし、最終的にがん治療の進歩に資することを目的とする。
緩和医療学領域では、がんやその他の治療困難な疾患をもつ患者の全経過における全人的苦悩(total suffering)から解放とquality of lifeの向上を目指す緩和医療を発展させるために国際的かつ学術的研究を促進し、その実践と教育を図り、医療・福祉の発展に寄与することを目的とする。
研究内容 がん薬物療法の進歩のための①病態関連の遺伝子についての研究、②遺伝子多型と薬剤に対する反応性の研究、③遺伝子検査による薬剤反応性を予測する研究等、PGxを用いた個別化治療を推進し、がん薬物療法を安全かつ有効に投与する方法論を確立する。
緩和医療の進歩のため、①大学附属病院における緩和医療の拡充と緩和ケア病棟の開設、②医学部における緩和医療学の卒前・卒後教育の確立・実践、③緩和医療領域における臨床研究、④最新の緩和医療の情報発信、⑤地域における緩和医療の提供体制の強化等、緩和医療の臨床、教育、研究の基盤整備を図り、第1期の教育・研究を継続・発展させる。
研究課題 1.ゲノム情報に基づくかん個別化医療研究拠点形成のためのバイオバンクを中心とした基盤整備とバイオインフォマティクスの手法も取り入れた網羅的解析システムの構築
2.オキザリプラチン・イリノテカンに関するゲノム薬理学研究
3.網羅的がん遺伝子変異検査(クリニカルシーケンス)の実践・普及
4.緩和医療領域における臨床研究
5.最新の緩和医療の情報発信
6.地域における緩和医療の提供体制の強化
寄附者 株式会社ヤクルト本社
小野薬品工業株式会社
あゆみ製薬株式会社
昭和薬品化工株式会社
塩野義製薬株式会社
中外製薬株式会社
テルモ株式会社
日本臓器製薬株式会社
講座開設期間 平成29年4月1日~平成32年3月31日
 

標的治療腫瘍学講座

研究目的 分子標的治療を主対象に、治療効果予測因子の探索、治療耐性発現機序の分析等を行い、治療の最適化、耐性の克服、新規治療法及び治療コンセプトの開発を行う。本目的のために、特に臨床試験登録症例の癌組織及び患者血液等を主たる研究試料とし、癌ホルモン療法、抗HER療法、抗血管新生療法等を含む標的療法、及び併用療法施行前後の腫瘍特性とその変化、担癌生体の反応、応答を分析する。 これらの研究を通じ、癌治療成績の向上に寄与することを目標とする。
研究内容 本講座では、癌の分子標的治療に関する腫瘍学研究を行う。治療に関する様々な生物学的情報を集積、蓄積し、ヒト癌の動態を解析する。腫瘍特性と種々の治療法の効果、毒性との関係を検討することにより、治療効果予測因子の開発、治療の最適化を行う。同時に、分子標的療法の奏効、耐性機序を解析する。それらの情報をベースに、治療の効率化、新規治療標的の探索、治療法開発を行う。また、治療時の患者生体における応答、反応を血液試料等を用いて分析、免疫、炎症、内分泌学的観点から検討する。標的治療時の腫瘍と生体の相互作用とその変化を把握し、治療反応性、応答性を確認しながら治療を個別化する新しい治療戦略を検討する。広く臨床応用ができるようにシステムを開発し、癌診療の高水準化、効率化に努める。研究成果は国内外に発信し、有用性を様々な医療ネットワークの中で検討する。
研究課題 ①抗VEGF療法の効果に関わる因子の探索と治療効果・耐性化バイオマーカーの確立
②抗HER2療法の効果を予測するmiRNAアレイキットの開発
③ホルモン療法の血液中効果予測因子の探索研究、及び癌幹細胞を介した作用メカニズムの研究
④血液中DNAメチル化マーカーを用いた乳癌の早期診断
⑤標的治療薬による癌・間質反応の研究
寄附者 中外製薬株式会社
講座開設期間 平成23年7月1日~平成29年6月30日まで
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てんかん・運動異常生理学講座

