看護学専攻

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専攻紹介

■看護とは
「看護とは、健康であると不健康であるのを問わず、個人または集団の健康生活の保持増進および健康への回復を援助することである(日本看護協会1964)。」と定義されています。つまり、看護の対象者は、個人に限らず、家族や地域社会を含んでおり、扱う健康レベルも多岐にわたっていることを示しています。

■看護の機能と役割
看護の機能には、生活の援助や治療的処置への協力などの直接的看護活動、健康を保持し疾病を回復するために必要な生理的・心理的・社会的環境の保持、健康教育ならびに疾病の予防のための教育活動、保健医療チームの活動と看護活動の調整などがあります。法的には保健師助産師看護師法に規定されていますが、医療の発展に伴い、国民のニーズが多様化する中で、看護職に対する期待も高まっています。教育制度もより専門的になっており、今後は高度な知識・技術と判断を要する複雑な業務が増え、看護職の役割も拡大し発展していくことと思います。

講座紹介
■基礎看護学講座
基礎看護学講座は、看護学の基礎となる教育を担当する講座です。分野は基礎看護学と臨床基礎看護学に分かれています。
・基礎看護学分野は、看護学の基礎となる教育を担当しています。1回生前期では、「基礎看護学」「看護カウンセリング論I」「基礎看護学実習」を開講しています。これらの科目は看護学の基本的な概念である『人・環境・生活・健康・看護』に対する理解を深めるとともに、各自の看護観を形成するための基盤となるものです。1回生後期では「基礎看護学技術論」「基礎看護援技術演習I・II」を開講しています。これらの科目は、看護援助に必要な技術の内、最も基礎となる方法論です。
・臨床基礎看護学分野は、2回生の前期・後期に開講される臨床基礎看護学I・II、及び臨床基礎看護技術演習、臨床基礎看護実習を担当します。これらは基礎看護の教育の中で特に臨床での看護の実践に必要な知識や技術、方法論などの授業を含んでいます。実際の臨床実習に向けて、演習授業では科学的根拠に基づいて、基礎看護技術をより実践に近い方法で実施し、十分な教育効果が得られることを目指しています。

■臨床看護学講座
臨床看護学は、主として成人期にある人の体と心の健康問題に対し、既存の看護学の諸理論や知識はもとより、医学、心理学、社会学などの他領域の諸理論や知識を活用して、専門的な視点からアセスメントする方法や援助方法を開発し、実践の場で有効に活用できるよう、教育・研究する。

■家族看護学講座
少子化・核家族が進む21世紀において、家族は非常に重要な社会的単位であり、健康生活を維持・増進するための一時的なサポートシステムである。様々な家族・社会の形態や環境の中で、夫婦が自立して次世代を生み育てることに直接あるいは間接的に参加できるよう支援し、生活を援助していく方法を教育・研究する。

■地域看護学講座
少子・高齢社会の中で、地域生活では、在宅ケア、介護予防、街づくり、子育て、生活習慣病、認知高齢者などに関する様々な健康課題が生じている。この課題に対応する為の、地域ケアシステムの構築、地域組織活動、生活習慣病の予防、訪問看護、サクセスフルエイジングの実現等に関する地域看護や高齢者看護の専門的な理論や技術について教育・研究する。


特徴
■本学の特徴
看護学専攻では、以下のような人材育成を目指しています。

○個人、家族、地域を対象に、健康から不健康に至るあらゆる健康レベルの人々を支援しうる人材の育成
○生命に対する尊厳を基盤とした深い人間愛と高い倫理性を備え、対象となる人々の生きる力を引き出し、自立を助け、身体的・精神的・社会的側面から全人的なケアを行う人材の育成
■カリキュラム
①専門教育
看護学専攻では、第Ⅰセメスターから全学共通科目・専門基礎科目と並行して、看護学の基礎となる「基礎看護学」、人との関係を形成する上で基本となるコミュニケーションに主眼を置いた「看護カウンセリング論Ⅰ」を学習します。これらの科目は、看護学において基本的な概念となる人、環境、生活、健康に対する理解を深めると共に、看護に対する興味を新たにしたり、各自の看護観を形成したりするための基盤となるものです。第Ⅱセメスターでは、援助方法の基礎となる「基礎看護学技術論」「基礎看護学技術演習Ⅰ・Ⅱ」で、より具体的な方法論を学習します。
2年次以降は成人、老年、母性、小児、精神、地域の各臨床領域の専門科目が本格的に始まります。ここでは人体の構造や機能、病理などの専門基礎科目や基礎看護学の学習を踏まえ、各領域の特性や捉え方、疾患をもつ人や状況のアセスメント、必要な援助方法などを学習します。一部の演習では複数領域が共同し、事例を用いたより具体的かつ実践的な援助方法についても学習します。