研究目的 1)臨床てんかん学の病態と治療と常に表裏一体関係である臨床神経生理学の研究と臨床応用の発展を、大学病院の立場から推進する。
2)集学的立場から、てんかんの病態解明と治療の開発、高度先進医療の推進、実践医療としての確立と普及を目指す。同時に、将来の本分野の担い手となる専門医と臨床研究者の養成と教育機会を国内外に広く提供する。
研究内容 関連講座としての神経内科と共同で、てんかんおよび運動異常症の病態解明と新しい治療法の開発、各種脳機能診断方法の向上、基礎研究の推進、遺伝子多型によるテーラーメード薬剤治療等を,総合的、効率的、包括的に進める。
研究課題 1.広域周波数脳波解析によるてんかん原性の解明とそれに適した医療機器の開発
2.てんかん外科治療治療の推進と臨床研究
3.てんかん焦点に対する各種機能イメージングと生理学的特性の総合的研究
4.iPS細胞を駆使したてんかん原性の解明
5.高度な専門医療者の育成のプロトコール研究
寄附者 大塚製薬株式会社
日本光電工業株式会社
グラクソ・スミスクライン株式会社
ユーシービージャパン株式会社
講座開設期間 平成25年6月1日から平成30年5月31日まで
ホームページ http://epilepsy.med.kyoto-u.ac.jp/
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臨床システム腫瘍学講座

研究目的 京都大学医学部附属病院キャンサーバイオバンクプロジェクトにおいて収集されるがん患者の経時的臨床情報と生体試料に含まれる様々な生物学的情報を統合的に解析する新たな方法論を開発することで、臨床情報を基礎科学に橋渡しするトランスレーショナル臨床情報学の創成とデータ主導型個別化医療の開拓を目指す。これにより、がん患者個人の病態変化・治療効果・副作用の予測、患者個人に最適な治療戦略の合理的推定、および新たなバイオマーカー・創薬ターゲットの探索等を行い、医療の高度化と医薬関連産業の発展に資する。
研究内容 1)患者個人の病態変化・治療効果・副作用の予測計算モデルの開発
2)患者個人の治療プロセスを最適化する計算アルゴリズムの開発
3)実臨床における医療ビッグデータのデータマイニングを可能にする高速処理アルゴリズムの開発
研究課題 1.経時的臨床情報と生物学的情報の統合解析を可能にする統計モデル・数理モデルの開発
2.実臨床における医療ビッグデータのデータマイニングを可能にする高速処理アルゴリズムの開発
3.患者個人の病態変化・治療効果・副作用の予測計算モデルの開発
4.経時的臨床情報と生物学的情報の統合解析による新たなバイオマーカー・創薬ターゲットの探索
5.患者個人の治療プロセスを最適化する計算アルゴリズムの開発とそれによる治療戦略・臨床治験戦略の合理的推定
寄附者 中外製薬株式会社
株式会社アーク・イノベーション
Gセラノスティックス株式会社
株式会社アスクレップ
株式会社サイバー・ラボ
講座開設期間 平成29年4月1日~平成32年3月31日まで
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地域医療システム学講座

研究目的 1.京都大学医学部附属病院の診療科が、専門医不在ないしは不足している地域の公立病院の常勤医に最新の医療知識を与える機会を定期的に作り、診療科専門医療を遂行し、地域における専門医育成に寄与する。
2.ITを利用し、遠隔地における医師と京大病院にいる医師との双方向的なやりとりを可能にし、遠隔診断・遠隔医療支援システムを構築する。
3.大学所属の専門医も、豊富な地域症例に関わることにより、専門科のみならず、総合診断能力の維持と向上を目指す。
4.地域総合病院に勤務するリサーチマインドを持った優れた若手医師に、臨床研究リテラシーの学習機会と実践演習の指導を提供し、質の高い研究を実施し発進する力のある医師を育成する。
研究内容 1.専門医療の遂行と臨床研究
地域における専門医の役割を模索し、専門医不在時と比較してどのような医療サービス効果があるのか、他の医師にとってどのような貢献(職務内容および専門領域についての理解の普及など)が可能かを検証する。また、地域特有の疾病構造の疫学調査を行う。ITを用いた双方向診療支援システムが構築可能か、また構築後が地域医療にどのように貢献できるか検証する。
2.専門医の育成とその方法に関する研究
若手医師の門的知識および技量の習得をサポートし学会発表や論文執筆を指導する。
3.日本社会の高齢化と過疎化に関し、医療過疎地での体験学習等を行うなどして、高齢者医学の医療の在り方、本質について教育の場を提供する。
4.地域総合病院で行う臨床研究の推進
地域医療の現場における切実な課題を解決する臨床研究を推進するために指導・支援する。
研究課題 1.専門医療に対する患者側、医療者側のニーズを顕かとする。
2.1が充足した場合に、地域特有の疾病構造を調査し、地域の医療レベルがどのように変化したか検証する。
3.地域で専門医を育成できる体制を構築する。
寄附者 公立小浜病院組合
公立橋本市民病院
講座開設期間 平成29年4月1日~平成32年3月31日まで
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発達障害支援医学講座

研究目的 1.発達障害(自閉症スペクトラム障害など)の精神生理と神経基盤の解明
2.発達障害に関する治療的介入方法の確立
3.発達障害の人のメンタルヘルスに関わる高度専門人材育成の支援と社会的啓蒙
研究内容 1.発達障害の人の認知・行動特性について精神生理学や脳画像の手法等を用いて調べる
2.発達障害の人にみられる社会不適応などの臨床的問題への介入方法を探る
3.本講座の研究・臨床活動への参加を通じて本学関係者や発達障害関連機関(行政含む)のスタッフ等が高度な専門性を身に付けられるよう教育・指導する。また、公開講座等による社会啓蒙と研究知見の社会還元を行う。
研究課題 1.発達障害の人の対人認知処理、感情処理とその神経基盤
2.発達障害の人の感覚・運動・記憶の発達、ストレス反応特性
3.発達障害に付随しやすい二次障害(トラウマ反応、うつ症状、ひきこもり、依存症、司法的問題など)に対する介入方法
4.本講座の他職種専門チームによる大学・地域の支援機関への効果的援助システムの確立
寄附者 全国建設組合連合運営協議会
株式会社広域総合事務支援センター
株式会社オフィス・トリプルワン・セブン
ほか一社
講座開設期間 平成26年10月~平成29年9月まで
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運動器機能再建学講座

研究目的 1.人工関節の開発
2.人工関節の臨床における多角的な評価、解析
研究内容 1.人工関節機能の3次元解析
2.人工関節術後の動態解析
研究課題 1.人工膝関節における生理的な動作の再現と術式の確立
2.人工膝関節術後の患者満足度の検証
3.3次元解析による膝関節の総合的な解析と臨床への発展
4.人工股関節の摺動面における摩耗の評価
5.人工股関節の形状、固定方法の違いによる術後経過の検証
寄附者 京セラメディカル株式会社
講座開設期間 平成27年4月1日~平成30年3月31日まで
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代謝制御学講座

研究目的 身体における代謝ネットワークを制御することにより臓器障害を軽減し、健康寿命の延伸をはかる。
研究内容 代謝内分泌疾患と、それら疾患によってもたらされる血管や臓器の障害において、全身の代謝ネットワークと各臓器の代謝シグナルの解析を通じてその病態を明らかにし、それら代謝を制御する手法の研究開発を行う。また、それら代謝障害によりもたらされた臓器障害を修復・再生する手法の研究開発も行う。
現在、糖尿病・内分泌・栄養内科では糖尿病を中心に内分泌、栄養について広範な診療、研究を行っているが、このように幅広い分野を担当しているが故にその合併症までは十分に掘り下げるのが難しかった。そのため、今回、代謝内分泌障害とその合併症を制御することに重点を置いた本講座の設立を企画した。
研究課題 1.生体内の臓器機能と代謝制御における各種生理活性物質の意義の解析
2.各種ホルモン産生異常の病態、合併症、診断と治療に関する基礎・臨床研究
3.代謝障害によってもたらされる血管障害の病態解明と治療法の開発
4.代謝内分泌臓器の再生医療の開発
寄附者 1)MSD株式会社
2)小野薬品工業株式会社
3)田辺三菱製薬株式会社
講座開設期間 平成27年12月1日~平成30年11月30日まで
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創薬医学講座

研究目的 ポストゲノム時代の創薬手法を研究し、今後の我が国の創薬を産学両方で担う人材の養成
研究内容 本講座は、基礎から探索臨床までの広範かつ高度な医学知識・医学研究能力に加え、製薬科学、regulatory science、知財・起業学等を修得した創薬医学研究者の養成、および医学に基づく創薬手法に関する研究を行う。
(参考)プレスリリース:http://www.med.kyoto-u.ac.jp/blog/japan/news/news-prerelease/2016-4-28/
研究課題 1. 様々な疾患の基盤をなす炎症メカニズムの研究(プロスタグランジン/炎症・免疫・アレルギー/精神疾患/微小環境;Rhoシグナリング/アクチン/細胞遊走・接着/T細胞活性化/がん悪性化・浸潤・転移)
2. 病理標本リソースを用いた候補薬物の臨床有用性検証の研究
3. 精神疾患のトランスレーショナル研究(前頭前皮質の発達に遺伝及び環境要因が及ぼす影響;自閉症等の精神疾患の社会性行動の神経回路)
4. 創薬のための産学連携/知財マネジメントの研究
5. がんゲノミクスのバイオインフォマティクスの研究
寄附者 1) 大日本住友製薬株式会社
2) 小野薬品工業株式会社
3) 田辺三菱製薬株式会社
4) 杏林製薬株式会社
講座開設期間 平成28年4月1日~平成32年3月31日まで (期間終了後は3年ごとに延長を協議)
ホームページ http://www.mic.med.kyoto-u.ac.jp/dddm/
 