②臨地実習と研究
看護学専攻では、1年次から4年次まで段階を追って実習を行います。第一段階として、人の生活や環境と健康との関わりを探求する「基礎看護学実習」を行い、看護学の視野を広げていきます。また、入院生活の意味やその人にどのような援助が必要かを考え、基礎的な技術を通して援助を実践する「臨床基礎看護学実習」を行います。
第二段階では、成人看護学、母性看護学、小児看護学、精神看護学の実習を通し、各領域の捉え方や実際の援助方法を学習し、看護学の特性についての理解を深めます。また、これらの実習を通して、他職種との連携や協調についても学習することで、Multidisciplinaryな見方を身につけます。実習施設は京都大学医学部附属病院のほか、京都府下の病院、保育所など、多岐にわたっています。
第三段階では、在宅看護論実習、地域看護学実習を通して在宅や地域における実際の支援方法を学習し、第二段階までの実習を統合して、看護の対象や看護が展開される場についての理解を深めます。また、それまで学習した領域の中から各自のテーマに沿って一領域を選択し、実践を踏まえて研究としてより深く探求していきます。研究はテーマに沿って内外の文献講読を行い、研究計画、データ収集を経て、教員の指導のもとに卒業論文として完成させます。このプロセスを通して、各自の看護観を深めると共に、専門職として臨床、教育、研究の各領域で活躍できる基盤を形成します。

③保健師選択課程
「保健師選択課程」は、保健師の国家試験受験資格をとるための選択課程です。この課程の選択科目は、3・4年次に開講されます。保健師選択課程には人数制限があるため、履修志願者の選抜試験が第Ⅲセメスター終了時に実施される予定です。志願者は第Ⅲセメスターまでに配置されている必修科目および選択必修科目の全ての科目の単位を取得していなければなりません。「保健師選択課程」を選択した場合、第Ⅶセメスターで臨地実習を行い、卒業論文を作成します。

※学部での助産選択課程は平成22年度入学者で終了し、平成23年度から大学院修士課程に移行しました。
(→高度実践助産学系


資格について
卒業により得られる称号と資格
■称号
4年間在籍し、所定の単位を修得した人には、学士の称号が与えられます。

■資格
・看護師(国家試験受験資格)
・保健師(国家試験受験資格)*

*保健師課程については、2年次にそれまでの学習進度による判定と試験による学内選抜を行います。
養護教諭2種免許は、所定の単位(選択科目)を修得し、保健師国家試験に合格すると取得することができます。
第1種衛生管理者免許は、保健師国家試験に合格し、都道府県労働局への申請によって取得することができます。


進路
病院・診療所、訪問看護ステーション、保健所、市町村、高齢者施設、研究機関・省庁・国際機関、学校、企業、大学院進学等です。今後は、これまでの枠にとらわれず、新しい活躍の場を開拓していくことが望まれます。
■就職
医療系(病院、保健所および保健センター、企業内管理部門、福祉施設など)、官公庁、一般企業、教育研究機関などがあります。大学院進学:卒業直後、または就職数年後を経て、大学院(博士前期・後期課程)に進学する道があります。本学科では、京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻を開設しています。また、専門看護師(Certified Nurse Specialist: CNS)や助産師を目指す方は、CNS養成課程や高度実践助産学課程のある大学院への進学の道もあります。

将来:北米では、プライマリケアの担い手としてNurse Practitioner(NP)が活躍しています。また、世界保健機構(World Health Organization: WHO)や国際協力機構(Japan International Cooperation Agency: JICA)、国境なき医師団(Medicines Sans Frontiers: MSF)など、国際的な場で活躍することも可能です。



写真


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