免疫ゲノム医学講座

研究目的 AIDによってRNA編集を受けるmiRNAを同定し、これに対してどのようなしくみで変異が行われるのかを明らかにする。さらに様々なmiRNAがBリンパ球の分化においてどのような役割をしているかを追求する。また、リンパ球の分化制御に関わるサイトカインの発現制御においても多くのmiRNAが関わっていることからこれらのしくみについても明らかにする。さらにAIDによって引き起こされるゲノム不安定性から由来するがん化のしくみについてその分子機構を解明し、その予防方法を開発する。
PD-1分子は免疫系のブレーキ役としての役割がますます広く認識され、PD-1の阻害による免疫賦活化を用いた癌の治療やPD-1の活性化により自己免疫病治療などへの展開等に大きな期待がかかり、この研究を進める。
研究内容 獲得免疫系の中心的な位置を占めるBリンパ球の分化においては、これに特有の抗体遺伝子の改変による抗体記憶の形成機構の解明が最も重要な課題である。さらに抗体遺伝子の改変機構の異常がBリンパ球のがん化に関わる可能性が指摘された。その仕組みとしてはActivation induced cytidine deaminase (AID)によりmiRNAの編集が起こり、その結果DNAの構造保持に重要な役割をするTopoisomerase1 の量的変動が起こり、DNAの構造の保持ができずNon B構造が誘導される結果、ゲノム不安定性が引き起こされると提唱されている。miRNAは近年様々な遺伝子の発現制御、mRNAの翻訳制御に関わり、細胞の分化制御に多彩な機能を示すことが知られている。また、miRNAは従来全く機能を持たないと考えられてきたイントロン由来のものも報告され、その多様な生物学的な役割について注目を集めている。我々はAIDによるmiRNA前駆体のRNA編集のしくみを明らかにし、これに起因するリンパ球の分化制御とがん化のしくみを解明したいと考えて、従来から一貫した研究を行なってきた。
一方、本講座のもう一つの研究テーマである免疫系の負の制御因子PD-1 に関しては、その異常によって自己免疫病が多数誘発されること、また、負の制御のブロックにより抗腫瘍活性が大きく亢進されることなどから、臨床応用への展開が期待されている。PD-1 のヒト型抗体もしくはPD-1 可溶化分子の投与によって免疫賦活癌治療法の開発が期待される。逆に、PD-1 を活性化するPD-L1、PD-L2 のligand 投与により移植等の過剰免疫応答を抑えることによる免疫制御療法が可能となる。これらの方向を目指した基礎的また探索臨床的な研究の展開が期待される。AID 及びPD-1 は既に国際特許を取得しており、これらの基礎的な研究から臨床応用へつながる医学研究の大きな発展が期待される。
研究課題 抗体遺伝子の変異による抗体記憶の形成機構の解明とPD-1の阻害によるがん治療の分子機構の解明。
寄附者 小野薬品工業株式会社
講座開設期間 平成28年4月1日~平成32年3月31日
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先端糖尿病学講座

研究目的 膵β細胞の機能や量の制御メカニズムについて、特に糖尿病状態や加齢に伴う変化に焦点をあてて解明し、糖尿病の新たな診断法や治療法の開発につなげることにより、国民の健康寿命の延伸に寄与することを目的とする。
研究内容 特に糖尿病状態や加齢に伴う変化に焦点をあて、メタボロミクスやプロテオミクス、トランスクリプトミクス、エピジェネティクス等の多様な手法を駆使することで糖尿病の治療や予防につながる創薬標的となる膵β細胞の代謝経路や分子標的を同定し、新規の早期診断法や治療法の開発を目指すような、膵β細胞研究に特化した先端研究を目指す。
研究課題 1. 加齢や糖尿病状態における膵β細胞量の評価
2. 膵β細胞の増殖因子の同定
3. 糖尿病や加齢が膵β細胞の増殖に及ぼす作用のメカニズムの解明
4. 糖尿病や加齢における膵β細胞の代謝異常の解明
寄附者 武田薬品工業株式会社
講座開設期間 平成28年4月1日~平成31年3月31日
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